安倍晋三首相は12日、東日本大震災から6年を迎えた岩手県の復興状況を視察した。視察後、首相は岩泉町で記者団に、東京電力福島第1原発事故に伴い立ち入りが制限されている福島県内の「帰還困難区域」について、2021年度末をめどに避難指示の解除を目指す政府方針を強調。「長い年月がかかっても完全に解除する」と表明した。

 首相は「東北の復興なくして、日本の再生はない」と述べ、復興加速に全力を挙げる方針を重ねて示した。

 これに先立ち、首相は津波により多数の死者、行方不明者が出た岩手県宮古市の中学校の卒業式に出席。「皆さん一人ひとりの希望が宮古、岩手、東北の復興に、そして日本の発展につながっていくと確信する」と祝辞を述べた。同市内の震災遺構「たろう観光ホテル」や、昨年の台風10号で甚大な被害を受けた岩泉町の鍾乳洞「龍泉洞」も視察した。