【コラム】塩田紳二のアンドロイドなう 第116回 「ZenWatch 2」の充電動作を調べて見た | ニコニコニュース

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前回はAndroid Wearのバッテリ関連機能を検証しましたが、今回は、ASUS「ZenWatch 2」の充電の動作を測定してみました(図01)。測定は2回行いました。それで分かったのは、充電量70%ぐらいまでは高速充電が行われ、その後、70~90%までは、充電速度が落ちます。さらに90%を越えると充電速度がさらに下がります。念のため、バッテリ残量23%から充電してみたのがもう1つグラフ(図02)になります。

ここからわかることは、

と、70%~100%までは、一定の時間となりだいたい1時間ぐらいです。

また、70%までは、高速充電となり、1分間に1.6%程度充電されます。充電開始から70%に到達するまでの時間は、充電開始時の残量に影響されますが、計算上は、0%から70%に達するまでは43分程度となり、20%以下から充電を開始すれば、30分程度で50%~70%(充電開始時の残量による)に達します。これから推測すると、たとえ残量がゼロになっても、2時間以内に充電が完了します。

カタログの36分で50%以上充電というのは、30分程度充電すれば、20%以下なら高速充電で50~70%程度、70%程度から充電を開始しても、90%以上になるという数字なのでしょう。充電時間は、バッテリの温度により制御されているため、周囲の温度なども充電時間に影響します。おそらく、こうした余裕を含んだ数字なのだと思われます。実際、バッテリ残量23%から充電しても、37分で73%(23%+50%)に到達しました(図02)。

これから見れば、残量70%以上で充電しても充電時間の割に充電量は少なく、 あまりメリットがありません。前回解説したように、1日以上動作できることから残量70%程度で充電しても、結果的に動作時間をあまり伸ばすことはできません。

70%以下でも、たとえば60%程度なら、高速で充電するのは最初の数分だけで、あとは、1時間かけて100%に到達という結果になってしまいます。このため、充電を行うのであれば、20%以下になったときというのが1つの目安になります。

バッテリ寿命を24時間と仮定すれば、バッテリ残量10%は2.4時間に相当します。つまり、20%あれば、5時間以上動作できるはずです。また、前回解説したように残量が15%程度になると、バッテリ節約モードに入ることを促すカードが表示され節約モードをオンにすることができ、これよりさらに動作時間を長くできる可能性があります。このため、よほど遠方に出掛けていない限り、バッテリ残量が20%あれば、自宅などZenWatch 2の充電が可能なところに到達できると思われます。

○どのタイミングで充電すべき?

スマートウォッチは、装着していてこそ便利なもので、腕から外していては無意味です。この点から考えると、一日の大半は装着(または身近に置いておく)ことになり、いつ充電するのかがポイントになります。ZenWatch 2の充電には、汎用のUSB充電器が利用できますが、専用ケーブルが必要なので、できれば、ケーブルは持ち歩かず、自宅などに置いておき、自宅でのみ充電するという使い方がベストでしょう。

そのためには、帰宅してから翌日外出するまでのどこかで充電する必要があります。筆者が以前使っていたLGのG Watchは、装着して外出すると夜帰宅したときには、ほぼバッテリがなくなっていたので、帰宅後すぐに充電しておき、翌日外出前に装着するというパターンでしたが、ZenWatch 2では、もう少しラフな充電が可能です。たとえば、帰宅後、入浴中など装着しない時間に充電を行い、充電が完了したら装着するといった使い方が可能です。

バッテリで長時間動作できるためなのか、ZenWatch 2には、ASUS製のスリープトラッキングのアプリが搭載されています(写真01)。これは、睡眠中の動きを検出して睡眠状態を計測するアプリです。このアプリを使うためには、寝ている間もZenWatch 2を装着している必要があります。このため、寝ている間に充電というパターンが利用できませんが、帰宅後、充電を開始して完了したら装着、その後就寝というパターンでも翌日の外出中にバッテリがきれてしまうことはほとんどないでしょう。実際、筆者は、このパターンで運用しており、翌朝の段階で60~70%の残量があります。

ちなみにこのスリープトラッキングアプリは、ASUS製のWellnessアプリの一部になっています。ウェルネス専用のウェアラブル機器では、睡眠の検出や追跡は自動で行われますが、このアプリでは、手動で開始する必要があります。ただし、開始すると、自動的にシアターモードになり、画面が消えます。

機能自体に不足はないのですが、どうも睡眠は1日一回という前提になっているようです。昼寝などをした場合に測定を行うと、前夜の記録が消えてしまいます。実際には内部的に残っているのかもしれませんが、少なくともWellnessアプリからは1日のうちの最後の就寝の追跡記録しか残っていません。

また、日中のバッテリ消費が多く心配なら、帰宅後、装着したままで、スリープトラッキングアプリを使って就寝状態を測定、翌日、起きたら充電するという使い方も可能でしょう。朝起きてから外出までに2時間あれば、たとえ残量がゼロであっても100%まで充電が可能で、1時間程度あれば、最悪でも70%以上は充電が可能です。このため、外出前に充電しても、日中、バッテリが不足することはあまりなさそうです。もっとも、朝ギリギリまで寝ていて、起きてから15分で家を出るなんて人には向いていません(筆者は独身時代にそういう生活をしていました)。

(塩田紳二)