ときど、ボンちゃん、かずのこ!『ストV』招待制大会Red Bull Kumite 2016で活躍した日本人選手を直撃! | ニコニコニュース

●日本のトッププレイヤーが見据えるものとは?

 2016年4月24日(現地時間)、フランスのパリにて、レッドブルが主催する、カプコンの人気対戦格闘ゲーム『ストリートファイターV』を使用した招待制大会“Red Bull Kumite 2016”が行われた。大会は、こちらのリポートの通り、現在最強プレイヤーと名高い韓国のInfiltration選手の優勝で幕を閉じた。本稿では、惜しくも敗れた2位のときど選手、3位のかずのこ選手、4位のボンちゃん選手のインタビューを掲載する。

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――Red Bull Kumiteお疲れ様でした。大会を振り返ってみていかがでしたか?

ときど選手(以下、ときど) また同じ結果になってしまったという感じですが、それでも2位になれてうれしいです。1回戦から強い人ばかりと当たっての2位ですから、光栄なことです。

――1回戦からウメハラさんでしたね。

ときど そうなんですよ。ふだんからよく対戦している仲だったので手の内も知っていますし、正直あまりやりたくない相手でした。リュウとだけはやりたくないと思っていたんですが。

――当たりたくない相手だったんですね。

ときど トーナメント決めのくじ引きで、最後に残ったのがボンちゃん、Luffy、ウメハラさんで3分の2の確率でリュウだったんですよ。「Luffy頼む!」と祈っていたんですけど、ウメハラさんに(笑)。

――ですが、ふだんの対戦で相性が悪い相手に勝ってしまいました。

ときど う~ん、『ストV』の2試合先取は僕らからすると短いんですよ。「こんなんで終わっちゃっていいの?」というくらいに。だから今回の結果1回切りで判断するのは難しいと思います。幸い、カプコンカップなど、長いスパンの大会がありますので、そういった総合的なもので判断するべきかなと。

――確かに2試合は短いですね。無敵技を1回ガードされたら終わりみたいな。

ときど そうなんですよ。『ストIV』の2試合先取が、『ストV』の3試合先取くらいだと思いますよ。

――おそらくいろいろな方に聞かれると思うのですが、Infiltration選手についてはいかがですか? 決勝の舞台で戦うのは今回で3回目。

ときど 3回目にしてようやく背中が見えたかなというところです。いままでは攻略の糸口すらつかめなかったんですけど、実際に対戦したボンちゃんにも感想を聞いたりして挑んだおかげで、向こうは向こうできびしい部分があるというのが見えてきました。ですから、次回はもっと自信を持って挑めるはずです。

――Finalで一度3試合先取に勝ってリセットしましたもんね。

ときど そのままいきたかったですけどねー。僕としてはWINNERS FINALでの負けが痛かったですね。弱弱昇龍とかミスが多かった。ナッシュのダッシュは少し距離が離れるので昇龍拳がスカってしまったんですよ。

――ゲームスピードが速いので、確認は難しいのでしょうか?

ときど 余裕がない状況だと難しいですね。あとは、Infiltration選手相手ではミスが許されないので、その緊張がミスを呼びこんでしまったんだと思います。

――そのメンタル部分が敗因でしょうか?

ときど そうですね。相手のメンタルの強さに負けました。

――そのメンタルの強さがInfiltration選手の強さなのでしょうか?

ときど メンタルの強さはありますよ。ナッシュというキャラクターを完璧に使いこなすのは、並大抵の忍耐力ではできませんから。そこがInfiltration選手のすごさですね。ただ、彼もすべてに対応しているわけではなく、“割り切っている状況もある”ことがわかったのが今回の収穫です。

――リバーサルでクリティカルアーツを出したりもしていましたよね。

ときど はい。リバーサルや投げによる暴れですとか。そのあたりはボンちゃんらにアドバイスをもらってわかりました。

――ということは、次回はInfiltration選手を撃破する瞬間が観られる……?

ときど さすがにそろそろ倒さないとまずいですよ。

――僕が昔格闘ゲームをやり込んでいたころは、ときどさんと言えば最強というイメージがあったので、そのときどさんが3回も連続で負けるということ自体が驚きです。そんな相手がいるのかと。

ときど 通常は負けた側が研究するから有利なはずなんですけどね。しかもリュウ対ナッシュはリュウが有利な組み合わせだと思っているので、そろそろ本当に勝たないと。

――みんながInfiltration選手の撃破を期待していると思うので、ぜひ!

