F1のデザインについて(2016年3月改訂版@VIP)

1:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 09:54:35.456 ID:6REZWxOK0.net


新車発表シーズンなので、芸スポやニュー速にF1スレが立つことがあります
そこで「なぜF1がこんな形をしてるのか」を中心に、F1について書こうと思います

ちょっとでもF1やモタスポに興味を持ってもらえればこれ幸い


できるだけ、全く知らない人でもわかりやすいように専門的な所は大雑把に書きます
間違いもあると思うんで詳しい諸兄は補足訂正お願いします

大雑把な目次


■空力とは
■ウィング
■グラウンドエフェクト
■ボディ形状
■パワーユニット(エンジン)ついて
■ルール、レースについて

※2年前に立てたスレの改訂版です(だいぶ変わったので)


※書き溜めです
※わからないことは聞いてください。自分も答えますが、詳しい方もお願いします

2:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[sage]:2016/03/01(火) 09:54:54.258 ID:6REZWxOK0.net


■フォーミュラカーのデザイン=空力

車はタイヤを地面に押し付けて走ります


この摩擦力が強いほど、よく進み、よく止まり、よく曲がり、速くなります
摩擦力はタイヤの接地面積×ゴムの柔らかさ×地面に押し付ける力で決まります

普通の車は、この押し付ける力を車重に頼っています


しかし、車重が嵩むほど運動性は悪くなるのでレーシングカーには向きません

そこで空気を上手く処理して、車を地面に押し付ける力=ダウンフォースに変えて利用します


しかし速度が速くなると、空気は大きな抵抗となり速く走る妨げになります

つまり、空気が抵抗にならないように上手く受け流しつつダウンフォースとして使える部分は積極的に使っていことが重要で空力が車体デザインの最重要ポイントになります

またフォーミュラカーの最低限縛りとして

・一人乗り


・オープンコクピット(屋根なし)
・オープンホイール(タイヤむき出し)

というのがあり、これを成立させたうえでどうしていくかが見どころです


ではまず目立つウィングから見ていきます

4:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 09:55:20.790 ID:6REZWxOK0.net


■ウィングと整流板について

ウィングは車の前後に付いてる大きな翼のことです


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飛行機の翼が飛行機を上に持ち上げるなら、翼を逆さにつければ車体を下に押し付けるはず


というのがウィングの基本的な考え方です

ウィングをつければダウンフォースを生みますが、同時に空気抵抗になります


速く走るためのものなのに、速度を出す妨げにもなるものなのです
このジレンマをどう解決していくかが、デザインのキモになっていきます

またウィング類はきれいに気流が当たらないと正しく仕事をしてくれません


なので、いかに後方にきれいに空気を流していくか、が大事になります
そのために整流板と呼ばれる板を取り付けたりもします

6:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 09:56:07.980 ID:6REZWxOK0.net


■フロントウィング

昔と比べて


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今の車のフロントウィングはゴテゴテしてて好かん!


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という方もいると思いますが、なんでこんなことになっているのかというと今のフロントウィングは、以下の三つの仕事を同時にしています

1. ダウンフォースを生んで車体を地面に押し付け


2. 床下に空気を出来るだけ多く送りつつ
3. 前輪を避けて前輪の後ろにも空気を流す

1番目はわかると思うので割愛。昔のウィングは主にこの機能だけでした

2番目は、床下に少しでも多く空気を流したほうが有利だからです(後述)


なので中心付近は真っ平らで、両端だけでダウンフォースを生んでいます

3番目は、前輪の後ろの負圧を潰すのが目的です


前輪の後ろ側には乱流による負圧があり大きな空気抵抗になっています
ここに空気を送り込んでやることで負圧を潰して抵抗を軽減しています

このような機能を複数の板の組み合わせだけで果たすためフロントウィングは今のような複雑な形状に進化しました


また裏側は後述するディフューザーのようになっています

8:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 09:56:37.774 ID:6REZWxOK0.net


■リアウィング

パッと見は90年代も


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今も変わらないように見えます


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リアタイヤを安定させるため、コーナーでは立てて仕事させたいのですが直線ではタダの空気抵抗なので、寝ててほしいものです


市販のスーパーカーにリアウィングが動くものがあるのはこの理由からです

しかし「空力パーツは決して動いてはならぬ」という鉄の掟があるのでそれを守りつつ、なんとか直線だけリアウィングをキャンセルするためにデザイナーは過去にいろんな工夫と屁理屈を考えました

カモメとか(直線ではこれが邪魔してリアウィングに気流が当たらない)


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Fダクトとか(翼の片面に空気を当てて強制ストールさせる)


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で、今はというと、掟を解禁してDRSと言ってウィングを動かしています


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ドライバーの操作で、ウィングを寝かせることができます


ただ使い放題だと興ざめなので、決められた区間で前者とのギャップが1秒以内の時のみ使用できます

他のカテゴリでもよく採用されるオーバーテイクボタンのような使い方をします


※後述のオーバーテイクについても参照

9:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 09:56:58.921 ID:6REZWxOK0.net


■ウィングの変遷(1)

90年台後半から、コンピュータの発展もあり空力開発が激化


デザイナーはボディのあらゆるところにウィングと整流板をつけるようになります
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様々なウィングが試され、F1は空力のお化けになりダウンフォースは2Gを超えました


重力が1Gなので2Gを越えるということは、トンネルの天井に張りつけるということです
これにより恐ろしいほどのコーナリングフォースを得て5G旋回に達するほどになりました

よく「Gは戦闘機の方が上」と言う方がいますが戦闘機のパイロットにかかるGは基本的に縦Gです


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比べるものではありません

ちなみにコーナリング中は全力で耐えているので自由に呼吸できません


心拍数もかなり上がる中、これを90分近く続けるので心配能力も高くなります

鈴鹿のコースレコードは2006年のシューマッハによるもので今だにこれは破られていません


空力的にはこの頃が一番速かったのではないかと、個人的には思います

あまりに速すぎるコーナリングを危険視して、タイヤの幅を狭めて溝を掘り接地面積を減らしたりトレッド幅を縮小したり、などの対策が取られるほどでした



10:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 09:57:25.579 ID:6REZWxOK0.net


■ウィングの変遷(2)

直線で前を走る車を追い越すには、それなりの速度差が必要です


次のコーナーまでに、前に出なければならないですから

しかし、近しい性能の車で戦う競技なのでそう簡単に速度差は付きません


そこでスリップストリーム(走る車の真後ろの空気抵抗が少ない空間)を利用します

空気抵抗が少ないから、前者より高い速度で走れるのでそれを利用して速度を上げ追い抜こう、というモタスポの基本戦術です

しかし、この空間が出来る理由は、空気の乱流(渦)です


たくさんのウィングによるダウンフォースに頼りきったF1マシンは乱流にナーバスで、スリップどころか近寄るだけで挙動が危うくなってしまいます

かと言って、スリップを使う以外に前車より速く走る方法もなく※


抜きつ抜かれつのバトルが出来なくなってしまったのです

「F1はオーバーテイク(追い抜き)がなくて退屈」という人はこの時期(2004~2008)のことを指しているのでしょう

※オーバーテイクについては後述します



11:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 09:58:05.391 ID:6REZWxOK0.net


■ウィングの変遷(3)

バトル出来なきゃ意味がないっつーことで、2009年に大改革されフロントとリア以外のウィングはほぼ削除されました

91年(すっきり)


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08年(ごてごて)


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09年(すっきり)


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更に後方の乱流を低減するため、リアウィングは小型化され従来のダウンフォースの約50%が削減されました


これを補うため、逆にフロントウィングは大型化されトレッドと同じ幅になりました

デザイナー陣は、失ったダウンフォースをグラウンドエフェクト(後述)に求め全車いっそうのハイノーズ化が進みました

改めて、前後ウィングとディフューザー、ボディの使い方についてデザイナーの真価を問われる時代に突入しました

これでウィングの話はいったんおしまい


続いて、ノーズ形状について説明したいのですがその前にまずグラウンドエフェクトについて書きます

12:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 09:58:40.372 ID:6REZWxOK0.net


