地上最大の恐竜、成長速度は激早だった

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親はいらない?

地球に存在した最大の動物、それはティタノサウルス類でした。しかし、生まれたばかりはもちろん小さかったんですよ。ティタノサウルス類の赤ちゃんの化石が発見され、そこからいろいろわかってきました。この恐竜は生まれたときにはすでに大人と同じような特徴を備えていて、そのうえ、とてつもない速さで成長したんです。

アルゼンチノサウルスやアパトサウルス(以前はブロントサウルスとして知られていた)、ラペトサウルスなどと同じく、ティタノサウルス類は、とてつもない大きさに成長する恐竜です。四足、長い首、草食性の竜脚下目は、全長15mほど、90トン近い重さになります。これは大人の象25匹分に相当します。

発見されたラペトサウルス(Rapetosaurus krausei)の赤ちゃんの化石からは、この恐竜が大人と同じプロポーションで卵から孵り、大人がしょっちゅう見守らなくても大丈夫だったことがわかりました。赤ちゃん恐竜の化石は6600万から7000万年前のもので、マダガスカルで発見されました。赤ちゃんラペトサウルスの大きさは約35cmで、死因は飢餓。マカレスター大学の古生物学者Kristina Curry Rogersらによる分析では、この恐竜が餓死したのは生まれてから40~77日目。まだ生まれて間もないにもかかわらず、すでに大人のような特徴を備えていたといいます。


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赤ちゃんラペトサウルスも人の膝丈くらいある。(Image: Raul Martin and Kristina Curry Rogers)


この発見は、ティタノサウルス類が「早成性」の脊椎動物であったとする説を肯定するもの。つまり、生まれた直後からひとりで移動することができたということです。卵から孵って間もなくして、自らの足で立つことができ、独立して生きることができるのです。

また、化石の組織学や肢の分析からは、ラペトサウルスの赤ちゃんは、大人のラペトサウルスよりも可動域が大きかったこともわかっています。これらのことから、ラペトサウルスの赤ちゃんは親が監視していなくても生きられたであろうとされています。これは親による世話が重要だという証拠が見つかっている、獣脚類(ティラノサウルスとか)や鳥盤類(パラサウロロフスとか)などの恐竜とは違う点です。

また、ラペトサウルスは、成長も非常に速かったようです。この化石は、孵化したときには3.4kg、数週間後には40kgだったとされています。このことをナショナルジオグラフィックに語ったMoines Universityの古生物学者Sarah Werningはこう形容しています「これは6週間でチワワからグレート・デーンに成長するようなもの」。

なんともすごい発見ですね。「チワワからグレート・デーン」という成長スピード(の形容)も驚きですが、恐竜の種類によって、赤ちゃんの自立度や育児も違うとは。私たちが思っていたよりも恐竜たちが生きていた時代は多様性があったのかもしれません。


Top image: Bogdanov/CC BY-SA 3.0
source: Science AAAS

George Dvorsky - Gizmodo US[原文
(abcxyz)

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