あら恋、多彩ゲストと超満員のWWWを熱く踊らせたツアーファイナル | ニコニコニュース

あらかじめ決められた恋人たちへ ライブ写真撮影:タイコウクニヨシ
音楽ナタリー

4月9日、あらかじめ決められた恋人たちへのライブツアー「Dubbing 09」最終公演が東京・WWWで開催された。

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あら恋は3月9日にフルアルバム「After dance / Before sunrise」を発表。今回のライブはこのアルバムのリリースを記念して実施されたもので、名古屋、大阪公演に続くこの日のWWWにはフロアに立錐の余地もないほどのオーディエンスが集結した。

ファンの拍手と歓声に迎え入れられたメンバーはGOTO(Dr / DALLJUB STEP CLUB)のドラムロールを合図に新作序盤を飾る「blast」「rise」をトラックリスト通りにプレイ。さらに2013年のアルバム「DOCUMENT」収録の「Res」では池永正二(Track、鍵盤ハーモニカ、Per)の鍵盤ハーモニカとクリテツ(テルミン、鍵盤ハーモニカ、Per)のテルミンが開放感あふれるメロディを奏で、新譜収録の「void」では硬質なシンセベースのループと劔樹人(B)のダビーなベースが作り上げる重低音と、オータケコーハン(G / LAGITAGIDA)の轟音ギターソロでフロアを踊らせる。またエレクトリックなミニマルダブ「Conflict」ではベントラーカオル(Key / クウチュウ戦)が高々とジャンプを繰り返しながらエキセントリックなキーボードソロでオーディエンスをさらに盛り上げてみせた。

中盤、ハチスノイトのボーカルトラックとステージ後方いっぱいに投影された彼女の映像を背に「波」をプレイしたのちにはこの日の最初のゲストである詩人の和合亮一が登場。石本聡(ダブPA)のエフェクター使いが光る正調ダブナンバー「not found」と、「After dance / Before sunrise」収録の「焦点」で和合がリリカルかつ熱の籠もったポエトリーリーディングを聴かせると、オーディエンスからは万雷の拍手が巻き起こる。そして川上未映子の同名小説にインスパイアされた「ヘヴン」などメロウな楽曲群を経てライブ終盤にはまたもアッパーチューンを連発。「view」ではミキサーとPCでビートをコントロールする池永が絶叫を繰り返し、ジャンベを提げたクリテツが手招きを繰り返してフロアを煽る中、GOTOとカオルがテクニカルなソロを回し合う。その後も高速にリアレンジされた「high」「前日」を連射すると、最後にはメロウな前半から一転、池永の絶叫とともに大胆なリズムチェンジ、テンポチェンジが繰り広げられる16分超えの大作「月下」をWWWいっぱいに響かせた。

池永の「よろしくお願いします」という照れ笑いから始まったアンコールの1曲目は「gone」。軽いインプロビゼーションののち、この曲のゲストボーカル・曽我部恵一がステージへと呼び込まれると、曽我部はあら恋流のストレンジなシティポップであるこの曲でスイートな歌声を聴かせて、大歓声を集めてみせる。

そして両手を高々と掲げ、大ジャンプを決めた池永がキラーチューン「Back」を締めくくったところで大団円かと思いきや、フロアからはさらなるアンコールが。これに「(ダブルアンコールを)やる予定はなかったんですけど、がんばります」とまたも照れ笑いを浮かべた池永は「データどこや」とPCの中のシーケンスデータを探すも見つからないとみるや「じゃあ生で」と今度は苦笑い。しかしその言葉とともに投下された「ラセン」では技巧派集団ならではの圧巻のプレイを見せつけて、フロアを盛り上げに盛り上げた2時間超のロングセットの最後にさらなる熱狂を生み出した。

あらかじめ決められた恋人たちへ「[After dance / Before sunrise] Release TOUR 2016 "Dubbing 09"」
2016年4月9日 WWW セットリスト

01. blast
02. rise
03. Res
04. void
05. Conflict
06. 波
07. 風花
08. not found feat.和合亮一
09. 焦点 feat.和合亮一
10. ヘヴン
11. Nothing
12. before sunrise ~ view
13. high
14. 前日
15. 月下
<アンコール>
16. gone feat.曽我部恵一
17. Back
<ダブルアンコール>
18. ラセン

ライブ写真撮影:タイコウクニヨシ