【ワシントン時事】サウジアラビア訪問中のオバマ米大統領は21日、リヤド郊外の宮殿で開催された米・湾岸協力会議(GCC)首脳会合に出席し、域内の安全保障に対する米国の関与を改めて確認した。ただ、イスラム教スンニ派を中心とするGCCが敵対視するシーア派大国イランへの対応について、米GCC間の溝は埋まらなかった。

 今回の米GCC首脳会合は昨年5月にワシントン近郊の大統領山荘キャンプデービッドで開かれた首脳会合を踏まえたもので、域内の安全保障をめぐる協力の進展具合を点検するのが目的。両者の関係は昨年7月の欧米とイランの核合意を受けて冷え込んでいる。

 オバマ大統領は閉幕声明で、イランのテロ支援活動などを念頭に、米国は同盟国や友好国への攻撃抑止で「われわれの力の全ての要素を用いる」と約束。過激派組織「イスラム国」(IS)掃討戦での連帯や、シリアのアサド大統領が退陣し、政権移行することが必要だとの認識で一致したとも強調した。