【ワシントン時事】米大統領選の共和党大統領候補となる実業家ドナルド・トランプ氏(70)は16日、ニューヨークで、マイク・ペンス・インディアナ州知事(57)の副大統領候補起用を正式に発表した。トランプ氏はペンス氏を選んだ大きな理由の一つとして「党の団結」を挙げた。

 下院議員も12年間務めたペンス氏は、共和党の伝統的保守派。党主流派との関係がぎくしゃくしてきた異端のトランプ氏とは対照的な立ち位置にいる。トランプ氏はかねて、経験豊富な政治家を副大統領候補に選ぶと公言しており、異端と正統でバランスを計る思惑がある。

 トランプ氏に紹介されて登壇したペンス氏は出馬の動機として「強い共和党の指導力によって真の変革を取り戻せる」と強調。民主党の候補となるヒラリー・クリントン前国務長官(68)の当選阻止を目指すと宣言した。

 ペンス氏は下院議員時代、2003年のイラク戦争前に採決された武力行使容認決議に賛成した。一方、トランプ氏はイラク戦争に反対したと主張。ペンス氏はトランプ氏が訴えたイスラム教徒の一時入国禁止にもかつて異を唱えており、今後もこうした相違を追及されそうだ。