トルコでクーデター企て=衝突相次ぎ60人死亡―軍内勢力が国会爆撃 | ニコニコニュース

 【カイロ時事】トルコで15日から16日にかけ、国軍内の勢力がクーデターを試み、現地報道によると、首都アンカラではヘリコプターから国会を爆撃。国会一帯や最大都市イスタンブールの国際空港などに戦車部隊が展開された。AFP通信によると、トルコ当局者は衝突が相次ぎ、全土で少なくとも60人が死亡したと明らかにした。クーデター勢力は「権力を掌握した」と一方的に宣言したのに対し、鎮圧を目指すユルドゥルム首相は「事態の大部分は制御下にある」と強調。トルコ高官も「イスタンブールとアンカラで局地的な抵抗が続いているものの、間もなく終わる」と述べ、鎮圧に自信を示した。

 現地報道によると、クーデター勢力はイスラム系与党・公正発展党(AKP)の本部や国内各メディアの拠点に兵士らを突入させて権力掌握に動き、戒厳令と夜間外出禁止令を出したと主張した。イスタンブールではボスポラス海峡に架かる2本の橋も封鎖され、情勢は一気に緊迫した。

 エルドアン大統領は15日、休暇でエーゲ海沿いのトルコ南西部マルマラスに滞在していた。大統領は国民に街頭に繰り出して抵抗するよう呼び掛け、多くの市民がこれに呼応。大統領は直ちに空路イスタンブールへの途に就き、16日未明には空港で集まった支持者を前に演説。「国家への反逆行為に対し、重い代償を支払うことになる」と訴えた。大統領がマルマラスで滞在していたホテルは、出発後に空爆されたという。

 政府側は、アンカラ上空に軍の戦闘機を出動させ、クーデター勢力のヘリを撃墜するなど強い姿勢で鎮圧を図った。大統領官邸近くではクーデター勢力の戦車に対し、戦闘機が爆弾を投下した。

 日本外務省によれば、これまでにトルコ国内で日本人の被害は確認されていない。