中国、渡航に注意喚起=訪日観光への影響懸念―熊本地震 | ニコニコニュース

 熊本地震の発生は、好調に伸びてきた訪日外国人観光客ブームに影響を及ぼす恐れがある。九州への渡航について、中国の総領事館が自国民に対し注意を喚起。九州各地の周遊を見込んで予約したホテルをキャンセルする外国人が出始めている。道路や鉄道など交通インフラの復旧もめどが立たず、「先が見通しづらい」(旅行大手)状況だ。

 中国の福岡総領事館は16日付で、熊本県への旅行見合わせに加え、九州全域への渡航に慎重を期するよう求める注意喚起を出した。香港当局も熊本県への旅行に注意を促した。

 観光業界には既に影響が出ている。「ホテル日航福岡」(福岡市)では、地震発生後、訪日客の予約キャンセルが約100件に上った。6月ごろまでの宿泊が対象で、福岡経由で九州各地を周遊する旅行などを取りやめる人が増えている。

 大手旅行会社の日本旅行は、地震発生後、鹿児島、熊本、福岡の3県を訪ねる予定だった訪日客に対し、鹿児島での滞在延長や熊本観光の変更手配といった対応に追われた。

 観光庁によると、2015年に沖縄を除く九州地方の7県に宿泊した外国人は延べ約550万人と全体(6637万人)の1割弱を占める。地震で九州から客足が遠のけば、政府が目指す訪日客の地方誘致促進が停滞を余儀なくされる可能性もある。