世界最硬物質を安定させる方法、発表される | ニコニコニュース

GIZMODO

ただしコンピューターの計算上ですよ。

数年前、カーバイン(もしくはカルビン/Carbyne)という物質が、この世で最も硬い物質であることが話題になりましたが、それを超える世界最硬物質が現れたらしい。オーストリアのウィーン大学の研究チームが、過去最高に硬い物質を合成して作成することが可能だと、Nature Materialsに発表しました。

数年前、カーバインはコンピューター上の計算によって、存在が明らかになり、最高硬度になると発見されました(つまり、実際には作られていません)。カーバインは炭素原子を鎖状につなげたもので、厚みが原子1個分のシート分。しかしながら1次元、原子の紐状体なので、作ってもすぐに壊れてしまうそう。

しかしながらオーストリアの研究チームは、この「壊れやすさ」を避ける方法を発見します。グラフェン(Graphene)という物質は、カーバインが発表されるまでは「世界一硬い」物質でした。カーバインは1原子分の紐、だけどグラフェンは1原子分の厚みのシート。六角形の鎖状に並んだ炭素原子の超薄いシートです。

その2枚のグラフェンのシートを重ね、筒(チューブ)をつくって(上記の画像のように)、そのチューブの中にカーバインを合成するという手法を見出しました。グラフェンの「サーモス魔法びん」だと考えれば良いでしょう。つまり、グラフェンの筒で守ってあげることで崩壊しちゃうカーバインをどんな長さでもつくれるようになったということ。

つまり計算上、世界最硬物質は発見されるも壊れやすかったけれど、それを安定させることができるようになったということです。オーストリアのチーム、グッジョブです。

Jamie Condliffe - Gizmodo US[原文
(mayumine)


【大きな画像や動画はこちら】