「脱石油」へ官民協力=サウジ国王訪日で促進―政府 | ニコニコニュース

石油大国サウジアラビアのサルマン国王が12日に訪日する。アジア歴訪の一環で、サウジ国王の訪日は46年ぶり。写真は日本訪問前にインドネシアを訪れたサルマン国王=2日【EPA=時事】
時事通信社

 石油大国サウジアラビアのサルマン国王が12日に訪日する。アジア歴訪の一環で、サウジ国王の訪日は46年ぶり。閣僚や企業幹部など同行者は1000人以上とみられる。石油依存経済からの脱却を目指すサウジに対し、政府は官民挙げてインフラや医療、観光、再生可能エネルギーなどさまざま分野での協力を促進。商機拡大や石油の安定確保につなげたい考えだ。

 13日の安倍晋三首相との首脳会談では、投資やエネルギー、文化など多項目の協力プランを決定。14日には閣僚級会合やビジネス交流会も開かれる。昨年9月、安倍首相は訪日したムハンマド副皇太子との間で脱石油での協力に合意。両国は翌10月にリヤドで閣僚級会合も開き、協力の具体化を進めてきた。

 サウジは近年の原油価格低迷を背景に財政状況が悪化。石油輸出に頼らない経済構造への転換を急ぐ。昨年春には改革プラン「ビジョン2030」を策定。投資国家への移行や産業多角化、雇用創出に取り組んでおり、産業技術や人材育成などで日本への期待も大きい。

 一方、日本にとってサウジは最大の原油供給国で、輸入の3割超を依存する。国王訪日を機に、「成長戦略と相乗効果を発揮する関係を構築したい」(世耕弘成経済産業相)と互恵関係への発展をもくろむ。

 サウジは世界最大規模の政府系投資ファンドの設立に向け、国営石油会社サウジアラムコの株式上場で巨額の資金調達を計画している。政府は東証への上場も働き掛ける。