■グラウンドエフェクトについて

1960年台から多くのデザイナーが

ウィングを立てると、ダウンフォースは増えるが空気抵抗で遅くなる


ウィングを寝かすと、空気抵抗が減って速いがダウンフォースが減って曲がらない

というジレンマに悩み、あることに気づきます

「飛行機の翼を逆さにやってるのが前後のウィング。車体でもやれば良いのでは?」

そこで、最初に斜体の左右にウィングを付けたのがマーチ701(たぶん)


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でもあまり効果は出ませんでした


翼と地面の間の気流が速まって出来た負圧をダウンフォースとするはずなのにガラ空きの左右から空気が入り込んで負圧を失ってるのが原因でした

じゃあ翼端板をつければいい、つまり左右を塞ごう、という経緯でできたのがロータス78


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これにより床下に負圧を作り、車を地面にがっちり吸い付ける力を生み出しました


この床下で発生するダウンフォースは「グラウンドエフェクト」と呼ばれとても大きなダウンフォースを発生し猛威を振るいました

この車はベンチュリカーとかウィングカーと呼ばれることになります


デザイン的にも、初期の葉巻型から、サイドポンツーンのある現代型への分岐点です

13:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 09:59:14.281 ID:6REZWxOK0.net


■ウィングカーの問題点

しかしウィングカーにも弱点がありました


車が跳ねると、横から床下に空気が入り込み負圧を失い一気にダウンフォースを失ってしまうことです

最もダウンフォースが欲しい場面、つまりコーナリング中にこれが発生すると車は冗談抜きで吹っ飛んでしまうため、とても危険でした

少しでも空気の流入を防ぐために地面すれすれのサイドスカートなど工夫しましたが


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やっぱり危険性は排除できず、83年にフラットボトム規定を定めました


「前輪から後輪まで床下はまっ平らに!危ないからね!」という内容です

当時の腕自慢ドライバー達も、完全にコントロール限界を超えてたのでこの規制は間違っていなかったと思います

床面がえぐれなくなったので、事実上グラウンドエフェクトは禁止され…

…たかの様に思われましたが



14:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 09:59:55.610 ID:6REZWxOK0.net


■ディフューザー登場

「『前輪から後輪までフラット』っつーことは、後輪より後ろはいいんだよな」

というデザイナー陣の解釈で、車体のテールエンドはせり上がった形状になり床下の空気を吸い出すことに成功します

それがディフューザーです


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狭い床下を通ってきた空気の、出口を大きく広げることによって空気をより速く引き抜く空力装置です(ベンチュリ効果といいます)

これにより、グラウンドエフェクトは失われることはなくダウンフォースを稼ぐ要素として活躍して行くことになります

市販車でもスポーティな車種のリアバンパーの下側はこのディフューザーの意匠を真似たものになってることがあります


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またスーパーカーの類は本気でディフューザーを装備していることもあります


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※後述のファンカーの項目も参照ください



15:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:00:41.107 ID:+L7ab32O0.net


ヘルメット空気抵抗になるからウルトラマンみたいにしたらどうか

17:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:02:43.668 ID:6REZWxOK0.net


>>15
どうせ後ろにインダクションポッドがありまあすし
それにもしヘルメットの形状でなにか変わるなら
とうの昔に、どんなにダサくなってもやる人達ですし

16:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:01:25.051 ID:6REZWxOK0.net


■アクティブサス登場

グラウンドエフェクトを研究し続けた結果、フラットボトム+ディフューザーでも地面と床面の間隔をミリ単位で適切に保てればウィングカーと同等のダウンフォースを得られるとわかりました

そこでチームは走行中の車高を一定にしたいと考えましたがせいぜいサスペンションを固めるくらいしか出来ませんでした

サスが硬い→車高一定だが車が跳ねてピーキーで運転しづらい


サスが柔い→車高は上下するがタイヤが地面を離さず運転しやすい

というジレンマ。それを覆してたのが、アクティブ・サスペンションです


サスペンションを機械で積極的に動かして常に車高を一定に保つシステムです
これが大ハマりしたのが92年のウィリアムズで、グランプリを圧倒しました
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「ここはモナコ、モンテカルロ!絶対に抜けない!」で有名な1992年のレースでマンセルがセナを煽りまくってたのはこの車です




18:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:03:02.516 ID:6REZWxOK0.net


■ハイテク(当時の)規制

250km/hで暴れる車体を路面の凹凸に合わせて制御するなんてGPSも使えいような90年代前半には、なかなかにハイテクでした

またトラクションコントロールやアンチロックブレーキなどタイヤを空転させない制御なども合わせて開発されていました

当時市販されてたCPUの動作速度が120MHz(ギガじゃない)程度ってことを考えればどれほど大変だったか想像出来るでしょうか

つまりお金がかかるんです。貧乏チームは置いてけぼりになってしまいました


そこでテコ入れ

まず従来からある「空力装置は決して動いてはならぬ」というルールを適用してアクティブ・サスペンションは禁止に

ついでに「トラコンやABSもやめにしてドライバーの足で頑張れ」とすることで開発費の高騰を抑えました

これが俗に言われるハイテク規制です


当時ハイテクだっただけで、今からしてみれば可愛いもんです

20:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[sage]:2016/03/01(火) 10:03:27.882 ID:Ei1d0F/80.net


ここまで極まってるとf1の技術はどこに使われんのか

22:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:06:17.710 ID:6REZWxOK0.net


>>20
F1からもろにフィードバックされる技術って実はそんなに多くない、と思ってます

一番身近で役立っているのは、空力そのものではなく空力を開発するための手順、みたいなものではないでしょうかね



24:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:08:33.546 ID:6REZWxOK0.net


■フロントノーズの変遷(3)

少しでも多くの空気を床下に送るためノーズは年々高くなりついにほぼ水平になりました


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ドライバーはこんな格好で運転しています


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ところで、F1スレなどで「グロ注意」というのをみたことがありませんか?


これはグロテスク画像注意ではなくロマン・グロージャン選手が他車に特攻するので注意、を指します
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グロージャンがしょっちゅうやらかしてくれたお陰で他車とクラッシュした時に、高いノーズがドライバーの首を刈ってしまうのでは?という危険性に気づくことが出来ました



25:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:08:54.988 ID:6REZWxOK0.net


■フロントノーズの変遷(4)

そこでノーズの付け根部分の高さに規定を設けました


ノーズが下がれば、ドライバーの頭部を守れるだろうと

しかしデザイナー達は、規定位置に段差を作るだけでノーズは相変わらず高いままでした


これが2012年の段差ノーズです
段差で空気抵抗を受けたとしても、ハイノーズの恩恵の方が大きかったのです
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当時「F1史上もっとも醜い」なんて揶揄されました。2年後の悲劇を知らぬゆえ

翌2013年は「段差はカッコ悪いから化粧板つけても良いよ」という規定ができました


一見段差がなくなったように見えますが、段差の上にペラいカバーをかぶせています
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しかし段差ノーズでお茶を濁していたところ、グロージャンミサイルがアロンソ選手に炸裂しあとちょっとずれてたら首がもげてたかもしれない大クラッシュがおきました


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これを経て、やっぱりハイノーズ危ないぞ


ノーズの根本じゃなくて、先端の高さを規定しないといかんぞ、となりました

※グロージャン選手はこの後、心と技術を入れ替えて、走りも成績もマイルドな選手に成長しました



27:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:10:15.207 ID:6REZWxOK0.net


■フロントノーズの変遷(6)

これまで空力で他を圧倒してきたレッドブルもちんこノーズを採用したことやメルセデス、フェラーリの掃除機みたいなノーズでは床下の空気が不足してしまうのでは?という予想もありましたが

