ハンセン病患者の裁判が1970年代初頭まで隔離施設などに設置された「特別法廷」で開かれていた問題で、最高裁は25日、「一律に設置を許可した最高裁の運用は違法だった」とする報告書を公表した。患者に対する偏見や差別を助長するものだったとした上で、「人格と尊厳を傷つけたことを深く反省し、おわびする」と謝罪した。

 今崎幸彦事務総長は記者会見し、「過ちと反省を忘れることなく今後の教訓とし、二度と起こさないようにする」と述べた。最高裁が司法手続きの誤りを認めて謝罪するのは極めて異例。

 患者の差別的な取り扱いについて、今崎事務総長は違憲の疑いが強いとしたが断定は避けた。報告書には有識者委員会(座長・井上英夫金沢大名誉教授)の「法の下の平等を定めた憲法に違反する」との意見が併記された。