【映画クロスレビュー】壮大すぎるスーパーヒーロー大戦! 新キャラの存在感もバッチリ『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』 | ニコニコニュース

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■『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』

【ストーリー】
人類の平和を守るアベンジャーズは戦いは全世界へと広がるが、その人的・物的被害大きさから、アベンジャーズは国際的な政府組織の管理下に置かれ、無許可での活動を禁じられる。一般市民を危機にさらしてしまったことへの自責の念から、アイアンマンはその指示に従うが、「自らの行動は自らの責任で持つべき」という持論のキャプテン・アメリカは反発。2人の意見はすれ違い、一色触発の緊張感が高まっていく。

キャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャース:クリス・エバンス

アイアンマン/トニー・スターク:ロバート・ダウニー・Jr.

ブラック・ウィドウ/ナターシャ・ロマノフ:スカーレット・ヨハンソン

ウィンター・ソルジャー/バッキー・バーンズ/セバスチャン・スタン

ファルコン/サム・ウィルソン:アンソニー・マッキー

監督:アンソニールッソ、ジョー・ルッソ(『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』)

公式サイト:http://marvel.disney.co.jp/movie/civilwar.html

●仲間割れで色々深刻なはずなのに、観ていてとにかく愉快痛快。これぞマーベル映画だ!!/106
鑑賞後、開口一番になにか言うとしたら「こりゃエラい事になっちゃったな・・・」。エンドクレジットで物語を頭から反芻してみてもとにかく怒涛の展開の連続、150分近い上映時間も一呼吸に過ぎ去ってしまったかの如く、まさに息をつく暇も無いほど全てのシーンが見所だった本作『シビル・ウォー』。『アベンジャーズ』に勝るとも劣らぬほど多種多様なキャラクター達の乱舞に加え、西へ東へ全く異なる場所へ各々奔走する「キャップ」と「社長」たち。観ていて飽きる事はおよそ不可能に近いです。さらにコレでもか!というほどつめ込まれた「マーベル」らしい小ネタの数々も合わせ、これぞマーベル映画の真髄だ!と思うこと間違いナシです。

勿論、ストーリーは従来の話を引き継ぎ、悪と戦うキャップ達が描かれているのですが、今回は「仲間割れ」というなんともシリアスな展開になってしまいます。キャプテン・アメリカ側にもアイアンマン側にもそれぞれの正義があり、それぞれの苦悩や葛藤もしっかり描かれています。しかし!それでもやはり語らうは拳!という事で両サイドの対決シーンは必見中の必見、タイトルにもある『シビル・ウォー』、アメリカが真っ二つに割れたあの戦争を標するだけあり、その全面衝突感は非常に見応えがあります。ここで重要になってくるのが、本作から参加する「ルーキー」達。超重要ポストをいきなり担うブラックパンサー、無事合流を果たしたスパイダーマンやバツイチヒーローのアントマンなどがオイシイ所をかっさらう場面は本当に痛快です。仲間割れなのに。そして意外だったのが、彼らルーキー達にもしっかり時間が使われていた事。伊達に上映時間が150分近いワケじゃありません。

悩んだり戦ったり勧誘したり、かなり皆さんお忙しい本作ですが、その分きっと貴方のお気に入りのシーンを見つけられるハズ。個人的にはキャップと前作でも登場したエージェント13の関係がなんとも・・おっとこれ以上は劇場で確かめて下さい!イイトコどりのある意味「超お得」な映画なので、あれ以降音沙汰無いけどアントマンもっと見たい!という方には是非お勧めです。

【プロフィール】106

洋画や洋ゲーが大好物。基本的になんでも好き。生放送要員もします。趣味はロケット打ち上げ観賞と海外旅行と登山。

ウェブサイト: http://ktus.hatenablog.com/

●なんとあのマーティン・フリーマンも安定の芸風で初登場!/松井早紀

今まで一緒に敵を倒してきた仲間、しかも正義の味方同士が戦うことになるというストーリーは、ファンとしては正直不安なところ。ですが、ヒーローものの映画やテレビを観て、「このキャラとこのキャラが戦ったらどっちが勝つかな?」と一度ならず考えたことはありませんか? 『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』は、こんなに出しちゃって大丈夫?とびっくりするぐらい主役級のキャラクターが続々と登場。クライマックスでは、その彼らが二手に分かれて対決をするという、まさにスーパーヒーロー大戦ともいうべき壮大なバトルが堪能できます! 