2014年はダウンサイジング化やERS完全稼働といったエンジンの大幅な改革があり画期的なターボ開発に大成功したメルセデスの圧勝という形で終わりち○こノーズの優位性はわからぬまま、ブームは終焉に向かいました

これを受けて2015年は

レッドブルも


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フォースインディアも


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ウィリアムズも


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みんな素直ノーズ、若干名残がありますが

こんな感じで、ノーズの形状ひとつがグラウンドエフェクトという空力にに大きく関わるということがわかってもらえると思います

また過去のF1のデザインと大きく印象の異る高いモノコックから、ストンと落ちる急角度なノーズの理由もわかったかと思います

つづいてボディ形状の話に移ります



28:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:13:01.642 ID:6REZWxOK0.net


■ボディ形状

ボディはただ空気抵抗の少ないなめらかな形をしていればいい、というのは昔の話です


ボディにそって流れる空気を整流していかにきれいに後方に流すか、がキモになります

一昔前の市販のセダンに小さいウィングがついてたのを覚えていますでしょうか


あれはオシャレのためでも、ダウンフォースのためでもありません
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車が高速で走ると車体後端で空気の剥離が起こり、乱流が発生します


この乱流が乗り心地を損なわないよう、乱流を遠ざけるための装置でした

F1で乱流はスピードを妨げるものなので、きれいに空気を流すためにボディの後方は出来るだけ低く細く絞り込むのが得策です

昔と現在のマシンを比べて


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現在のほうが、リアエンドが縦にも横にも絞りこまれているのがわかると思います


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ボディの、特に後ろ半分にはPU(エンジン)とギアボックスが積まれているのでこれらを小さくできれば空力的に有利なデザインに出来ます

サイドポッドの下側がえぐれたような形になっているのも少しでも空気を後ろに流すための施策のひとつです


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29:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:13:49.136 ID:6REZWxOK0.net


■足回りも空力

F1の足回りはダブルウィッシュボーンです


普通の車のダブルウィッシュボーンはこんな感じ
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アッパーとロアの2つのアームで支える構造なのは一般車と変わりませんが気流にさらされるF1のアームは、それ自体が空力を考慮した形状になっています


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またタイヤがむき出しのF1ではバネとダンパーは一般車のように置けないのでノーズの中に入っており、ロッドでつながっています

このロッドがサスペンションを押すのか(プッシュ)、引くのか(プル)でサスの搭載位置やアームの動く量、ロッドの太さなどが変わるので走りや空力に影響が出ます

左がプッシュロッド、右がプルロッド


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一般的にはプッシュロッドの方が扱いやすいのですがプルロッドにも空力面でメリットはあるので採用されることもあります

過去にはアームを空力に使おうとこのような形状が試されたこともありました


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サスアームもF1のデザインの見どころのひとつです

では、最新のデザインを見てみましょう



46:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:29:15.100 ID:D3llv4f2d.net


>>30
いつの間にかルノー復帰してんのな

48:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:31:47.886 ID:6REZWxOK0.net


>>46
昨年までのロータスがルノーに買い取られた形です

ルノー



ロータス・ルノー → ケータハム → 消滅

ロータス

ルノー

こんな感じ



121:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 16:17:40.451 ID:6REZWxOK0.net


>>30で暫定だったザウバーC35の正式版
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コンサバすなあ



141:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 18:38:51.726 ID:XwEP7fst0.net


>>121
この写真、最低地上高が高く見えるんだけど、スキッドプレートとかって今どうなってるの?

143:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 18:50:52.267 ID:6REZWxOK0.net


>>141
最低地上高は150mmのはず(たぶん)
写真はお披露目用だから車高は適当なはず(たぶん)

スキッドブロックは今もありますよ


派手な演出しないと死んじゃう病にかかってる今のFIAはスキッドブロックに金属使って昔みたいに火花散らそうぜって言い出してサーキットに露骨に嫌な顔されてます

書いてなかったのでスキッドブロックについて、次で書きます



34:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:21:59.624 ID:6REZWxOK0.net


■パワーユニット(エンジン)について

現在のF1のエンジンは、少し車に詳しい人ほど理解し難い謎な機械になっています


賛否ありますが、かなりエコに振った縛りプレイ仕様です

ハイブリッドなことはみなさんご存知だと思います


従来のエンジン部分を「ICE」、モーター部分を「MGU」と呼びます
この両者の組み合わせになるので、エンジンではなく「パワーユニット」と呼んでいます

ICEは、1.6L・V6・シングルターボ


MGUは、出力軸につけられた「MGU-K」と、ターボ軸につけられた「MGU-H」の2つがあります

35:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:22:35.962 ID:6REZWxOK0.net


■パワーユニットについて(1)

出力は他のカテゴリと同じように吸気口で制限されているほか、燃料に制限があります


総量100kgで、かつ、最大流量も100kg/hまでです

1レースだいたい1.5時間弱くらいかかりますから、常に全開だとガス欠するってことです


車に詳しい方なら「じゃあ燃調を薄くすればいいよね」と思うかもしれませんが

ターボとは、排気ガスで風車(タービン)を回し、その回転で圧縮機(コンプレッサー)を動かしてエンジンに送る空気を圧縮し、酸素を増やして大出力を得る、という機械です


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空気は圧縮しただけでも温度が上がる上に、高温になるタービンからの熱も加わって、アチアチです


温度が上がると効率が下がるので、インタークーラーで冷まして使います

ここで先述の「燃調を薄く」つまり燃料を少なく使うと、エンジンはより高熱を発するのでタービンはより熱くなり、結果、効率が下がってしまうのです



37:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:23:47.246 ID:6REZWxOK0.net


■パワーユニットについて(2)

「タービンとコンプレッサーが近くにあるから熱が伝わっちゃうんだよな、じゃあ…」

と、2014年にメルセデスが作ったのが分割ターボです※


両者をエンジンの前後に分割して、Vバンクの間を通した軸で繋ぎました

言葉にすると簡単そうですが、毎分20万回転に達するターボ軸を何十cmも伸ばすなんて恐るべき工業力です

これが大当たりしてメルセデスはこの2年常勝チームとなり分割ターボは完全なトレンドとなりました


このターボエンジンを使って、だいたい700~750馬力くらい捻り出しています

レブリミットは15,000rpmですが、先述の燃料制限もあってだいたい11,000~12,000rpmくらいで走ることが多いです


以前に比べて音がしょぼくなったのは、主にこの回転不足にある(と思ってます)

100kg弱の燃料で310kmくらい走るわけですから、燃費はだいたい2.5km/Lってところでしょうか

※分割ターボのアイディア自体は過去に市販車でありました。実用化はしませんでしたが



39:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[sage]:2016/03/01(火) 10:25:03.631 ID:B2RWhuGxK.net


えらく詳しいな
カワイちゃんか?w
でもおもしろいや

43:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:28:30.679 ID:6REZWxOK0.net


>>39
ありがとう

川井ちゃんこと川井一仁さんは、前にも書きましたが「あの甲高い声のおっさんはなんであんなに偉そうなの?」と言われますが偉そうなんじゃなくて、たぶん偉いんです

F1サーカスに1987年から30年ちかく帯同し続けてるジャーナリストって世界でもそんなに多くない、はず



41:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:25:43.877 ID:6REZWxOK0.net


■パワーユニットについて(3)

MGU-Kは市販車と同じく、減速するときに発電して、加速するときに電気を使ってパワーを増します


MGU-Kの最大出力は120KW(161馬力)になります

MGU-Kが1周で使えるエネルギーは4メガジュールまでなので、フルパワーだと最大33秒ちょいで空になります


またMGU-Kで回生できるのは2メガジュールまでです

MGU-Hはターボ軸につけたモーターで発電した電力を


・貯める
・ターボ軸を回す(ラグ回避)
・MGU-Kに回す
と自由に使えます

MGU-Kを使うのは主に直線ですが、使いきってしまうと160馬力落ちで走ることになります


腕自慢のアロンソをして「(速度差ありすぎて)抜かれるのが怖い」くらいの差がでます

でもMGU-Hで発電したぶんは好きなだけMGU-Kにまわして良いのでMGU-Hの働き次第で、アシスト時間を伸ばすことができるようになります



45:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:29:07.442 ID:6REZWxOK0.net


