本当にあったらいいのに…!毎日が楽しくなる「文化部アニメ」Best5 | ニコニコニュース

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新学年、新学期がスタートし、早くも半月以上が経過しました。CharacterJAPAN読者の中にも、今月から新しく中学生、高校生になられた方も多いことかと思います。

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新生活のスタートとなる新学期。中学校や高校での学生生活を、より豊かなものにしてくれるものといえば、やはり部活動です!

とはいえ、一口に部活といえどもその活動内容は様々。部員全員で厳しい練習に耐え、血の滲みむような努力の末に全国を目指すようなハードな部活もあれば、もっとゆるやかに、部員が皆で楽しむ場としての部活もあります。

ゆえに、部活動を描いたアニメ作品でも、その描き方には多様性があり、色々な部活アニメが生み出されてきました。

そこで、今回は、そんな楽しい部活動アニメ……しかも、"体育会系"ではなく"文系"の文化部に絞って、オススメの作品を厳選してご紹介させていただきます!

京都アニメーションが世に送り出した説明不要の大ヒット作! 『けいおん!』

オススメの"文化部アニメ"……ということで、最初にご紹介したい…否、すべきなのはやはりこの作品。軽音部に所属する主人公たちの日常を描き、大ヒット作となった『けいおん!』です。

2009年に第一期の放映がスタートすると、京都アニメーションによる美麗な絵作りと魅力的なキャラクター描写で、あっという間に大人気作に。2010年には、第二期の『けいおん!!』が放映され、後に劇場映画も公開されました。さらに、軽音部というモチーフを巧みに絡めた音楽ソフトも一般の音楽チャートにランクインするなど、まさに一時代を築き上げた作品です。

まずは、何はなくともアニメーションの美しさと贅沢さ、シリーズで監督を務めた山田尚子さんとシリーズ構成の吉田玲子さんの手腕による可愛らしく丁寧なストーリー展開。そして、各種音楽パロディやオマージュを盛り込んで、音楽ファンも納得の出来に仕上げられた百石元さんによるBGMなど……大ヒットとなった要因や作品の魅力は数多くありますが、やはり、徹底的に「女の子の日常に根差した作劇」が、本作にとっては大きな肝となっていたのではないかな、と。

『けいおん!』というアニメは部活を描いたアニメではありますが、何か大きな目標や理想に向かって、部員同士で力を合わせて頑張る……といった方向性とは、少しばかり趣を異にする作品です(一応、「日本武道館の舞台に立ちたい!」のように、漠然とした活動の指標はありますが)。

むしろ、そうした大きなストーリーよりも、それよりもグッと目の前にある何てことのない日常、つまり女の娘同士の友情や何気ない出来事を描くことにこそ、『けいおん!』のエネルギーは向けられています。

そういう意味では、本作における「部活動」は、キャラクター同士が心を通い合わせる「舞台」としての要素が大きいのです。例えば、ゆうきまさみ先生の『究極超人あ~る』における光学部のように、こうした方向性の作品は昔から存在しているわけですが、それを高い濃度とクオリティーでやってのけた作品が『けいおん!』なのです。

部活動の内容そのものをドラマの中心に据えるのではなく、そこに集う登場人物にこそスポットをあてるという構成。だからこそ、そのゆるくて楽しい部活動は、何よりも輝いて、眩しく見える。後続の「きらら系四コマアニメ」への影響も見えてきますし、時代の要所要所で観返したいマイルストーン的なアニメ作品です。

静のスケッチブック、動のディーふらぐ!

個性的な美術部員たちの日常を優しい目線で描きます! 『スケッチブック~full color's~』

『コミックブレイド』誌で連載されている長寿4コマ漫画『スケッチブック』(小箱とたん著)をアニメ化した作品が、この『スケッチブック~full color's~』。

福岡県にある、とある高校の美術部。その美術部に所属している部員たちは、人前で話すのが苦手な人見知りの少女・梶原空ほか、個性派でちょっぴり変わった生徒ばかり。このアニメは、そんな部員たちが過ごす学校生活の様子を四季折々の情景を織り交ぜながら描き出し、ハートフルな物語を紡いでいきます。

その目線はどこまでも穏やかで、人間的な温かみに溢れており、ちょっと風変わりなところはありつつも、楽しそうに学校生活を送る登場人物たちの姿は、観る者の胸に幸福感とジンワリとした余韻を残してくれます。

また、原作漫画における日常生活の中に潜む可笑しみを見事に切り取った"あるあるネタ"の数々や、個性的なキャラクターのやり取りによる笑いの要素はそのままに、アニメ版では、ストーリー面における描写にも力が注がれており、よりドラマ性が強められているのも特徴です。

特に、最終回のラストシーンで空が見せてくれる、小さな……でも、確かな成長を感じさせてくれる大きな"一歩"は、このアニメの自然主義的な作劇が結実された名場面となっています。

目の前の鮮烈な風景をスケッチブックに写しとることで、その瞬間を永遠のものにするように……何気ないけれど、だからこそ、かけがいのない高校生活の一場面を巧みに描写するイノセントなシナリオと、そこから浮かび上がる各キャラクターの魅力は、心の深い部分に染み渡るような感動を与えてくれること間違いなしです!

