囲碁の井山、前人未到の7冠=十段戦で3勝1敗、タイトル奪取 | ニコニコニュース

囲碁の井山裕太6冠=棋聖、名人、本因坊、王座、天元、碁聖=が20日、都内の日本棋院で打たれた第54期十段戦5番勝負第4局で伊田篤史十段に163手で黒番中押し勝ちし、史上初の全7冠独占を達成した。【時事通信社】
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 囲碁の井山裕太6冠(26)=棋聖、名人、本因坊、王座、天元、碁聖=が20日、東京都千代田区の日本棋院で打たれた第54期十段戦5番勝負第4局で伊田篤史十段(22)に163手で黒番中押し勝ちし、3勝1敗でタイトルを奪取、史上初の全7冠独占を達成した。

 終局後、取材に応じた井山7冠は「前回、伊田十段の強さを感じた。大変な一局になると思ったが、やりたいように、悔いの無いようにやろうということしか考えていなかった」と振り返った。7冠達成に関しては「ここ数年ずっと期待していただいていたので、応えることができてうれしい。今後さらに精進していかなければと思う」と語った。

 井山は大阪府東大阪市出身。5歳で碁を覚え、6歳から石井邦生九段(74)の指導を受けた。2002年にプロ入りし、09年に史上最年少で名人位を獲得。13年に、1976年の棋聖戦創設で7大タイトルがそろって以降初の6冠を達成。その後、一時は4冠まで後退したが、昨年11月に3度目となる6冠に返り咲いた。

 囲碁界では過去に故加藤正夫九段、趙治勲九段(59)、小林光一九段(63)が4冠、張栩九段(36)が5冠を達成している。将棋界では、96年に当時25歳の羽生善治4冠(45)が7冠を達成。167日間にわたって保持した。