ときど はい。つぎこそはわたくしめが倒します。

――今後はカプコンカップの予選を中心に大会に出場していく感じですか?

ときど 出たいんですけど、大会がかぶりまくっていて、ランキング大会にはぜんぜん出られないんですよ。ですからプレミア大会には可能な限り出たいですね。

――EVOは?

ときど EVOはもちろん出ます。EVOまでInfiltration選手に勝たれたらちょっとアレなので、絶対勝ちたいですね。とはいえ、僕もずっと2位が続いていますけど、それが今後も続くとは限りませんから、気を引き締めていきたいですね。これまではラッキーだったと思いますし。

――連続の2位がラッキーによるものなんですか?

ときど Red Bull Kumiteはどの試合もギリギリでしたし、Infiltration選手ですら危ない試合が多かった。だからそろそろ上位陣の顔ぶれがガラっと入れ替わってもおかしくないと思っています。

――ちなみに、マッドキャッツさんとの契約が3月終了したとのことですが、今後はフリーで活動していくのでしょうか?

ときど はい。そういうことになります。ですから、もしご縁のあるスポンサー様がいらっしゃいましたら、ぜひお声掛けください

――では、最後にファンの方へのメッセージをお願いします。

ときど さきほども言いましたが、どんどんまわりが差を詰めてきていますし、マークもされるのでこれまでのように勝つのは難しくなってくると思います。そこで負けないようにマークを跳ね返して優勝を目指しますので、応援よろしくお願いします。

――Red Bull Kumite 2016を終えていかがでしたか?

かずのこ選手(以下、かずのこ) 通常のオープントーナメントよりも演出が派手で、盛り上げかたがすごいと思いました。また、選手に対しての配慮がすばらしかったですね。

――選手の配慮とは具体的にどういったところですか?

かずのこ 控室に練習用の対戦台が設置してあったり、通訳の方をつけてもらったりと、ゲームに集中できる環境を整えてくれたところです。不慣れな土地だと、言葉もわからないしストレスが溜まって集中できないことがあるので、そういった配慮はとても助かりましたし、選手のためにやってくれているというのが伝わってくるから、この大会で勝ちたいという風にモチベーションもあがりました。

――オープントーナメントと違い、招待制という点はいかがでしたか?

かずのこ オープントーナメントと違って、まったく知らないプレイヤーと戦うということがなかったので安心して試合に挑めたと思います。相手を信頼したプレイもできるので、こういった形式のほうがいい試合ができる自信はありました。逆に招待制ということもあって、新しいプレイヤーが少なかったですね。『ストIV』で有名なプレイヤーばかりだったので、欲を言えば『ストV』で強い人をもっと呼んだほうがよかったのかなと。

――そんな中、BigBird(ケン)は18、9歳の新鋭と聞きました。

かずのこ 『ストIV』でもガイ使いとして有名ではあったのですが、若いプレイヤーですし、彼がここまで活躍したのは初めてなんじゃないですか? だからすごく盛り上がっていましたよね。イベントを盛り上げるには、そういう新しい風が必要なんだなと感じました。

――大会では2回ときどさんに敗れてしまいました。その点についてはいかがでしょうか?

かずのこ ウメハラさんやボンちゃん、ときどさんといっしょに練習することが多いので、リュウ対策はすごく進んでいるし、一般的なリュウには負けない自信があるんですけど、やっぱりこの3人に勝つ自信はまだないですね。その自信のないところがそのまま結果に出てしまった形です。ふだん勝てない相手に勝つには、試合数の少ない序盤しかチャンスがないので、最初に当たった2試合先取のときに勝てなかったのが今大会の敗因だと思います。

――トーナメントの終盤は試合数が増えるから、各上に勝つことが難しくなってしまうんですね。

かずのこ 試合数が増えると相性がもろに出てしまうと思います。ただ、いい試合にはしやすいですよ。2試合先取では、無敵技をガードされてしまったり、難しいコンボを狙ってミスするとそれが致命傷になるので、ミスしないように消極的になってしまうんですが、3試合先取になると、難しいコンボにチャレンジできるくらい精神的な余裕ができるので、それがいい試合につながりやすいのかなと。

――2試合先取と3試合先取でだいぶ違うんですね。

かずのこ ぜんぜん違いますね。2試合先取だとやっぱり無敵技を出すのが怖くなったりしますからね。

――優勝したInfiltration選手の印象はいかがですか?

