「草1本生えなくなる……」世界中を破壊し尽くす中国企業“農地爆買い”被害の深刻度 | ニコニコニュース

周辺の水資源を枯渇させた、中国資本によるタイのバナナ農園
日刊サイゾー

 中国から押し寄せる爆買い観光客が日本で話題となって久しいが、海外では中国企業による“農地”爆買いが問題となっている。

 4月6日付のタイの中文ニュースサイト「泰華網」によると、ある中国企業が、同国北部のチエンラーイ県に432万平方メートルに及ぶバナナ農園を開墾したところ、かんがいによって周辺の水資源が枯渇。生活用水が脅かされる事態となった住民が、怒りの声を上げている。

 住民の話によると、国境をまたいだラオスでは、同じく中国企業が4億平方メートルに及ぶバナナ農園を運営している。同農園では、規制を超える大量の農薬が使用されているとみられ、河川の下流に位置する同地の水質汚染につながっているという。

 また、2012年にはフィリピンのルソン島にあるイサベラ州で、中国企業がバイオエタノールの原料となるサトウキビを栽培するため、耕作者の合意のないまま水田を破壊するなどして、地元住民から反発を受けている(比紙「デイリー・トリビューン」)。

 ロシアにも、多くの中国企業が農地を求めて進出している。ところが、中国企業に貸し出した農地は、草1本生えなくなることがあるという。ロシアで禁止されている化学肥料を大量に使用したことが原因とみられている(ロシア国営ラジオ「ヴォイス・オブ・ロシア」)。

 昨年12月に中国との自由貿易協定が発効したオーストラリアでは、25の酪農場に3万頭の乳牛を擁するオーストラリア最大の酪農企業が中国企業によって買収されることが決まった。これ以外にも、複数の中国企業が、オーストラリア各地の酪農場を買収する動きを見せているという(豪中文紙「豪州日報」)。

 中国企業が、海外の農地を漁る理由について、中国事情に詳しいフリーライターの吉井透氏はこう話す。

「水不足と水質汚染が深刻化している中国では、農地が荒れ果て、まともに農業ができる土地が不足している。そんな中、政府も食糧安全保障の一環として、海外での農地取得を奨励している。今後は、アジアインフラ投資銀行(AIIB)も、中国の農地確保のために利用されるでしょう」

 日本で増加する休耕地も、すでに狙われている!?