■パワーユニットについて(4)

まとめると、現在のパワーユニットの性能は

・ICEの性能


・ターボ配置
・MGU-Hの性能
・ユニット全体の小ささ

の4つの兼ね合いで決まります


現在のサプライヤーのターボとMGU-Hの配置はこのようになっています
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ルノーが分割してないのがすぐわかるけどホンダのコンプレッサーどこにいっちゃったの?と思うかもしれません

ホンダはタービンを後方に置きVバンク内を通るシャフトにMGU-Hをかます


というのはメルセデスと同じですが、ユニットをより小型化するためコンプレッサーもVバンク内に入れてしまいました

このため、コンプレッサーが小さくなってしまったり、配管が複雑だったり熱でMGU-Hが機能しなかったりと問題が多く苦しんでるようです


しかしながら、成功すれば画期的なユニットとなりえるので応援したいところです

こんな感じで、現在のF1のパワーユニットは過去のF1や市販車エンジンの常識とはかけ離れたものになっていますのでエンジンについて語るときには注意してください



47:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:30:10.627 ID:6REZWxOK0.net


■ルール、レースについて(1)

勘違いされがちですが、ルールやレギュは全部が全部、FIA(運営)が一方的に決めて押し付けてるわけじゃないです


FIAと参加チームで競技を重ねた上で決めているものも多いです

また「ルールがコロコロ変わる」という書き込みをよく見ますがどんなカテゴリでも、どんなスポーツでも少しずつ変わります

モタスポは機械の進歩に合わせてルールも改善していく必要があるし


お金の収支がアンバランスなので、変更のテンポが他のスポーツのそれよりも若干早いという側面もあります

ただフォーミュラカーグランプリとして

・一人乗り、オープンホイール、オープンコクピット


・予選でグリッド順を決めてスタンディングスタート
・最初にチェッカー受けた奴が優勝!

てのはずっと変わってません


また一番速いドライバーを決めるより、一番速い車を決めるって方が若干強いのでみんな同じ車で~ってのは叶わないと思います

49:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:32:10.596 ID:6REZWxOK0.net


■ルール、レースについて(2)

予選はノックダウン方式(ちょっとずつ減ってく)です


みんな一斉に走る、ってのは前の車が邪魔でガチアタック出来ないので

じゃあ順番に1台ずつ走ろうかっつーと、これはこれで後に走る車の方が路面にラバーがのって有利になるので問題があります


もちろんこの方式のカテゴリもたくさんあるんですが

お客に喜んでもらってなんぼなんで、できるだけ多くアタックを見てもらうって観点からは、ノックダウン方式は優れています


今年中盤から導入予定の最新の予選方式はちょっと複雑ですが面白いです

まず、予選が開始されたらみんな好きに走ります


7分経ったら一番遅い1台がノックアウトされ、そこから90秒毎に一番遅い1台が消えていき、15台になったらQ1終了

Q2も同様にやって8台になったら終了

Q3も同様で、最後の2台になったら速いほうがポールポジション、となります



50:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:32:48.379 ID:6REZWxOK0.net


■ルール、レースについて(3)

決勝は予選順にならんでスタンディングスタート(よーいどん)です


PUやギアボックスを規定数以上載せ替えたりするとグリッドが降格します
何らかの理由でグリッドにつけない場合はピットスタート

ローンチコントロールは禁止で、発進時はクラッチ操作があります


と言ってもペダルではなくハンドルの後ろのレバーで、2つついてます

終了までに1回タイヤ交換さえすれば、あとはノンストップです


給油はなく、タイヤ交換は2秒ちょいで終わりますが、80km/hの速度制限がありざっくり18~20秒くらいロスします

どのサーキットでも305kmを超えた周回がラストになります(モナコは260km)


また2時間を超えると終わりです。中断があったとしても4時間を超えると終わりです

周回遅れは最後まで走りません。トップがゴールしたときの周回で終了です


9割以上走れていれば、完走扱いになります

51:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:33:32.187 ID:6REZWxOK0.net


■ルール、レースについて(4)

レース中に事故があるとセーフティカーが先導してスローダウンします


セーフティカーって遅く見えるけど速いです

またセーフティカーが入った「つもり」で隊列作ってゆっくり走るバーチャルセーフティカーってのもあります

トップがせっせと稼いだマージンが帳消しになるし、この間にピットインを済ませちゃおうって戦略もあるので見所です

青旗が振られてるときは


「遅いから後続車に抜かれろ」

黄旗が1本が振られてる区間は


「コース脇に何かあるかも、追い越し禁止、いつでも進路変更できるように減速」

黄旗が2本が振られてる区間は


「コース上に何かあるかも、追い越し禁止、いつでも止まれるように減速」

ビアンキ選手が鈴鹿で亡くなったときは、黄旗2本の区間でした

その他、赤旗は中断、黒旗はピットに戻れ


黒地オレンジ丸は(車壊れてるから)ピットに戻れ、黒白は「このDQNが!」などがあります

52:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:35:36.882 ID:6REZWxOK0.net


■オーバーテイクについて(1)

モタスポは車両の性能に差がありすぎると、勝負になりません


常に性能順で終わっちゃいます(過去数年のF1がそうだってのはさておき)

それではつまらんと、全車を全くイコールにしてしまうと今度はレース中になかなか差が埋まりません


選手の技量で差は出るかと思いますが、基本的にみんな上手いですから

なので、性能は近いけど少しは差がある、走り方によって差がでるという状況になるのが、レースとしては好ましいわけです

F1は「オラが車が欧州イチ選手権」なので車は各チームがそれぞれ作ります


車の性能差は、チームの技量の差ということで、それも勝負の範疇です

でも、あまりに差がつきすぎたときは調整すべきだ、ということで毎年いろいろ策を講じているわけです



53:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:37:39.642 ID:6REZWxOK0.net


オーバーテイクについて書こうとするとNGワードって言われる…
何がいかんの…(´;ω;`)

54:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:40:14.124 ID:6REZWxOK0.net


わかったニコ動だ…

■オーバーテイクについて(2)

漫画のような「ブレーキングで一気に差をつめるぜ!」ってシーンが見られると燃えます、例えばこのような

佐藤琢磨がアロンソをオーバーテイク(2007カナダ)


小林可夢偉がヘアピンでオーバーテイク連発(2012日本)

でも実際のモタスポは近い性能の車とドライバーが戦うので毎周コンマ数秒のラップ差を積み重ねて追いついて…と地味なわけです


そこである程度の演出が必要で、そのひとつがタイヤ交換義務。F1では

・グリップは低いけど、長持ちするタイヤ


・グリップは高いけど、短時間で終わるタイヤ

の2種類が用意され、2種類とも必ず使うルールになっています


履く順番やタイミングは自由なので、各車のタイヤの種類、ライフに差が生まれます

先に挙げた動画は、このタイヤの差によるところが大きい名シーンです


もちろん佐藤選手、小林選手の頑張りありきですが

55:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:40:35.614 ID:6REZWxOK0.net


■オーバーテイクについて(3)

追い抜きするためには、追いついて、なおかつ追い抜けるだけの速度差が必要です


近いコンディションの車ではなかなか難しかったりもします

そこで、モタスポではオーバーテイクボタンというものが用意されることがあります


一時的に車の能力を引き上げることで差を詰めよう、というものです

よくあるのは、エンジンの回転数制限を一時的に引き上げるというものですがF1ではDRSを使っています

走行中にリアウィングを動かしてダウンフォースをキャンセルし空気抵抗を減らして車速を上げる仕組みです

使い放題だとおもしろくないので、決められた区間(だいたい直線)で全車とのギャップが1秒以内のときだけ使用できます


https://www.youtube.com/watch?v=VDnoSDuY0Hw

57:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:43:28.244 ID:6REZWxOK0.net


