セブン&アイ・ホールディングス(HD)は14日、村田紀敏社長兼最高執行責任者(COO)(72)が退任し、後任に中核子会社セブン―イレブン・ジャパンの井阪隆一社長(58)を昇格させる人事案を固めた。取締役会の諮問機関である指名・報酬委員会を15日に開いて決定し、19日の取締役会に提示する。

 セブン―イレブン社長には、古屋一樹副社長(66)を昇格させる案や、井阪氏が兼任する案があり、15日の委員会で議論する。会長職は置かない方向だ。

 委員会はセブン&アイの鈴木敏文会長兼最高経営責任者(CEO)(83)、村田氏、社外取締役の伊藤邦雄一橋大特任教授、米村敏朗元警視総監の計4人で構成。伊藤氏が委員長を務める。辞任を表明した鈴木会長は欠席する見通しだ。

 委員会はこれまで、他の取締役らの意見も聞きながら水面下で人事案を検討。委員会の案に拘束力はないが、「取締役会が全会一致し、融和できるような案を出す」(関係者)ことを目指してきた。鈴木会長の突然の辞任表明に伴う混乱を早期に収拾する必要があり、委員会でまとめた案に対し19日の取締役会で異論が出る可能性は低い。