花澤香菜さん演じる空のモノローグを中心とした台詞回しに、美しい背景美術や村松健さんのピアノによる劇伴、後に原作漫画にも逆輸入されたオリジナルキャラクター、根岸みなも(演じるは、日笠陽子さん。実は、本作は日笠さんのアニメ声優デビュー作!)の登場など、アニメ版ならではの要素も素晴らしく、まさに、漫画作品の理想的なアニメ化の一つといえます。

学校生活における"部活動"という営みを通して、そこに集う部員たちの日常を優しく描いた"日常系アニメ"の傑作として、今もファンから支持を得ている作品です。

メチャクチャにハイテンションな部活アニメを観たいなら、コレ! 『ディーふらぐ!』

軽音部に美術部、新聞部……と文化部に絞っても、実に様々な部活動が、そのテーマに選ばれているアニメの世界。

そんな中で、ちょっと変わった部活動を取り上げたアニメとして、ご紹介したい作品が『ディーふらぐ!』です。

学園一の不良として恐れられている主人公、風間堅次。そんな彼は、ふとしたきっかけから校内の変人ばかりが集まるゲーム製作部に入部することになってしまいます。その日を境に、堅次の前には人間的に偏りのある"濃い"キャラクターたちが次から次に現れ、根は真面目(で、なおかつツッコミ体質の常識人)な堅次は、気苦労が絶えない毎日を送ることに……。

『ディーふらぐ!』は、高校のゲーム制作部(作品内での正式名称は「ゲーム制作部(仮)」)を舞台にしたアニメではありますが、この作品の真骨頂は部活動そのものよりも超個性的な変人……否、"変態"な登場人物と、彼らによって生み出されるハイテンションなギャグにあります!

全員が美少女でありながら、連日に渡ってお馬鹿な奇行を繰り返すゲーム制作部(仮)の部員たちを筆頭に、重度のマゾヒストな生徒会役員(しかも、声優は福山潤さん)、ヤンキーなのに音ゲーに大ハマリしているオタク気質の不良集団、極端に酔いやすい体質なのか、ところかまわず嘔吐してしまう女子生徒などなど……こうして、登場人物を列挙しているだけで、その強烈さにクラクラしてしまうほど、劇中にはいずれ劣らぬ濃厚なキャラクターの持ち主が登場するのです。

そんな登場人物たちによって繰り広げられるドタバタギャグの破壊力は抜群!

本作は、"ボケ"と"ツッコミ"のコントラストが、非常にシッカリとつけられたアニメ作品であり、劇中で展開されるハイカロリーでハイテンポなギャグシーンは、ひたすらに楽しく、問答無用で大笑いさせてくれます。

また、ハイレベルなギャグに加えて、登場する女の娘たちが非常に可愛らしいのもポイント。特に、人気キャラの一人である高尾部長と堅次のやり取りには、ちょっとしたラブロマンスの要素もあり、"ラブコメ"的な観方をできるのも本作の大きな見どころです!

数ある部活アニメの中でも、ずば抜けてナンセンスな作品ではありますが、どこまでも真っ直ぐにギャグアニメらしいギャグアニメであり、笑いに特化した作風はインパクト十分な作品です。「笑える部活アニメ」としてオススメしたい一本!

意外な部活、異色すぎる部活もあった

部の活動内容は、まさかの人生相談! 『人生相談テレビアニメーション「人生」』

続けてご紹介する『人生相談テレビアニメーション「人生」』は、高校の新聞部を舞台とした川岸殴魚先生によるライトノベル『人生』のアニメ版です。

新聞部が作品の主要モチーフになっているだけでも十分に珍しい部活アニメなのですが、本作は、更にコアでニッチなところに踏み込みます。何と、このアニメでストーリーのメインになっているのは、校内新聞の人生相談コーナーなのです!