かずのこ 完成度が違いますよね。だからいまのところはまだ勝てないと感じています。ただ、発売からまだそんなに時間が経ってないので、煮詰まってきたらナッシュのスピードにもついていけるような対応力が身に着くとは思っています。

――ナッシュの武器は、やはりスピードですか?

かずのこ そうですね。ナッシュは歩きが遅いからきびしいかと思っていたんですけど、Infiltration選手は目のつけどころが違っていて、スピードのある前後ダッシュを有効に使っていますよね。

――前ダッシュで相手の投げ抜けを誘って、そこにコンボを叩き込むのが絶妙ですよね。

かずのこ アレはうまいですね。前ダッシュを警戒しているとソニックブームやソニックサイスを止められなくなってしまいますし、それを警戒すると前ダッシュを許してしまいますから、なかなか難しいですね。

――あとはたまにしか出さないクリティカルアーツも厄介でしたね。

かずのこ そうなんですよ。出しどころがうまいですよね。でも逆に言うと、前回までの大会ではクリティカルアーツによる切り替えしのようなリスクの大きい行動はやっていなかったんですよ。今回のクリティカルアーツはむしろInfiltration選手がときどさんに出させられたものだと思います。そう考えると、実力差はドンドン縮まっているのかなと。

――もう一歩のところまで来ているんですね。

かずのこ そうだと思います。おそらくナッシュに対する理解力がドンドン増している状態なので……とはいえInfiltration選手もここから研究を進めて新しい選択肢を出してくる可能性もありますが。

――ここでまた新しいものが出てきたらキツイですね。

かずのこ キツイにはキツイんですけど、お互いに研究して戦いがハイレベルになっていくいまの状態はすごくおもしろいですよ。

――確かに切磋琢磨している状態は楽しそうですね。ちなみに、ウメハラ選手がおそらく初めて海外大会に出場しましたが、かずのこさんはどう見ていましたか?

かずのこ 前日の連取で、ウメハラさんがInfiltration選手に対していちばんいい成績だったので、ウメハラさん対Infiltration選手が観たかったですね。でもウメハラさんのクジ運が悪すぎて(笑)。あれはちょっと持ったえなかったですね。

――(笑)。EVOもだいぶ近づいてきました。そこではぜひInfiltration選手を倒してください。

かずのこ Infiltration選手の優勝は止めたいですよね。いままで『ストIV』は日本のゲームと言われていたのに、いまは完全にInfiltration選手のゲームになってしまっているので。でもEVOはまだベスト8に残ったことがないんですよ(笑)。

――そうでしたっけ!?

かずのこ カプコンカップを優勝してから「EVOはベスト8くらいには残ったことあるよね?」と言われるんですけど、じつは9位が最高なんです。EVOがいちばん難しい大会だと思いますよ。

――どのあたりがいちばん難しく感じるんですか?

かずのこ やはり試合数がものすごく多いというのと、参加人数が多いからサポートしてくれるスタッフもいないので、自分でコンディション管理したり、相手選手のことを調べたりと、そういったことがたいへんなんですよ。

――参加人数が多いと、毎回知らない選手と対戦することになりますもんね。

かずのこ そう考えるとRed Bull Kumiteはカプコンカップに似た形式だったので、今回いい成績が残せたのかもしれませんね。誰が相手かわかっている大会のほうが相性がいいのかも。

――かずのこさんはキャノンスパイクなどの無敵技を高確率でヒットさせるイメージがあるのですが、あれにはコツがあるのでしょうか? 知っている相手だからヒットさせやすいんですか?

かずのこ 相手が起き上がりに技を重ねてくるのかどうかをギリギリまで見ているんですよ。フェイントのうまいプレイヤーに対してはなかなか難しいですが。

――相手の動きをしっかり見るのが大切なんですね。

かずのこ 起き上がりは自分のキャラクターが動かない状態なので、相手の動きに集中しています。

――今回は無敵技をガードされて、クラッシュカウンターからの大ダメージコンボを食らってしまうリスクもあるのによく出しますよね。

かずのこ 『ストV』ではあまり無敵技を起き上がりに撃たないほうがいいかと思うんですけど、まだ発売して間もないですし、まだゲームになじんでいないのでついつい無敵技を出してしまうだけです(笑)。まあでも、出してみないと出さないほうがいいかもわかりませんし。

――なるほど。それでは今後の活躍を期待しています!

