ネット用語「あっ…(察し)」地上波登場の衝撃 | ニコニコニュース

地上波では扱いにくいネット用語を取り上げた『でんぱジャック』。2014年10月から2015年3月までレギュラー放送されていた番組が、1年ぶりに特番として復活 ※この画像はサイトのスクリーンショットです
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ネット用語がマスメディアに登場することも珍しくなくなってきたが、そのニュアンスが微妙に変わってくるケースも多い。4月19日深夜放送のでんぱ組.incの冠番組『でんぱジャック 2016春』(フジテレビ)内のコーナー「明日つかえるヲタク語講座」に登場した、とあるネット用語がネット上で話題となっている。

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そのネット用語とは「あっ…(察し)」。番組内では同グループの夢眠ねむが先生役となり、その意味を「隠しごとや事情を察した時に使われるフレーズ」と紹介。さらに、由来については、

「ニコニコ動画の中でインタビュアーが24歳の男性に『働いていますか』と尋ねたところ『学生です』と返答され、『あっ…』と発してしまったことに由来します」

と、解説した。

しかし、『ニコニコ大百科』の「あっ・・・(察し)」の項目を見ると、意味は「何かを察した時に使われるフレーズである」という記述で同じなのだが、その元ネタはとあるゲイポルノビデオの冒頭インタビューとなっているのだ。

たしかに、ニコニコ動画にはそのゲイビデオの一部がアップされており、インタビューの内容は『でんぱジャック』での説明とほぼ同じである。“ニコニコ動画のなかのインタビュー動画が由来”という解説は間違いではないが、そのインタビュー動画はゲイビデオというさらに元ネタがあったことになる。

意図的に伏せられたのか、それとも単純にニコニコ動画が元ネタであると判断されたのかは不明だが、ツイッターでは、

「テレビがゲイポルノについて解説する時代」


「解説で草生えた」

などの意見が寄せられている。いずれにせよ、由来を説明しにくいネット用語が地上波のテレビ番組で紹介されたことに驚くネットユーザーが多かった。

地上波のテレビ番組に登場したネット用語といえば、昨年10月から12月にテレビ東京系で放送されたコントドラマ『SICKS ~みんながみんな、何かの病気~』も放送当時話題になった。番組内のコントで、同人作家のマユ(清水富美加)とリコ(中島早貴)がネット用語をちりばめながらセリフをまくし立て、セリフに登場するネット用語をテロップで解説。たとえば「~ンゴ」という言葉であれば、

「投手が打ち込まれたときに用いられる。


元横浜・中日・楽天のドミンゴ・グスマンが元ネタ。
『やらかした』『爆死』などの意味合いで使われる事が多く、
微妙に本来の意味と異なっている場合もある」

といった形だ。これらの解説はとても的確だったようで、ツイッターでも、

「リコマユの解説テロップまじで丁寧やもんなぁw」


「2ちゃん用語フルで使っててさらにご丁寧に解説入れてくれるからすこ」
「SICKSの怒涛のネット用語解説字幕好きだわ」

などと、好評だった。

ちなみに『SICKS』での用語解説テロップは、録画して一時停止で確認しないと全文を読解するのが難しいほどの高速で表示されていた。だからこそ、長文でマニアックなネタも織り込みながら詳細な用語解説ができたともいえる。

そういう意味では、今回の「あ…(察し)」の説明は、放送ギリギリの線をねらった結果の策なのかもしれない。


(小浦大生)

※当記事は2016年04月25日に掲載されたものであり、掲載内容はその時点の情報です。時間の経過と共に情報が変化していることもあります。