かしぎひしゃげた橋桁=作業員転落、目の前に―「もう少しで巻き込まれていた」 | ニコニコニュース

 新名神高速道路の工事中の橋桁が落下した神戸市北区の現場。国道176号と有馬川の上をまたぐ橋桁は大きく斜めにかしぎ、片側が国道上でひしゃげていた。周辺には多数の救急車や消防車が詰め掛け、近隣住民らは不安そうな様子で遠巻きに見守っていた。

 市中心部の北約20キロ、緑の多い中に住宅などが点在する。上空のヘリコプターからは、落下した橋桁が有馬川に沿って南北に走る国道176号を遮断している様子が見て取れた。日没後には、パトカーや消防車のものとみられる無数の赤色灯が回転していた。

 現場では、落下した橋桁と崩れた約20トンの仮設構造物に挟まれた作業員の救出作業が行われ、兵庫県警や消防の車両や救急隊員が慌ただしく出入りした。

 橋桁の落下していない部分も、かろうじて仮設橋脚に乗っている状態。橋桁の下で国道の交通整理をしていた警備員の男性(69)は、わずか3メートル先に作業員とみられる男性3人が落下してきたという。「ガガガッと地鳴りがした。ぐったり地面でうずくまっている人もいた」。危機一髪難を逃れ、恐怖の瞬間を緊張した様子で語った。「あまりに予想しなかったことが起きたので、3人に声を掛けたり、乗った鉄骨をどかしたりで精いっぱいだった」。声が上ずっていた。

 近くの会社から帰る途中だった兵庫県西宮市のトラック運転手の男性(42)は「『グオー』『ガシャガシャ』と鉄がねじれるような音がして地震かと思った。毎日通るところで、もう少しで巻き込まれていた。怖かった」と表情をこわばらせた。

 近くの自宅にいた無職南忠夫さん(83)は、何かを引きずるような「ジャー」という大きな音で、慌てて家を出た。「遠目に見てもあり得ない光景だった」と驚きを隠せない様子で話した。