最近何度か、著作権的に問題のあるXiami(虾米)という音楽配信サービスの記事を書いて、それがアリババ(阿里巴巴)が買収したサービスであると紹介しました。その記事がGigazineの「巨大市場中国を完全制覇するアリババの多彩なサービスをまとめるとこうなる」という記事からリンクされていました。ちょうど、こういう記事を書こうと思っていたので、先越されちゃったと思ったのですが、いろいろなアリババが"出資している"サービスの中で、自分が一番強調したいと思っていたサービスが、画像に映り込んではいるものの、全く紹介されていなかったので、補足したいと思います。これを知っていたら、以前の記事の印象も変わっていたと思います。
そのサービスとは、「Youku」という有名な動画共有サイトです。アリババがYoukuに対する出資を公表したのは先月末なので、ほんとうに最近の出来事です。
Gigazineの記事では、タクシー配車サービスや地図サービス、クラウドストレージ、教育などのアプリが紹介されているのですが、日本に住む日本人が使うことはまるでなく、なぜそんなサービスばかり紹介するのだろう、と思いました。
アリババ本業のECと、中国版Twitterとして知名度が高いWeiboも紹介されています。なのになぜ、日本人も目にしたことがあり、使ったことがある可能性の高いYoukuに触れないのだろうか、と。
Gigazineと言えば、海外の記事から画像と内容を引っ張ってくる翻訳サイト的・記事紹介サイト的な側面が強く、このGigazineの記事も「All the Western companies you’d have to combine to get something like Alibaba - Quartz」が元ネタになっています。
なので、「海外ではYoukuの知名度が低く、扱いが弱かったのが、Gigazineに引き継がれたのかな?」と思い、その元ネタの記事を見てみました。
その元ネタの記事では、まず最初にアリババ本業のEC(Alibaba.com、Taobao、Tmall.comなど)を紹介していました。
しかしなんと、そのすぐ次の節で、画像付きで、Youkuが「China's largest video streaming site, Youku」として大きく紹介されていました(ECの説明には画像が無かった)。
なので、Gigazineがあえて載せなかった感があります。何らかの記事の趣旨に沿わなかったのかな、と思いました。
そこで「趣旨に沿わなかった」の例として、Gigazineの記事タイトルで「アリババの多彩なサービス」、「アリババグループが傘下に抱える強力なサービス群」と書いてあるので、16.5%の出資じゃダメで、買収している判定くらいないとだめなのかなと思いました。ちょうどXiamiは買収されており、サイトの下にはばっちりアリババ(阿里巴巴)と書かれていますが、Youkuのトップページのフッタ部分に阿里巴巴の文字はありませんし。
そこで、Gigazineの記事に大きく紹介されている「Weibo(中国版Twitterとして有名)」について調べてみたのですが、アリババが取得したWeiboの株式は18%だそうで、30%までは合意の上で引き上げる可能性がある、という程度のようでした。
このあたりまで調べてどうして紹介しなかったのかのお話は終わり。とりあえず、あまり知られていないほかのサービスを紹介したかったのかな、と思っておくことにします(Weiboも有名だと思うけど)。ほんとうによく分からなかったので。
もう一つ、Youkuにアリババが出資している、というところを見ると気になるのが、今後、Youkuの著作権意識が高まることもあるのかな、という点です。
やはり買収したわけではない、ということで、他の買収済みのサービスや本業のECサービスとは比重が違うのでしょうが、アリババのECサービスAlibaba.comの現在の対策を見ると、今後Youkuにも知的財産権対策強化が及ぶのではないかと。
アリババは2014年4月、根源からニセモノを途絶するため、国家の関連部門と提携して知的財産権への保護を強化した。
アリババの発表したデータによると、2012年だけでも権利侵害の商品情報を9400万件取り締まり、罰金を科された会員が90万人以上だった。 (引用元)
買収されているXiamiも、今後そういった動きがありそうです。