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職場で自分を偽るのは有害:研究結果
Inc.:あなたがダンサーや詩人でもないかぎり、仕事へ行く目的は、お金や達成感を得ることであり、「本当の自分」を表現することではないでしょう。デロイト社の研究によると、私たちの4人のうち3人が、職場に合わせるために、いくらか自分を隠しているのだそうです。
職場で自分を偽ることは、よくあることだし、理解できることでもあります。顧客も同僚も、あなたの本当の姿がどうであれ、あなたが適度に社交的で、誠実で、協力的であることを期待しています。しかし、職場で仮面をかぶることがいくらありふれたことだとしても、それが有害でないわけではない、と『New York Magazine』のScience of Usブログの中で、メリッサ・ダール氏が書いています。
フリをすることは身体的にも有害である
自分の本性を偽り、不自然な振る舞いを続けていれば、意欲が低下することは予想がつくことです。しかし、ダール氏によると、ケンブリッジ大学の研究で、フリをすることは身体的にも有害であることがわかったそうです。
イギリスのあるマーケティング企業で、300人の社員を対象に、性格、満足度、業績を分析した結果、「自然に振る舞うことを抑制されると、健康に悪影響があること、とくに、免疫システムの機能が低下することがわかったそうです。また、そうした状況に置かれると心拍数が高まり、筋肉も緊張します。これは、ストレスや不安の生理的な表現といえます」とダール氏はレポートしています。
外向的な人のほうが深刻
近年、内向的な人の評価も向上してきましたが(スーザン・ケイン氏のような著名人のおかげ)、研究によると、職場で本来の性質を抑制することを強いられたとき、最も悪影響を受けるのは外向的な人たちなのだそうです。簡単に言えば、デスクで静かに座って、誰ともコミュニケーションをとらないでいることは、生来ののおしゃべり好きにとっては、マイルドな拷問みたいなものなのです。
「外向的な人が職場で内向的な人のフリをするのは、内向的な人が外向的なフリをするよりも、ずっとつらいことです。生まれつき話し好きで、社交的な人が、長時間、デスクで静かにして、孤独でいることを強いられると、社交的に振る舞える仕事に就いている人に比べて、仕事の満足度が下がり、ストレスも多くなります」とダール氏は書いています。「この傾向はとくに若い社員たちの間で顕著です」
もし、フリをしなくてはならないなら...
これらの研究結果は、学問的には興味深いことですが、職場で、自分の本当の性格とは違う振る舞いを強いられている人にとって、あまり役に立つものではありません。とはいえ、科学者たちも、ひとつの常識的なアドバイスを提案しています。「一日のうちで、ときどきは、仮面を脱げる時間を確保すること」
「自分に回復の時間を与えることが重要です。本当の自分でいられる時間です」とダール氏。あなたが外向的な人で、午前中、職場で孤独で無言な時間を過ごしたのなら、ランチタイムには友人たちを誘って社交的な時間を持つようにしてください。「そうした回復時間を持たなければ、自分の本来の姿が、予期せぬ形で『漏れ出す』危険があります」とダール氏は警告しています。
あなたはどうですか? 職場で自分の本当の姿を隠していますか?
The High Cost of Hiding Your Personality at Work|Inc.
Jessica Stillman(訳:伊藤貴之)
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