さらに本作での見所はメンバー同士の友情。予告編等でご存知のように、キャプテン・アメリカは、今はウィンター・ソルジャーとなった親友バッキーを信じて守ろうとするために、同じく親友のアイアンマンことトニー・スタークとたもとを分かつこととなります。さらには異なる正義感のために直接対決になるのですが、シリアスな状況の中、新入りの2人 ー スパイダーマンとアントマン ー が活躍するシーンはとても楽しくユーモアたっぷり! 特にスコット・ラング(アントマン)役のポール・ラッドの登場するシーンは最高! 他にも、思わず声が出ちゃいそうな驚きの展開がありますよ! キャップや社長のファンはもちろん、バッキー萌えの人にはたまらない今回の作品。なんとあのマーティン・フリーマンも安定の芸風で初登場です。豪華キャストで贈る、マーベル映画史上最も贅沢なバトルシーンをぜひ劇場で!

【プロフィール】松井早紀

海外ドラマとビールが好きです。最近のお気に入りは『エージェント・オブ・シールド』です。

●初登場キャラにも平等に注がれた愛に感服/よしだだつき
アイアンマン派か、キャプテン・アメリカ派か――映画を観終わった今となっては簡単に決められないよ! ポスターだけを見れば、スカーレット・ウィッチの紅一点を除きキャップ陣営の地味さが否めないのですが、両者が持つ正義は“どちらが正しい”とかないんですよね。

原作ではキャップが投降(その後のコミックでまさかの死亡!)という涙ナシには語れないストーリーだったのですが、映画版では映画ならではの結末が待ち構えています。ついでに言うと、DCのアレとはちょっと違う展開です。

中でも嬉しかったのは、初登場となるスパイダーマンとブラックパンサーもかなり丁寧に描いてくれたこと。とりあえず“顔見せ”だけしといて、詳しいことは今後の単独作で……という、DCのアレとは覚悟が違いますね。ありがとおおぉぉ!

コメディリリーフを担ったアントマンやスパイダーマンのおかげで、ダークになりがちな展開にも要所で爆笑ポイントが。特に、アントマンの“あの設定”をココで披露するとは! さらに、ディズニー傘下ということで、まさかの『スター・ウォーズ』ネタも投下! ありがとおおぉぉ!

『アベンジャーズ』シリーズ2作品と比べるとこぢんまりした内容ですが、その分アクションの見せ方が進化を遂げており、各キャラクターに活躍シーンが用意されていました。新スパイダーマン楽しみだなぁ。ブラックパンサー早く観たいなぁ。アントマンの続編も嬉しいなぁ。今回は登場しなかったソーとハルクは今頃……。ということで、MCUフェーズ3の幕開けとしては満点なのではないでしょうかッ!

【プロフィール】よしだたつき

PR会社出身のゆとり第一世代。『Variety Japan』(http://variety.co.jp/)のシニア・エディターとしても活動中。マーベルと同じくらいDCコミックスも大好きです!

●今回は予習していってね、絶対だよ!/藤本エリ

いつもはマーベル映画の紹介をする時「これまでの作品を観てなくても面白いから観てみて。もちろん観た方が観ないより数倍楽しめるけど!」というスタンスでいたのですが、本作に関しては過去作品を観て無いとあまり楽しめないかな、とは思っています。とはいいつつ時間の無い方、最低でも『アベンジャーズ』(2012年)だけは観てから劇場に! マーベル作品ってこれまで全然観て無かった人からすると結構ハードルが高いと思うんですが、そのハードルの高さで「観るのやーめた」or「観たけどわけわかんねえ!」ってなったら勿体ない。そうなって欲しく無いのです……。マーベルを嫌いになって欲しく無い、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』に少しでもひっかかるものがあるなら、ぜひそれをきっかけにマーベル好きになっちゃいましょう! という提案。そう「好きな人だけ観てればいいじゃん」的な、村的な楽しみ方が悪いわけでは無いのですが、マーベル作品に関してはそうやって母数を減らしてしまうのが非常にもったいないなと。そのくらい、面白いですアツいです、ハンパないです、シビル・ウォー。うぉー!

キャップ、アイアンマン、バッキーとただでさえ個性的なキャラクター達に、さらにスパイダーマン、アントマン、ブラックパンサーと新キャラが投下されていく本作は、カツカレー大盛りチーズトッピングに半ラー半チャーがセットでつく、みたいなボリュームではあるんですが、胸焼けしないのがすごすぎる。キャップ役のクリス・エヴァンスが「他の誰にもマーベルの真似はできない」とコメントしていますけど(http://variety.co.jp/archives/8151)、本当にね、こんなこと誰も出来ないと思います。それでいて“エンタメ”なんてさ、脱帽だよね!

【プロフィール】藤本エリ

映画・アニメ・美容に興味津々な女ライター。猫と男性声優が好きです。

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