【徹底考察】マイラーズC(G2) フィエロ「今年たった2勝の鞍上大抜擢は、本当にただのギャンブルなのか」 | ニコニコニュース

フィエロ「JBISサーチ公式サイト」より
Business Journal

「考察」
 一昨年2014年が2着で、昨年2015年が3着。その上、同舞台のマイルCS(G1)で2年連続の2着。これで3年連続の出走となるフィエロとマイラーズC(G2)の相性の良さは、今さら疑って掛かること自体がナンセンスに思える。

 それに今年はライバルも弱体化とくれば、最早「大本命フィエロに死角なし」とあっさり決めつけてもよかったのだが、先週の皐月賞(G1)で主戦のM・デムーロ騎手がまさかの騎乗停止。

 フィエロもその余波を受け、陣営も鞍上探しに躍起になっていたようだが、最終的に管理する藤原英昭厩舎との関係が深い鮫島良太騎手に落ち着いた。

 しかし、一昨年が5勝、昨年8勝、今年もまだ2勝の鮫島良太騎手の大抜擢とは……急な鞍上探しを強いられた陣営の苦悩が伝わってくるような人選だが、これで一気に今年のマイラーズCが“混沌”としてきたのは事実だろう。

 ただし、今回の鞍上抜擢は、何も結果を軽視した人情的な要素ばかりではない。

 まず、藤原厩舎で普段からフィエロの調教を付けているのは鮫島良太騎手だ。そういった点では、本馬の細かい癖や特徴は把握しているだろうし、実戦でコンビを組むのは初めてになるが決して単なるテン乗りではない。

 そして、鮫島良太騎手の通算重賞5勝の内、エイジアンウインズの阪神牝馬S(G2)、さらにはトーホウアランの京都大賞典(G2)と藤原厩舎で2勝を挙げている。つまり、藤原厩舎の馬で結果を残してきた騎手であるということだ。逆に言えば、そういったことがあったからこそ、今回のお鉢が回ってきたのだろう。

 一時はデビュー2年目で60勝を挙げるなど「乗れる若手の一人」として数えられた鮫島良太騎手。しかし、近年は苦戦傾向が続いているだけに、何とかこのチャンスをものにしてほしいところだ。

 なお、最終追い切りは、その鮫島良太騎手を背に栗東のCWコースで抜群の動きを披露。藤原調教師も「海外遠征後だけど調整は順調。いい状態に仕上がっている」と太鼓判を押していた。

 マイル王モーリスに挑戦状を叩き付けるためにも、ここは負けられない一戦になる。

【血統診断】
 ディープインパクト×デインヒルという配合は本馬が出世頭だが、ディープインパクト×ダンチヒ系となると7冠牝馬ジェンティルドンナなど成功例は多い。本馬の母ルビーは、G1を7連勝して2002年の欧州年度代表馬となったロックオブジブラルタルの全妹という超良血。それに日本を代表するディープインパクトを掛け合わせたのだから、本馬は世界的な良血と言える。しかし、だからこそ何としても種牡馬入りする前に、勲章となるG1タイトルが欲しいところだ。本馬が昨年3着、一昨年2着、その年は産駒がワン・ツー・スリーを決めるなどマイラーズCとディープインパクト産駒の相性は極めて高い。血統背景からは信頼できる軸馬になるだろう。


≪結論≫
 前走の香港マイル(G1)では9着に惨敗しているが、直線で前が壁になって動けない面が多々あった。勝つのは難しかっただろうが、まともなら上位進出もあり得ただろう。昨年も香港マイルから同レースに出走しており、海外帰りながらローテーション的な不安は少なそうだ。ただし、一昨年、昨年ともに馬券圏内を確保しているものの勝ち切るには至っていないことも事実。馬場の良い開幕週の京都マイル戦と舞台相性に文句はないが、あまり後方から呑気に構えていると前が止まらない分、今年も取りこぼす可能性があることは否めないだろう。

 もともと勝ち身に遅い馬だが、昨年の走りを見た限り衰えは見られない。ただ、この馬ももう今年で7歳。種牡馬入りに備え、なんとかビッグタイトルを手にしてしたいところ。大事に使われてきた馬だが、そろそろ衰えがあってもおかしくはない年齢だ。