あとは、前にも書いた変な発明品について書いていきます

■ファン・カー

空力によるグラウンドエフェクトではなく換気扇(ファン)で無理やり床下の空気を吸い出しちゃおう、というコンセプト

もともとは走る冷蔵庫でお馴染みシャパラル2Jがやったもの


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これをF1に持ち込んだのが1978年のブラバムBT46B


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当時、ウィングカーが猛威を振るっていましたがブラバムはエンジンが大きくてウィング効果が薄い


そこで、ファンによって同等以上のダウンフォースを得ようとしたもの

ニキ・ラウダがドライブしてとても速かったですが稼働空力装置は駄目、ということでなくなりました


ちなみにこの時のブラバムのオーナーはバーニー・エクレストン

59:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:44:35.225 ID:6REZWxOK0.net


■6輪

かなり前から、前輪が空気と衝突して大きなドラッグになっていることはわかっていました

そこで、フロントウィングで前輪を隠してしまいたいのですが隠せるほどタイヤを小さくすると、接地面積が減ってグリップが下がる

そこで1974年、ティレルのデレク・ガードナーが思いつきました


「前輪ふやせばいいじゃん」と

それを最初に聞いたケン・ティレルは困惑


翌年プロトタイプ車両を見せられた記者たちも困惑

しかしデビューした1976年のティレルP34は空力の効果は大したことなかったものの、車輪が増えたことでブレーキが良くなり躍進


個性的すぎる見た目も受けて大人気になりました
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が、翌1977年、フルカウルを作ったら重量増で逆効果


グッドイヤーが「こんな変なタイヤ作ってられねえ」と露骨に嫌な顔
更にこれだけやりたい放題させてもらったガードナーが離脱

などが重なり、この年で姿を消すことにその後「タイヤは4つ」とルールに記載され、6輪車は伝説となりました

※P34へのあてつけのルール改正ではなくタイヤ4つ以上つけてくる馬鹿(褒め言葉)がいる発想はなかったから書いてなかった


でもいたから書くことにした、という感じです

60:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:47:55.799 ID:6REZWxOK0.net


■ダブルディフューザー

2009年のレギュでディフューザーは


「リアホイール中心線より後方に長さ350mm×幅1000mm×高さ175mm」
となっていました

が、この「リアホイール中心線より後方」ってどこよ?の規定に若干曖昧な部分がありました

その穴を突いて、ディフューザーの上にもう一段「同じ機能を果たす何か」を作り大きなダウンフォースを生みました

撤退前年のホンダは気づいていましたが車ができた頃には撤退が決定し、車とチームはブラウンGPに譲渡


翌年ブラウンGPはその車で参戦1年目で優勝しました

他チームから違法なのでは?と糾弾されましたが、FIAに合法と判断されこの年のトレンドになりました

規定の穴だったので、翌年塞がれました



61:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:48:27.350 ID:6REZWxOK0.net


■ブロウンディフューザー

排気は高温高速なので、ディフューザーに吹き付けて機能を促進しようというもの

80~90年代にも試されはしたものの、スロットルのオンオフによってダウンフォースが変わってしまうのを嫌って、永らくお蔵入りしていました

これを復活させたのが2010年のレッドブルRB6


ECUのマッピングをいじって、スロットルオフの時でも燃料を消費して排気ししかも点火タイミングをずらしてトルクは掛からないようにするというもの
まさにコンピュータ技術の進歩のたまもの

しかし燃料の無駄遣いであることや、開発にコストがかかることなどからいろいろ揉めた後、排気口の位置やエンジンマッピングが規定されて使えない技術になりました



62:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:49:20.376 ID:6REZWxOK0.net


■コアンダエキゾースト

水道の蛇口から流れる水流にスプーンの背を当てると流れが曲がります


これをコアンダ効果と言います

これに着目して、排気口の位置や形は決められてしまったけど排気口後ろのボディ形状に排気を沿わせてディフューザーに導くというもの

ジェームズ・キーが2012年のザウバーC31がこれを採用し、他車も追従


その年のトレンドとなりました
小林可夢偉選手が鈴鹿で3位になった車がこれです

その後、排気を空力に使うこと自体が禁止されました



64:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:50:36.729 ID:uPDge/EH0.net


>>62
これは知らんかった

68:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 11:06:22.962 ID:6REZWxOK0.net


>>64
ブロウンディフューザーのときは排気口の配置が自由だったので排気口の位置や形状を規定することでこれを禁止したわけですが

排気口をボディ脇に固定されたまま、見えない排気がの噴流を魔法のように曲げてディフューザーへ導くことが出来た時にはキー氏も脳汁出まくったことだろうと思います



63:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:50:27.017 ID:6REZWxOK0.net


■Fダクト

リアウィングを直線でだけ無効化するための工夫

ウィングはダウンフォースを生むから、直線では抵抗(抗力)になる


ならば、ダウンフォースを生めなくすれば、抗力が減って速くなる、という理屈

ノーズあたりから取り入れた空気を、シャークフィン


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を通して、リアウィングの片面に吹き付け、意図的に翼をストールさせる

コクピットの壁に穴が開いていて、これをドライバーが膝で塞ぐと空気はシャークフィンを通らず、適当なところから排出される、という仕組み

2010年のマクラーレンMP4-25に搭載され他チームから違法なのでは?と糾弾されましたが、FIAに合法と判断されこの年のトレンドになりました

ドライバーの意図で動作する空力デバイスは基本的に許さぬ、ということで翌年から禁止になりました

そのかわり、先述のDRSが解禁になりました



65:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:53:07.527 ID:6REZWxOK0.net


ごめんなさい
>>63のFダクト、間違ってました訂正します

■Fダクト

リアウィングを直線でだけ無効化するための工夫

ウィングはダウンフォースを生むから、直線では抵抗(抗力)になる


ならば、ダウンフォースを生めなくすれば、抗力が減って速くなる、という理屈

ノーズあたりから取り入れた空気を、シャークフィン


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を通して、リアウィングの片面に吹き付け、意図的に翼をストールさせます

コクピットの壁に穴が開いていて、これをドライバーが膝で塞ぐと空気はシャークフィンに向かって機能オン


塞いでいないと適当なところから排出され機能オフ、という仕組み

2010年のマクラーレンMP4-25に搭載され他チームから違法なのでは?と糾弾されましたが、FIAに合法と判断されこの年のトレンドになりました

ドライバーの意図で動作する空力デバイスは基本的に許さぬ、ということで翌年から禁止になりました

そのかわり、先述のDRSが解禁になりました



66:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 10:54:28.684 ID:6REZWxOK0.net


■ダブルDRS

リアウィングが無効化されて速くなるDRSですがフロントもやりたいじゃない、バランスもいいし、ということでFダクトのようなことをフロントウィングでやろうという装置です

メルセデスだけがやって情報を開示していないので憶測では

その1


ノーズの先端から空気を取り入れ、ウィングの三ヶ所に吹き付ける
直進時は三ヶ所とも機能してウィングはストールする
旋回時はノーズに空気が斜めに当たるため、いい感じにストールしない、のではないか

その2


DRSでリアウィングが動いた時に、翼端板に穴が現れ空気が吸い込まれ長いパイプを通ってフロントウィングまで運ばれ、吹き付けてストールさせる、のではないか

と言われています

他チームから違法なのでは?と糾弾されましたが、FIAに合法と判断されこの年のトレンドになり…

…ませんでした。複雑すぎるので真似るの大変だし、効果も怪しいので

2013年にDRS連動デバイスは禁止となったのでなくなりました



67:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 11:00:08.671 ID:6REZWxOK0.net


以上で書き溜めぶん投下おわりです
最初にも書きましたが、F1やモタスポに少しでも興味を持ってもらえれば幸いです
BSかCSがないとテレビ観戦出来ないのが残念なんですがね…

