昇進が決まった時は、新しい責任に対する大いなる興奮と恐怖が同時に襲ってきます。自分にはそれだけの資質があると思っていて、他の人もあなたの資質を信じてくれたのだとわかっていても、実際に昇進した後は、新しい立場で成功するために変えなければならないものを見極めなければなりません。
昇進しても、そのポジションで活躍できるかわからないという不安が残っていると思います。それに打ち克つには、次にやるべきこと、人を感動させることが何なのかを知り、そこに全力を注ぎましょう。
もっと仕事をすれば、もっと人を幸せにできるとだけ考えているのであれば、すぐに失敗したり、燃え尽きたり、最悪の場合そのどちらも経験することになるかもしれません。私は、世界中のクライアントにコーチングやトレーニングの仕事をする中で、昇進した後で成功するためには、平均ではなく並外れた戦略が必要だということがわかりました。
今回は、昇進後に成功するチャンスを広げる、一見逆なのではないかと思う3つの真実をお教えしましょう。
簡単な算数です。あることにより多くの時間をかけるなら、他のことにかける時間は減らさなければなりません。昇進に伴ってやることを決めたら、今度やらないことも決めなければならない、ということです。報告書や提案書を書くのではなく、書かれたものを確認するだけというように、自分の責任でやる仕事の量を減らすという意味です。アシスタントが返信できるような内容のものであれば、代わりに何通かのメールには返信してもらうという意味です。
やらないことを明確にした方がいい理由はいくつもあります。
最初は、新しい仕事の方がうまくできないかもしれません。しかし、前職で慣れ親しんだ仕事に甘んじるのではなく、勇気を出して新しいスキルを身につけようと努力すればすばらしい機会になります。
あなたの能力や頑張り、可能性が認められたからこそ、昇進したのです。自分のできることに全力を尽くしましょう。
昇進した時に必ず問題になるのは、もっと他人に頼らなければならなくなることです。社内の自分の部下やチームメンバーに、自分の仕事の責任の一端を担ってもらうことになるので、仕事をするとより高いレベルの戦略や管理能力を身につけることができます。
また、会社以外の人やシステムに、もっと頼ることになります。家の掃除、ベビーシッター、料理などを、業者や誰か他の人に頼めば、仕事以外の時間に充電する余裕が生まれます。また、時間管理やあらゆるものとのコミュニケーションをさらに上のレベルに引き上げてくれるような、メンターやコーチを見つけるのもいいでしょう。
以前と同じ自分では、新しい仕事をこなすことはできません。以前やっていたことをやらなくなるのは当然です。しかし、次のレベルに到達するよう努力して、スキルを身に付けなければ、そのポジションでの成功はありません。
組織の中での立場が上がれば上がるほど、基本的なことがより大事になります。睡眠時間を削るようなことはせず、むしろ増やさなければいけないくらいです。優先順位を守ることが大切です。睡眠時間が足りないと、感情のコントロールや意思決定能力、生産性が著しく悪化します。昇進した上のレベルでは、これらに妥協を許す余地はありません。
運動する時間も削るのではなく増やしましょう。すでに体型を維持しているのであれば、そのための運動スケジュールをこれまで通り守り続けるだけです。定期的な運動は、健康や情緒、エネルギーレベルを向上させます。
家族や友だちと過ごす、リラックスする時間も確保しましょう。仕事でストレスがあっても、そのような時間があれば回復することができます。仕事よりもプライベートの時間の方が多いくらいの感覚でいましょう。
昇進した後も、このような考え方と意識で臨めば、仕事は成功しプライベートも充実させることができます。
3 Counterintuitive Things You Should Do After You Get a Promotion|Fast Company
Elizabeth Grace Saunders(原文/訳:的野裕子)
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