天才ピカソの「自画像の変遷」が衝撃的! 15歳~90歳で完全崩壊するまで | ニコニコニュース

ピカソ 写真は「Wikipedia」より引用
TOCANA

 パブロ・ピカソといえば、20世紀を代表する偉大な芸術家のひとりだ。ピカソはスペインで生まれ、フランスを拠点にキュビスムの創始者として精力的に創作活動を続け、91歳で亡くなるまで、およそ5万点の作品(1885点の絵画、1228点の彫刻、2880点の陶器や約1万2000点あまりの線描など)を制作したとされ、多作なアーティストとして『ギネスブック』にも認定されている。

【自画像の数々はコチラ→http://tocana.jp/2017/03/post_12234.html】


■ピカソが描いた自画像の変遷がすさまじい

 だが、そんな巨匠の足跡を改めてたどると、ピカソが描いた自画像の変遷がかなり特異なことに気づかされる。15歳から90歳までの75年間で、本当に同一人物が描いたものなのかと疑いたくなるほど変化に富んでいるのだ。

 それこそ、どこかの育ちのいいお坊ちゃんが「絵でも描いてみようか」と筆を取った風から、だんだん“自意識過剰の認識不足”に陥り、最晩年は素人目にはハンパない壊れっぷりとさえ映る。

 正直、90を超えて描かれた自画像を眺めると、まるでUFOに誘拐されて、そのとき目撃したエイリアンの似顔絵を描いたとしても差し支えないほどで、おそらく絵画に造詣が深い方なら、ためらうことなくこれを“進化”と呼ぶのだろう。唯一、ピカソの生前のスナップ写真を見る限り、眼力だけは終生変わることがなかったことがうかがえる。


■女性のポートレートもすごいタッチに

 また、女性をモデルに描いたポートレートもすごいことになっている。モデルになった女性は、肉感的な小娘からハリウッドレベルの美女までいるが、彼女たちの肖像画を見ると何がどうしてこうなったのか、まるでワケがワカラナイ。しかしながら、根っからの女好きで、さんざん浮き名を流したスペインのドンファンは、高齢になっても実に広い守備範囲を誇っていたことだけは確かなようだ。

 天才アーティストの作風の変遷に驚きを隠せないが、「ピカソだから」と言われてしまうと、ゲイジュツに明るくない筆者などそれだけで妙に納得してしまい、ぐぅの音も出ない。とはいえ、ピカソは自分の作品制作で常に、「今」を表現することを命題にしてきたというから、そのときどきで一番しっくりくる手法を用いたのだろう。

 もっとも、情熱的な女性遍歴はピカソの創造の源となり、彼自身のイメージの中で再構築された彼女たちは、キャンバスの前に立つと誰よりも美しく見えたのかもしれない。
(文=佐藤Kay)


※写真は、ピカソ 「Wikipedia」より引用