あとは適当に思いついたら書き足していきます


質問あったら聞いてください

69:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 11:13:20.259 ID:6REZWxOK0.net


■F1の熱効率

難しい言葉ですが、わかりやすく言うと燃料が本来持ってるエネルギーをどれくらい速度や距離に変換できたか率です

V8・2.4L・NAのF1では29%くらいで、この頃は燃料は140kg、流量も140kg/hでした


これがV6・1.6L・ターボになり、燃料は100kg、流量も100kg/hに制限されはしたもののパワーユニットの開発と、燃料自体の開発によってパワーや速さはほぼ維持され熱効率は40%に達しています

市販車の熱効率がだいたい30%、エコに全振りしたユニットでも40%くらいって考えるとあの速さで40%ってのはなかなかすごい数値だと思います



86:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[sage]:2016/03/01(火) 12:08:21.948 ID:B2RWhuGxK.net


>>69
市販の乗用車とそれほど燃費は変わらないってこと?
70年代のF1のデザインはおもしろくてイイね

永久保存版のスレですな



100:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 13:20:40.884 ID:6REZWxOK0.net


>>86
ちょっと違います
熱効率ってのは投入したエネルギーがどれくらい実際の仕事に変換できたかって意味です

たとえばエンジンはガソリンを爆発させて運動に変換してるけど


熱量のほとんどは放出して捨ててしまってたりするわけで、的な

燃費は圧倒的に市販車です。F1はリッター2.5km程度


でもちょっといじったFDとかリッター3kmくらいになることを考えると
かなり良くなってきてはいます

74:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[age]:2016/03/01(火) 11:37:59.972 ID:8jPUUHtR0.net


燃費良くなった訳じゃないのか
燃費補給のタイミングとかの駆け引きも好きだったんだかなあ…

75:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 11:41:25.159 ID:6REZWxOK0.net


>>74
燃費自体は格段に良くなっているよ

給油時代は燃費が悪いから給油していたというより一度に多くの燃料を積むと重くなるから、みたいな理由だと思う


シューマッハが軽いタンクで4ストップして大勝利!とかあったね

70:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 11:24:16.485 ID:6REZWxOK0.net


■シートとベルトとHANS

ベルトは6点式でがっちりシートに固定されています


シートも選手の体にぴったりフィットするようにかたどって作られています

急な選手交代や資金不足で、稀に他人のシートに座ることがあります


しかし体型が合わないと、加速・減速・旋回のGが大きいので、すごく痛いそうです

事故で壁などに衝突して急停止すると、速度にもよりますが衝撃は20Gを超えます


体はシートに固定されているので良いですが、問題は首です
もげないまでも、重度のムチ打ちや頚椎骨折の危険が危ないです

そこでHANSという装置をつけています


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図の4の部分にシートベルトを掛けてシートに固定し、2から3をストラップで繋いで首が前に持っていかれるのを防いでいます

これはドライバーの怪我を防ぐのにとても役立っておりF1以外の多くのカテゴリーで採用されています



79:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[age]:2016/03/01(火) 11:48:35.650 ID:8jPUUHtR0.net


>>76
後輪のデカさも凄いような気がするのは俺だけか

82:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 11:57:45.590 ID:6REZWxOK0.net


>>79
当時は後輪でかいですよ
接地面積を大きくしてトラクションを稼ぐのがセオリーでした

84:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[age]:2016/03/01(火) 12:04:24.581 ID:8jPUUHtR0.net


>>82
こんなデカかったのか
久々にF1見てみようかなあ…今年は何か変わったりしたものあるの?

97:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 13:08:54.141 ID:6REZWxOK0.net


>>84
来年車の大きさとか結構かわるので今年はあんまり

・排気音アップ対策


・ウェイストゲートパイプ追加
・トラックリミテッド
・予選方式ちょい変更

くらいです


トラックリミテッドってのは、要はむやみにレーンチェンジして鬼ブロックしないっていう感じの規定です

予選については>>49も見てください



81:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 11:56:22.193 ID:6REZWxOK0.net


■ラジエーターの位置

今のF1ではラジエーターはサイドポッドにあるのが当たり前ですが昔は試行錯誤されたこともありました

ブラバムBT34ではフロントウィングの左右にあります


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当時は今ほど大きな空力を得られなかったのでフロントのグリップを稼ぐために、重さ稼ぎで置いたりすることもありました

ちなみに車がピットに入って止まるとラジエーターに風が当たらなくなって冷却出来なくなるので、送風機を使います

転機の怪しい日には、ピットレーンで滑ったりしないように送風機を使って乾かすなんて甲斐甲斐しいこともしたりします


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106:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 14:05:19.774 ID:IYy5Sqdca.net


終わりか?

111:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 15:11:22.430 ID:6REZWxOK0.net


>>106

■みんな大好きタキ井上

炎上しちゃったマシンを自分で消化しようと頑張ってたら救助に来たオフィシャルカーに跳ねられちゃったでお馴染みの井上隆智穂選手

FIA公式の「思い出ベスト30」にも選ばれたこの珍事の他にも跳ねられたことがあります

1995年のモナコでフリー走行中、車がエンコして、レッカーに牽引されてたところ猛スピードで走ってきたオフィシャルカーに追突されました

これを見てゲラゲラ笑い転げてたのがミハエル・シューマッハ


オフィシャルカーを運転していたのは、FF乗らせたら天下一のジャン・ラニョッティ先生

112:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 15:26:09.286 ID:6REZWxOK0.net


■ステアリング

ボタンだらけでお馴染みのステアリング(画像はザウバーのもの)


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他にボタンつけるところがないので仕方ないのですがボタンが多いのが好きなドライバーとそうでないドライバーがいます

大好きな人の代表はシューマッハ


逆にハミルトンはあまり好きではないそうです

走りに関するものでは、エンジンのマッピング、燃調、レブリミット、デフの効き具合、ブレーキバランス、MGU-Kの出力、などを調整するつまみがあります

また、モーターのオンオフ、DRSのオンオフを切り替える、ギアをニュートラルに入れる


無線を使う、ドリンクを飲むボタンなんてのもあり、こんなことになっちゃいます

ドリンクは吸ってる余裕ないので、ボタンを押すと自動で口の中に送られてきます


佐藤琢磨選手がスーパーアグリのマシンに乗っていた時、この機能が壊れてドリンクが止まらなくなってしまったことがありました

最初は頑張って飲んだけど、無理なので後はダバダバこぼしたそうです



114:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[age]:2016/03/01(火) 15:41:25.037 ID:8jPUUHtR0.net


>>112
これは凄いな…めちゃくちゃ忙しそうだ

116:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 15:55:28.381 ID:6REZWxOK0.net


>>114
しかも250km/hで走りながら

■2017年はこうなる、はず

まだ今年も始まってないのに来年の話をするのもあれですが2017年から、今より低く、広く、タイヤも幅広になり速くなります

F1で走りに前向きな変更なんて。なんか変な感じがしますね!


