品質重視を向いた日本人の思考ベクトル、中国人のベクトルは・・・ | ニコニコニュース

品質重視を向いた日本人の思考ベクトル、中国人のベクトルは・・・
サーチナ

 日本の消費者は「メード・イン・チャイナ」という言葉を聞いて、何を連想するだろうか。高級で上質な、人びとが憧れるような製品を連想できる人はほとんどいないはずだ。中国メディアの今日頭条はこのほど、「メード・イン・チャイナ」という言葉が世界の人びとの心を捉える魅力的なフレーズになるために、中国は人びとの思考ベクトルの方向を変化させることが必要だと主張している。

 記事は福建省晋江市のある皮革工場の事例を紹介。春節の時期になる工員たちは一斉に故郷に帰省するが、春節明けに戻ってきた工員はそのうちのわずか3分の1にとどまり、工場は人員募集せざるを得なかったという事例だ。人材が流出するこのような事例は福建省ではよくあることだ。

 記事はこのような人材流出が日常的に生じれば、安定した生産ができないのはもとより、匠の精神を培うことは到底不可能であると指摘。そして中国製品の品質を向上させるためには、製造業の発展のために喜んで打ち込もうとする技能型の人材を育成することが何にもまして必要だと論じている。

 記事が指摘するように優れた製品は生み出すのは優れた人材であり、日常的な人材の流出は中国製造業の発展力を削ぐものになるだろう。ここで問題なのはなぜ頻繁に人材が流出するのかということだ。なぜ製造の特定の分野に喜んで打ち込もうとする人々が少ないのだろうか。

 記事は1つの原因として「できるだけ早くお金を儲ける」という精神が中国に広く浸透していることを指摘している。人びとの思考ベクトルは「転職」、つまり仕事を変えることによってお金を儲けることに向けられており、仕事を質の良いものに向上させるほうには向いていないと記事は分析している。

 そうであれば中国に浸透しているこの思考ベクトルの「方向を変化」させればよいわけだが、かなり大きな力が必要なことは明白だ。しかし記事はこの点で日本に見倣えると説明。日本は1960年代に政府が品質を重視するよう率先して指導、またトヨタのような模範的企業の存在により、日本の思考ベクトルは品質重視に向いた。記事はこの2つの強力な力、すなわち政府指導と模範的な企業の影響力は、中国人の思考ベクトルの方向を変化させることも可能であるという見方を示している。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)