政府の地震調査委員会は17日、熊本県熊本地方で16日未明に起きたマグニチュード(M)7.3、最大震度6強の地震について、主に布田川断層帯の布田川区間の活動が原因と考えられるとの評価をまとめた。

 地震調査委はこれまで、布田川区間が活動した場合はM7.0程度の地震が発生する可能性があり、30年以内の発生確率はほぼ0〜0.9%で、やや高いと評価していた。

 地震調査委の平田直委員長(東京大教授)は記者会見で、布田川区間の長さについて余震の分布や地殻変動の解析から「これまでの推定より北東に長く、阿蘇山のカルデラ内まで続くと考えられる」と述べた。ただ、熊本県阿蘇地方で16日に2回起きたM5.8の地震の震源地までは続いていないとみている。

 阿蘇地方の地震と大分県中部で起きたM5.3の地震について、平田委員長は「熊本地方のM7.3の地震の影響で起きた」と指摘した。詳しいメカニズムは不明という。

 大分県中部の地震は別府―万年山断層帯付近で起きたが、この断層帯が活動したかどうかは17日の議論で評価できなかった。