レーシングカーだから当たり前なのに

デザインコンセプトが発表されています


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フロントウィングとサイドポッドに後退角がつきます


ウィングは後退翼の方が効果が上がり、サイドポッドも穴の面積が広がります

リアウィングは低くなり、代わりに幅が広く位置が後方に移動します


ディフューザーも大型化され、ダウンフォースが増えます
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理由は純粋に速くするためで、今よりラップを5秒くらい縮めるのが目標


ちょっとワクワクします

118:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[age]:2016/03/01(火) 16:01:47.629 ID:8jPUUHtR0.net


>>116
一枚目格好いいなおい

120:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 16:12:18.294 ID:6REZWxOK0.net


>>118
ね!
毎年「これカッコ悪いなあ…でもモナコあたりには慣れちゃうんだろうな…」
って話ばかりだったので、ワクワクが止まりません

113:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 15:37:23.981 ID:6REZWxOK0.net


■ギアボックス(トランスミッション)

現在のギアボックスは、セミオートマ8速+後退1速です


実際に8速フルに使って走っているわけではありません

毎回ギアを差し替えているとお金かかるので、ひとつのギアボックスで全戦戦います


速いサーキット、遅いサーキットに対応するため8段変速となりました

変速はステアリングに付いてるスイッチぽんで簡単です


変速にかかる時間は20ミリ秒くらいです

Hゲートがちゃがちゃは確かに楽しいですが速さにも安全性にもまったく関係ないのでなくなりました

停止状態から発進するときにはクラッチ操作があります


クラッチはペダルでなく、ハンドルの裏のパドルで、2つついています

両方を完全に引くとクラッチが切れます


まず片方をミートする位置まで戻します(まだ切れてる)
次にもう片方を離すと、いきなり半クラになりトラクションがかかったら両方離す、というふうに使います

122:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[sage]:2016/03/01(火) 16:26:24.271 ID:4VeppuM6d.net


>>113
へぇ発進だけ操作特別なんだな
だから発進ミスっちゃう人とかいるのかなぁ

放送だとエンジンのせいにしてるけど



119:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 16:10:05.341 ID:6REZWxOK0.net


■エンジンスターター

以前はスターターを搭載していなかったのでエンジンが止まったら即リタイアでした

なので一定の回転数以下になるとギアがニュートラルになる装置がありビビってアクセル踏めないとうまく発進出来ませんでした


が、ハイブリッド化したので、ついでにスターターも搭載されました


これは即リタイアしないためだけではありません

スターターがなく、外から棒を突っ込んでエンジンを始動していた頃この棒を差し込む穴すら、空力パーツとして利用しようとするチームがありそれを阻止する意味もあります



123:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[sage]:2016/03/01(火) 16:29:10.851 ID:4VeppuM6d.net


あリロってなかった今は自動なのか?

125:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 16:39:53.780 ID:6REZWxOK0.net


>>123
今はシンプルに、ドライバーの腕と足次第ですよ

以前、ローンチコントロールが横行してたときはメカニックのエンジンマッピング設定次第なところがありました

タイヤ状況と、スターティンググリッドのラバーの乗り具合を読んでベストな回転数をプログラム出来るかどうかの職人芸でした

たとえば右回りサーキットなら、奇数番目(右側列)の方が車が通るのでラバーが多い、つまりグリップも高いから…


みたいな

124:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 16:35:13.467 ID:6REZWxOK0.net


■タイヤ

昔ながらのファンには、タイヤメーカー同士の開発競争が懐かしいかもしれませんが


その後、ブリヂストンの一社提供になり、そのブリも撤退してしまいました

で、今はどうしているかというと、ピレリにお願いしてお金払って作ってもらっています


タイヤの強度やスペックはFIAと競技して決めています
使用ルールはややこしいのですが

・まずピレリが、5段階の中から3種類えらんでレースに持ち込む


・その3種をドライバーが好きに選んで13セット作る
・13セットのうち一番柔らかいものは、予選Q3もしくはレース専用
・13セットのうち2セットをピレリが決勝用に指定し、うち1セットは必ず決勝で使わなければならない
・決勝では、最低2種類のタイヤを使わなければならない

となっています


ああややこしい

126:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[age]:2016/03/01(火) 16:46:26.376 ID:hfxZfpCs0.net


13セットのタイヤは完全に好きなように選べるの?
なんか制限ある?

127:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 16:58:31.888 ID:6REZWxOK0.net


>>126
好きに選んでいいですが、うち2セットはピレリが選ぶしQ3用のは一番柔らかいのに決まってるので、実質10セットを選びます

また選んだタイヤで


フリー走行1・2・3
予選
決勝
を走らなければならないし、使い終わったタイヤはピレリに返却になります
あと、Q3に進出した場合、決勝はQ2でタイム出したのと同じタイヤでスタートするというルールになっています

ややこしいですが、大雑把に言えば


柔・中・硬の3種類のうち、柔は予選スペシャル
決勝は中と硬の二種類で、大抵、中・中・硬で走る、と思っておけばOKです

129:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 17:07:32.492 ID:FrdcwWx7M.net


タイヤがピレリに変わった直後ってタイヤマネジメント能力がかなり問われる
というか問われ過ぎるって印象だったんだけど、今はどうなの?

130:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 17:15:28.909 ID:6REZWxOK0.net


>>129
ピレリになる前、ブリヂストンの末期はタイヤ性能が良すぎて、なんならオプション(柔らかい方)でも走りきれちゃうと言われるほどタイヤのトラブルがおきませんでした

が、ピレリになる段階のFIAはレース中のトラブルを多くしてレースを面白くしたい病にかかっていたので意図的に脆くライフの短いタイヤになるように注文してました

で、初年はピレリもFIAも途中で「やりすぎちった、てへ」と言うほど弱くてなのでタイヤをいたわる走りが重要で、ラフに使っているとバーストしたりもしましたが年々改善されてて強くなり、今はほぼ大丈夫な感じですね



131:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 17:20:53.290 ID:6REZWxOK0.net


■Sダクト

フロントノーズ上面にある穴の話です


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フロントノーズって角度に差はあれど下向きに曲がっているのでノーズにそって流れる空気が剥離してドラッグになることがあります

これをなんとかするために、ノーズ下から少し空気を拝借してノーズの中を通して上面に吹き出し剥離を防ぐための装置です


S字に空気を流すのでSダクト

今年のメルセデスのSダクトは革新的と言われて、ちょっと注目されています



132:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 17:37:11.100 ID:6REZWxOK0.net


■ボディの変遷を60秒でまとめ


133:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 17:50:19.647 ID:6REZWxOK0.net


■ロータス88

ロータス78でウィングカーを成功させたチャップマンですが、その後スランプに陥ります


安定しない空力にボディが上下に揺さぶられて、サスペンションが仕事できなくなってきたためです

そこで考えたのが、空力を生んでるサイドポンツーン等をモノコックから切り離してバネで繋ぐ、でした


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ダウンフォースがしっかり発生しているときは、モノコックを押して荷重が増す


発生してないときはふわふわしてるだけ、というもの
しかも、クラッシュしてもパーツが分かれてるのでそこだけ壊れてくれる優れもの

しかし「空力装置は決して動いてはならぬ」に抵触するとして、出走できませんでした


「これは空力装置じゃないもん!ボディそのものだもん!」と言いはりましたが、駄目でした

それにしてもかわいい、ほのぼのした見た目


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135:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 18:01:17.892 ID:6REZWxOK0.net


■今宮さんのブログ

フジのF1中継だと、現場リポーターとして川井ちゃんこと川井一仁さんと今宮さんこと今宮純さんが登場します

今宮さんは興奮すると言葉少なで、初見殺しなところがありますが落ち着いて書いているブログはなかなかおもしろいです


一見の価値あり
http://www.f1world.jp/

136:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 18:07:44.472 ID:XwEP7fst0.net


MP4/4時代のおっさんなんで、今のF1は分からんので興味なかったが、また興味湧いたわ
ありがとう

138:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 18:17:35.033 ID:6REZWxOK0.net


>>136
マルボロの皮を被ったブラバムBT55だね
ゴードン・マレーは今、TVRで新車作ってるそうなので楽しみ

137:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 18:12:39.801 ID:6REZWxOK0.net


■コクピット保護

フォーミュラはオープンコクピットなのでいくらサイドウォールを高くしても、ドライバーは無防備です

F1では、マリア・デ・ビロタ選手やジュール・ビアンキ選手の事故死


一歩手前で助かったマッサ選手の事故などがあり
インディでもジャスティン・ウィルソン選手が亡くなったのを受けコクピットの保護が必要だ、という論が盛り上がってます

キャノピー付ける説は何度も持ち上がっては消えていますが現在検討されてるのはハローと呼ばれるもの


メルセデスによるデザインコンセプトがこれ
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見た目はともかく、命にかかわるものなので近いうちに導入されるかもしれません



139:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[age]:2016/03/01(火) 18:18:36.714 ID:c08wmPes0.net


だいぶフォーミュラカーっぽいのになったな
キャノピー案の時はもうLMP1でいいじゃねえかよって思ったけど

152:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 19:25:18.106 ID:lG10CLXs0.net


>>149
完全にビジョングランツーリスモなんだな

140:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 18:33:32.176 ID:6REZWxOK0.net


■ホイール径

来年から大きくなりますが、永らくF1のホイールは13インチでした(写真左)


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市販車だと、ホイールは大きく、タイヤは薄くパツパツなのがかっこいいという風潮があるので、13インチというのは驚きの小ささかもしれません


ホンダの軽のN-BOXのホイールでさえ14インチですから

つまり13インチってのはタイヤメーカーにとっても特殊でわざわざ作り続けるメリットもないので、大きくしたいわけです

で、来年の車両ワイド化に伴い、タイヤも大きくなり、ホイール径も上がるわけですが大きくすれば良いというものでもないようです


そもそもタイヤは斜めに歪むことによってグリップしている面もあるので

現在のテストでは、ホイール径が大きくなることでピーキーになりグリップ感が失われると報告されたりしています

来年はタイヤとホイールにも注目です



142:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 18:45:24.740 ID:6REZWxOK0.net


■タイヤ交換

フェラーリが5秒くらいでタイヤ交換して送り出す様を古舘伊知郎が「フェラーリマジック」と呼んでいたのもはるか昔

現在のタイヤ交換最速タイムは2.05秒です

市販車のホイールは4~5本のナットで取り付けられていますがF1は素早く付け外し出来るように、1本だけです


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ナットはホイールガンと呼ばれる機械でギュルギュルっと回しますがその時間も惜しいので、ネジ山が3本くらいしかなかったりします

交換するクルーはタイヤ1本につき3人います


ただのメカマンではなく、食事やフィットネスなども管理されたアスリートです(言い過ぎ)
彼らのたゆまぬ努力のおかげで、世界一のタイヤ交換が出来るのです(言い過ぎ)

144:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 19:02:26.751 ID:6REZWxOK0.net


>>18>>19の間です

■ステップドボトム


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フラットボトム規制でもまだ足りないので、床面を縦に三分割して両サイドの高さを少し上げることでフラットよりさらにダウンフォースを削ることを検討していたところ1994年のアイルトン・セナの死亡事故があり、前倒しで導入することが急遽決まりました

しかしチームはそんなにすぐに対応できないので「床板に1cm厚の木の板貼り付けるので勘弁して」と提案し94年はこれで乗り切りました

翌1995年、予定通り5cmのステップと、昨年の木の板も残して、都合6cmの段差が床下に生まれました


これがステップドボトムと呼ばれるもので、現在も踏襲しています

木の板を残した理由は、ダウンフォースを稼ぐためこっそり車高を下げたとしてもレース後にこの板をチェックして、削れてたら失格にすればいいよね、というものです

現在は木ではなく、合成樹脂を使っています



145:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 19:10:38.633 ID:6REZWxOK0.net


規制が緩かった頃、べったべたに車高を下げていたので床板を擦るのなんて当たり前でした

が、走るたびに床板が削れてたらすぐ壊れちゃうので擦りそうなところにチタン合金製のブロックをつけていました


これが地面に擦ると派手な火花が散っていました
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今でこそ「火花散らそうぜ!かっこいいから!」なんて言ってるFIAですが当時は「下品な花火はやめろ」と焼結金属製に変更させたりしていました

やれやれです(個人的には火花好きです)



148:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[age]:2016/03/01(火) 19:20:52.153 ID:0ame9MhV0.net


帰ってきたらまだあった

決勝レース2で逆回りとかやったら面白いのにね


スパ逆回りとか胸熱

153:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 19:33:48.740 ID:6REZWxOK0.net


>>148
やめてください死んでしまいます>スパ逆周り

それはさておき、逆周りは想定してないサーキットも多いようで順周りを基準にランオフエリアを作っているので、リスキーなレースになりそうです

また時計回りサーキットが多いので、反時計回りは苦手なドライバーも結構います


ブラジルのインテルラゴスは反時計回りですがブラジル出身のマッサんは、インテルラゴスはあんまり得意じゃないとか

現在はカレンダー落ちした韓国霊岩サーキットはオープン当初ピットの出口がメインストレートエンドのコーナー途中にあり危険でした


これは、設計時とはなぜか逆周りにしてしまったため説がありました

161:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 20:10:01.853 ID:6REZWxOK0.net


■ブレーキ・バイ・ワイヤ

アクセルと同じく、ブレーキも油圧で直結ではなくなりました


MGU-K(エネルギー回生)との兼ね合いからです

もともとブレーキの聞き具合だけなら半端無かったF1ですがブレーキシステムそのものは古典的というか、普通の車とそう変わりませんでした

ブレーキは、ホイールの中でディスクを擦って運動エネルギーを熱に変えて止める装置です


ほぼリニアに減速していくので、あとは踏み具合で効きを調整できました

が、MGU-Kが働くようになり状況が変わりました


電力への回生量は速度によって変わってしまうので、リニアに減速するのが難しくなりました
この問題は完全モーター駆動のフォーミュラeでも起こっていました

で、それを解決するためのブレーキ・バイ・ワイヤです


MGU-Kがどれくらい回生しているかを計算して、ドライバーの意図どおりに減速できるように調整してブレーキが作動します

たった1年でこれをやってしまうって、結構凄いと思います



163:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 20:30:54.125 ID:6REZWxOK0.net


■F1はスタートが苦手

ルイス・ハミルトン vs ケン・ブロック


ゼロ発進が苦手です

というのもまずトルクがあんまり太くありません


そこらの大型セダンやラリーカーの方がずっと大きいです
V6ターボになって多少上がったようですがそれに低速時はダウンフォースが小さいのでトラクションが良くありません

そのかわり、ダウンフォースの効く100km/hあたりからの加速は抜群です


0-100km/hより100-200km/hの方がずっと速いです

165:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 20:43:09.786 ID:6REZWxOK0.net


■フロント・トルク・トランスファー

1999年のベネトンB199が装備していたシステム


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コーナーで減速すると、外側に荷重がかかっているためフロントの内側の車輪がロックしやすくなります

ロックしてしまうとそのタイヤは舵力を失い、ドアンダーになってしまいます


そこで両輪をデフで繋ぎ、外側のタイヤの転がりを、内側に伝えてロックを防ぐシステムです

もともとアウディが4WDのクワトロをFRに改造してDTM選手権に出た時フロントデフを外さずそのままにしていたところ、たまたまそういう効果を発揮したといううっかりできちゃった発明のひとつ、なんだそうです

重くなるし、それほど活躍するわけでもないのですぐに使わなくなりました


後に、佐藤琢磨選手が表彰台に乗ったBAR006にも搭載されました

久々にフィジケラを見て思い出しました



150:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 19:23:36.697 ID:W91BexRKa.net


昔のスレ見たよ
またお前かwwwww

155:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 19:35:33.354 ID:6REZWxOK0.net


>>150
また俺ですありがとう
2年も空いたし、書きなおしてみたくなりました、急に

151:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 19:23:50.906 ID:qVX6xJdv0.net


俺のF1は94年のサンマリノで止まってる…

157:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 19:41:08.266 ID:ZM9RQpryd.net


このスレ初めて見たけどやっぱ面白いねえ
自分は90年代しか見てなくて最近のは全然知らない
80年代以前のは本読みまくったんである程度知ってる
ここは車の話だけだけどレーサーの話も変人だらけで面白いよね

158:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]:2016/03/01(火) 19:51:06.262 ID:6REZWxOK0.net


>>157
ベルガー伝説とか、書き出したら止まらなくなりそう

1001:音速の情報通名無し:2016/01/01(金) 00:00:00 ID:f1jouhoutwo