韓国“ドタキャン文化”が恥ずかしすぎ!? 国家レベルの「反省・根絶」キャンペーンに効果はあるか | ニコニコニュース

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日刊サイゾー

 日本ではあまり想像できない国家キャンペーンが、韓国で繰り広げられている。公正取引委員会と消費者院は今年、“NO-SHOW根絶キャンペーン”なる企画を打ち出した。聞き慣れない言葉だが、一体どういう意味なのか?

 同キャンペーンを簡潔に説明すると、飲食店などの店舗に対して行った予約をキャンセル、もしくは守らない“ドタキャン文化”を根絶しようというもの。韓国では、ドタキャンの数があまりにも多く、深刻な社会問題になって久しいといわれている。各メディアの報道やキャンペーンの情報を見ると、ドタキャンで被害を受けている飲食店の実情は悲劇的。中には、年末の書き入れ時にドタキャンが相次ぎ、例年より70%近く売り上げが低下した飲食店もあるそうだ。

「大韓民国560万人の自営業者が“NO-SHOW(予約ドタキャン)”のため、毎日恐怖に打ちひしがれています」
「NO SHOW NO CHEF(ノーショウ、ノーシェフ)」

 これらは、公正取引委員会と韓国消費者院が作成した動画に添えられた宣伝コピー。同動画は18日から、韓国の検索ポータル「NAVER」、全国の自治体、大学などで流されているようで、今後、全国各地にある主要駅スクリーンでも上映される予定となっている。

 料理研究家であり、また自ら飲食店を経営するタレントのペク・チョンウォン氏は、NO-SHOW文化根絶のためにキャンペーン動画への出演を快諾。「韓国の予約を守る文化は世界最低水準……(中略)本当に恥ずかしい」と、ひどく恨めしげに動画で語っている。

 一方、高級中華料理店を経営するイ・ヨンボクシェフも動画に登場。「予約の瞬間から最高の食事、最高のサービスを提供しようと最善を尽くしている。だが、お客さんが来なかったら、どうすればよいのか……」と、嘆きを吐露している。

 NO-SHOW文化で被害を受けているのは、飲食店などでサービスを提供する側だけではない。緊急で治療を受けたい患者たちもその対象となる。実際に韓国の病院では、ドタキャン率が高いのに予約だけはしっかり埋まるため、本当に治療の必要な人々がサービスを受けられないという状況だそうだ。

 なお、朝鮮日報が昨年10月に飲食店、美容室、病院、高速バス、イベント会場などのサービス提供者100カ所を対象に行った調査では、予約ドタキャン率が平均で15%に達したとの統計もある。中でも飲食店のキャンセル率は異様に高く、約20%に上る。これは、15年前に消費者院が行った調査結果(11.2%)よりも悪化しているそうで、実に5件に1件はドタキャンが発生していることになる。

 約束を守れない民族に、未来はあるのか――。他国からの批判ではなく、自国内で猛省が始まっているところを見る限り、事態は本当に深刻なのかもしれない。
(取材・文=河鐘基)