生徒たちの悩みを解決する「お悩み相談コーナー」を担当する主人公が、回答係としてやってきた3人の女の娘たちの力を借りながら奮闘する……というのが本作のストーリー。

シナリオの大筋だけ見ると真面目な話にも思えますが、実際は相談内容も回答もかなり砕けた中身となっており、シリアスな雰囲気はほぼ皆無。気楽な気持ちでリラックスして観ることができる、カラッと明るい陽気なコメディ作品となっています。

それもそのはず、このアニメに出てくる回答係を務めるのは、科学的かつ合理的な思考の持ち主である"理系女子"の遠藤梨乃、歴史マニアでほんわかとした性格な文学少女の九条ふみ、スポーツ万能ながらも正直、頭の方は、かなり残念な感じの鈴木いくみという、それぞれに「理系」「文系」「体育会系」な能力に特化した女の娘たちなのです。

性格も得意分野も人生観もまるで異なる3人が集まる(更に、中盤からは、"美系"な美術部員、村上絵美という女の娘も参戦!)わけですから、当然、寄せられた相談に対する回答もてんでバラバラ。「三人寄れば文殊の知恵」という諺がありますが、一方向に特化した能力と思考を持つ彼女たちの答えは、毎回毎回、騒動を起こしてしまいます。

もはや、「文殊の知恵」どころか「大喜利」あるいは「クイズ番組でのオモシロ回答」のようなレベルで繰り広げられる人生相談。とはいえ、本人たちは至って真剣。人生相談にキチンと向かい合い、相談者の救いになるような答えを真面目に考えているのです。

本人たちは真剣だけれども、出てくる答えは珍回答。そうしたギャップやズレこそが、本作におけるコメディの真髄であり、トリッキーな設定を用いつつも、基本は笑いに対して非常にベーシックな構成になっていることに気付かされます。

また、人間性もバラバラな回答係の女の娘たちがエピソードを重ねる毎に、協力し絆を深めていく様も何とも素敵で、その何とも楽しげな様子を観ていると「あぁ、自分もこんな高校生活を送ってみたかったな……」なんて、大笑いしつつも思わず羨望を抱いてしまいます。

そのタイトル通り、恐らくはアニメ界初の"人生相談テレビアニメーション"として爆誕した『人生』。良質なコメディアニメとして、レコメンドしたい作品です!

部活アニメにおける異色作中の異色作! 『帰宅部活動記録』

最後に紹介する部活アニメは、数ある部活動をテーマにしたアニメ作品の中でも、とびっきりの異色作も異色作。「帰宅部」の少女たちによる毎日を描いだギャグアニメ、その名も『帰宅部活動記録』です。

本作での「帰宅部」は、どの部活動にも入部していない無所属の生徒たちを指す一般的なニュアンスのそれではありません。きちんと部員が存在し、放課後に活動を行っている「帰宅部」というれっきとした"部活"なのです。

では、その帰宅部の活動内容がどういったものかというと、「放課後から帰宅するまで、楽しく過ごす」という基本となるモットー以外には、特に目標もコンセプトも存在しない、非常に曖昧模糊としたもの。

そんな漠然とした部に入部するハメになってしまった主人公の安藤夏希は、ノリも性格も妙な部員たちに囲まれて騒々しくも楽しい毎日を送ることになります。

本作で一番のポイントとなっているのが、ギャグ描写におけるバラエティーの豊かさ。劇中では、ベタなボケから、シュールなネタにパロディネタ、メタフィクションなギャグがきたかと思えば、次の瞬間には強烈なブラックジョークが登場し、果てはお色気ギャグや下ネタまでもが顔を出す。ありとあらゆるギャグが放り込まれ、全力投球でこちらで投げ込まれてくるのです。

「帰宅部」という活動内容が不明瞭な謎の部活の設定を活かし、どこまでも自由な空間を設けることで、ありとあらゆる方向性から笑いに挑んでみせる。それが、『帰宅部活動記録』というアニメの凄いところです。

ある意味で実験的なギャグアニメであり、また、観る者を笑わせることに吹っ切った思い切りの良い作品性は、楽しいアニメを求めている人ならば必ずツボに入ります。

各エピソードによって様々な色を見せてくれるアニメですが、中でも特殊ルールを用いたしりとりで知略的な笑いを描く第7話と、最終回での怒涛のショートネタの畳み掛けは、まさに圧巻。ギャグアニメが好きな方は、これらのエピソードだけでも観ていただきたいです!

色々な笑いのアプローチを楽しむことができる贅沢な部活アニメ。主役の女子部員たちを演じる若手女性声優さんの初々しい演技も微笑ましい作品ですよ。

以上、いずれも楽しくて、優しくて、そして、大笑いできる文化部アニメを5本、ご紹介させていただきました。

全国優勝を目指すような熱い体育会系の部活動アニメも良いですが、こういう力を抜いて観ることができる作品があるのも、また部活動アニメの魅力でしょう。

これらの作品の中で、毎日を楽しく過ごす登場人物たちのように、皆さんの新学期も充実したものになることをお祈りしています!