【レポート】37人がつないだ想いが架けた虹! 『アイドルマスター ミリオンライブ!』3rdライブツアーFINAL幕張公演初日 | ニコニコニュース

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『アイドルマスター ミリオンライブ!』初のライブツアー「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 3rdLIVE TOUR BELIEVE MY DRE@M!!」のファイナルとなる幕張公演初日が2016年4月16日、幕張メッセイベントホールにて開催された。

初日には春日未来役の山崎はるか、最上静香役の田所あずさ、伊吹翼役のMachico、箱崎星梨花役の麻倉もも、北沢志保役の雨宮天、七尾百合子役の伊藤美来、徳川まつり役の諏訪彩花、望月杏奈役の夏川椎菜、所恵美役の藤井ゆきよ、横山奈緒役の渡部優衣、ジュリア役の愛美、真壁瑞希役の阿部里果、天空橋朋花役の小岩井ことり、永吉昴役の斉藤佑圭、福田のり子役の浜崎奈々、周防桃子役の渡部恵子が出演した。

名古屋、仙台、大阪、福岡、そして幕張5会場7公演を巡るライブツアーは、ミリオンスターズ37人全員が5会場のどこかに必ず出演することがコンセプト。幕張の初日に阿部、小岩井、斉藤、浜崎の4人が出演することで、ツアーの最後のピースが埋まった。それを象徴するような光景が、ライブ中ほどにあった。「素敵なキセキ」を歌い終えた山崎の提案と指揮で会場のプロデューサーたちが灯したのは、各会場のリーダーを務めたキャラクターたちのイメージカラーだった。一番上手、名古屋公演のリーダー・伊吹翼の「黄」と矢吹可奈の「オレンジ」からはじまって、一番下手の幕張公演リーダー・春日未来の「赤」と最上静香の「青」まで。上手から下手へとウェーブが起こると、それは名古屋から全国を巡り幕張へと、列島に架ける光の虹になった。その直後の765プロカバーコーナーの締めくくりは、「虹色ミラクル」と「THE IDOLM@STER」。色とりどりの個性が集って巻き起こす奇跡こそがアイドルマスターであり、彼女たちもまた間違いなくアイドルマスターと765プロの一員であることをあらためて実感するステージだった。

37人全員が参加するツアーならではの要素として、3年間ステージに立ち続け支えてきたメンバーと、初めて大舞台に臨むメンバーが同じステージに立つことで刺激しあう化学変化の妙がある。幕張初日のみ参戦の「本当はツアー全会場に出たかった!」という小岩井の心からの声や、斉藤が昴の声で放った「俺まだ帰りたくなーい!」の叫びには、一度きり、一期一会のステージだからこその真実の響きがある。斉藤と浜崎の「Dreamscape」は、オリジナルコンビが揃うこの日まで歌われることがなかったとっておきだ。そして限られた機会への特別な想いという意味で、このツアーの一面を象徴する存在は福田のり子役の浜崎奈々だろう。阿部や斉藤のように大きなライブの舞台は初めてというメンバーはほかにもいるが、浜崎は『ミリオンライブ!』にまつわるイベントで歌う経験自体がこれが初めてなのだから極め付きのフレッシュさだ。そんな浜崎がライブも中盤にかかるタイミングの「求ム VS マイ・フューチャー」ソロでいきなり大観衆の前に立つのだから、見る側も緊張してしまうほど。だが、そんな心配が吹き飛ぶぐらいにステージの浜崎の姿は「福田のり子」そのもの。「求ム VS マイ・フューチャー」はのり子が大好きなプロレスのエッセンスを散りばめた楽曲だが、会場中央近くの四角いステージでダンサーから3カウントを取ってみせ、高らかに上げた「4.16幕張。アタシの勝ちってことで!」の勝ち名乗りは、初日のライブを通しても最高の瞬間だった。

