Puppet Labsによる2017 State of DevOps Reportのリリース

Puppet LabsのState of DevOps Report 2017が報告され、ハイパフォーマンスなITチームはより頻繁にデプロイメントを行い、より高速に障害のリカバリーを行なっていることが明らかになった。自動化、疎結合なアーキテクチャ、継続的デリバリーを促進するチームにより焦点が当てられている。変革的なリーダーシップとリーンな製品管理のプラクティスもハイパフォーマンスなチームの背後にある重要な鍵である。

  Puppet Labsが年次行なっている調査の今年版は、経営者、開発者、そしてITプロフェッショナルを含む世界中の約3200人に対して行われた。DevOpsチーム内で業務を行なっていると述べた回答者は、過去3年で16%から27%に向上し、DevOpsの採用が進んでいることを示した。回答者が属している組織の規模で最も多かったのは100-499人、500-1999人、そして10000人以上のものであり、回答者の大半がDevOps、IT運用/インフラ、そして開発/エンジニアリングカテゴリの要員であった。 一方で性別比は歪んだままであり、女性とその他はそれぞれ6%と3%に留まっている。北アメリカに居住する回答者は全体の54%を占め、ヨーロッパとロシアは27%、アジアは10%であった。昨年同様テクノロジー企業が全体の34%を占め、続いて金融サービス(14%)が続き、教育、小売、通信、そして政府機関がそれぞれ6・%の範囲で続いている。



 

レポートはハイパフォーマンスな組織とローパフォーマンスな組織を区別しており、それらの間のパフォーマンスの差を整理している。昨年同様、以下のパフォーマンス指標が計測されている。

  • デプロイメント頻度 - どれくらい頻繁に製品にデプロイしたか
  • 変更に対するリードタイム - 製品に対してどれくらいの速度で変更を加えられるか
  • 平均復旧時間(MTTR) - 故障(機能停止)からの平均復旧時間
  • 変更失敗率 - デプロイメントパイプラインの中で変更がどれくらい故障の引き金になったか

ハイパフォーマーは全ての指標で前年に対して改善した。彼らはコードのデプロイメントを46倍頻繁に行い、96倍MTTRを短縮した。平均では、ローパフォーマーも複数の指標で昨年に比べて改善を行なった。

  特にハイパフォーマンスなチームにおいて、自動化プラクティスに関して明確な向上が図られた。前年に比較して、設定管理に関し28%、デプロイメントに関して26%がより自動化された。

   


組織の継続デリバリー(CD)の能力は2つの因子により計測された。それは、製品へのオンデマンドでのデプロイメント能力、そしてチーム全員に対する素早いフィードバックループを持っていることである。これらの成果を獲得するために強く寄与する因子には、包括的なバージョンコントロール、CI、ソフトウェアデリバリープロセスにおける安全保障・テスト・デプロイメント自動化を含むトランクベースのデプロイメントが含まれる。CDに寄与するアーキテクチャ上の因子は、サービス上・チーム上両方の疎結合であった。サービス間の結合は結合環境を必要とせずに関係者がテストを行えるかどうか、それらのサービスが他とは独立して配置可能であるかどうかで評価された。

  ハイパフォーマンスなDevOpsを実現する非技術的側面の中にリーンな製品管理がある。このレポートはこのことを3つの能力として定義している。すなわち、仕事を小さいバッチに分割して観測可能なワークフローを作成すること、これらを集約・配布し顧客のフィードバックを収集すること、チームに開発プロセスの一部として承認なしで仕様の新規追加・変更を行う権限を与えることである。

  高いDevOpsの成果を獲得するためにはリーダーシップのみでは十分だとは言えない。適切なアーキテクチャと良好な技術プラクティスも成果に影響を与える。このレポートの著者は、ソフトウェアの提供に関連する構成物間の関係を評価するための予測モデルとして構造方程式モデリング(SEM)を用いた。

 

  図中の矢印は統計で得られた重要な関係を示している。

全画像の提供 : The 2017 State of DevOps Report.