――前回チャンピオンとして挑んだ今大会はいかがでしたか?

ボンちゃん選手(以下、ボンちゃん) 優勝できなくて残念でしたけど、いまの自分としてはよくやったほうだったと思います。

――Infiltration選手をかなり追いつめていたように見えました。

ボンちゃん 確かに結果だけを見るとそうでしたが、り数をやったときにやっぱりまだ勝てないだろうな、という試合内容でした。だからまだまだですね。

――それほどまでにInfiltration選手は強かったと?

ボンちゃん 強かったですね。やっぱり非常にバランスがいいですね。1ヵ月前にアメリカの大会で当たった時は話にならない負け方でしたが、その後にナッシュ戦は相当やり込んだので、Infiltration選手の背中は見えてきた感じはあります。

――ソニックサイズをしゃがみ中パンチで止めたり、立ち回りはかなりよくなっている印象を受けました。

ボンちゃん 動画を観て研究したんですよ。ナッシュが必殺技や通常技で強引にラインを上げてくるのはわかっていたので、それに対して技を置くと。

――最後はあと一歩のところで昇龍拳がスカってしまいました。

ボンちゃん あそこの場面は、リュウを使うのであればもっとシビアにならなければいけない場面ですよね。少し勝ちを意識し過ぎてしまってああなってしまいました。もっとひきつければ落とせたのですが……。

――通常技で迎撃するという選択肢はなかったのでしょうか?

ボンちゃん ナッシュに対しては通常技の相性があまりよくないんですよ。たまに一方的に負けることがあるので、あそこは昇龍拳にしなければならないポイントなんです。4強Kなら落とせる可能性もありますが、相手の飛びを警戒していないと反応がきびしいので、やっぱり咄嗟のときは昇龍拳ですね。

――なるほど。まだそこまで冷静に待てなかったということでしょうか?

ボンちゃん はい。まだ余裕がない証拠ですね。自信がないのでそういったミスが起きてしまうんだと思います。

――Red Bull Kumiteは招待制の大会でした。オープントーナメントとの違いはいかがでしたか?

ボンちゃん 招待制大会のほうが出場者のレベルは高くなると思います。ですが、相手がわかっている分、対策を立てやすいですのでレベルの高い試合に持って行けると思います。そういった意味では招待制の大会のほうが好きですね。逆に誰でも参加できるオープントーナメントは、対策をまんべんなく立てておかないといけないので、意識のさき方が難しいと思います。

――エンターテインメント性の高いトーナメントは、招待制がいいのかもしれませんね。

ボンちゃん そうですね。プレイヤーとしてもド派手な演出はすごくモチベーションが上がりますよね。

――演出と言えば、Red Bull Kumiteは、始まるまえのPVでスキーだったりレースだったりと、ほかのスポーツの映像が出てくるじゃないですか、その中にボンちゃんが入るというのはものすごくかっこいいですよね。

ボンちゃん 僕も最初はすごく思いました。「おれ、ここにいて大丈夫なの?」みたいな(笑)。


でももう慣れましたよ。Red Bullは魅せることにすごく力を入れていますよね。そういったところはすごく好きですし、僕もほかのアスリートのように魅せられるようになりたいと思っています。

――では、今年の目標を教えていただけますか?

ボンちゃん カプコンカップ出場という目標はありますが、去年ほど「絶対に出るぞ!」という気持ちにはなっていません。ドンドン大会に出るというよりは、まずは自分が満足できる力をつけるのが先だと考えています。力が足りていない状態で出場しても結果はもちろん、内容も望むようなものを得られないと思うんです。そんなことをしても自分にいいようには働きませんから。いまは目先の勝ちよりも、自分の力を蓄える時期だと捉えています。

――では、現在の仕上がりは何%くらいなのでしょうか?

ボンちゃん もう全然ダメですよ。半分もないと思います。やれていないことが多すぎて不満だらけなので、帰ったら自分の動画を見て反省しようと思います。

――動画を観て反省とかするんですね!?

ボンちゃん もうぜんぜん反省しますよ。「すいません、すいません」と言いながらやっています(笑)。

――では、近い将来100パーセントの力を蓄えたボンちゃんを期待して待つファンへのメッセージをいただけますか?

ボンちゃん 今年はかなり苦労することになると感じています。1年後か2年後かわかりませんけれども、100%の僕のプレイを見せられるようにがんばります。期待していてください。