幕張初日は、この会場限定の4人を含めて16人というツアー最大人数が参加したこともあり、"この日ならでは"の組み合わせがいくつも実現した。その中でも印象的だった楽曲のひとつが山崎、Machico、伊藤、夏川、阿部のユニット「乙女ストーム!」による「Growing Storm!」だ。これは「LIVE THE@TER HARMONY 02」に収録された楽曲で、「乙女ストーム!」は『ミリオンライブ!』の歴史上初めてのシアター組(『ミリオンライブ!』生え抜き)だけのユニット。それ以前のシリーズでは無印アイマスからの765プロメンバーがユニットに必ず入っていたことを考えれば、新しい波である彼女たちの一人立ちといってもいい楽曲だ。かつてオリジナルメンバー5人で歌った機会は、発売当時のリリースイベントたった一日きり。それから2年ぶりに集結した5人は、比べ物にならないぐらい魅力的な存在へと成長していた。そして嬉しい驚きが、5人の中でも一番印象的だったのが、決してライブやイベント参加機会が多くはない阿部だったこと。37人誰もが3年間キャラクターと共に演じ、歌うことで成長してきたことを感じさせるパフォーマンスだった。

幕張初日だけの特別な組み合わせ、時間といえば、Machico、愛美、阿部里果による「アイル」だろう。この曲は小学館ゲッサンで連載中のコミック版『アイドルマスター ミリオンライブ!』の第3巻、伊吹翼を中心とした物語で歌われた楽曲であり、第3巻の特別版同梱CDに収録されたという、ちょっと毛色の違う出自の楽曲だ。それだけに、第3巻で中心になった伊吹翼、ジュリア、真壁瑞希を演じる3人が揃う幕張初日には、「この曲が歌われるかもしれない、歌ってほしい」という期待と、「これまでのツアー構成とは全く異色なこの楽曲は難しいのでは?」という諦観の両方があったように思う。それだけに、「プラリネ」を歌い終えた愛美が会場に背を向け、花道をゆっくり歩いて立ち止まるまでのゆったりとした間と、メインステージのセリ上がりからMachicosと阿部里果が飛び出した瞬間の会場の爆発は忘れがたいものになった。コミック版を知る人にとっては夢見た瞬間、知らない人にとってはまだ見ぬ何かがはじまるときめきがそこにあった。センターに立つMachicoは今までのどの瞬間よりも伊吹翼らしく、傍らには阿部と愛美のコーラス、そして愛美の生ギターがある。

ステージでの「アイル」のパフォーマンスは、コミックとCDからイメージする理想をさらに超えたものだった。"物語"を得た『ミリオンライブ!』のステージの強さ、眩しさをまざまざと見せつけた、たった一曲のパフォーマンス。それはこれからの『ミリオンライブ!』の展開次第で、この37人がさらに圧倒的な何かを見せうる可能性を感じさせるものだった。まずはコミック版『アイドルマスター ミリオンライブ!』第4巻特別版に同梱されることが発表されたユニット・クレシェンドブルーの新曲への期待が高まるところだ。

ライブのラストには、765プロ高木社長から『ミリオンライブ!』の新たな展開が発表された。中でも注目したいのが、GREEで展開中のゲーム『アイドルマスター ミリオンライブ!』で5月2日よりスタートする新章「ネクストプロローグ "Episode 0"」。完全新作ストーリーで描かれるのは、50人のミリオンアイドルたちとのシアターでの「出会い」の物語で、3周年を迎えた『ミリオンライブ!』という作品に新たに飛びこむ人にとっては、新たな出会いの物語とコミック版はひとつの道標になるはずだ。

長きに渡ったツアーは、本日17日、幕張最終日公演でラストとなる。37人が紡いだ夢の舞台の締めくくりを、しっかりと見届けたい。

○「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 3rdLIVE TOUR BELIEVE MY DRE@M!!」幕張公演初日セットリスト

(中里キリ)