遊びのイノベーション。
今やアップルの一員ともなったBeatsのヘッドフォンを作ったひとりで、世界で最も成功したヒップホッププロデューサー「ドクター・ドレー」。そのドレーが見出し、世界で有名なヒップホップMCのひとりとなったのが、「スヌープ・ドッグ」です。
なぜギズモード・ジャパンがスヌープを取り上げてるのか...?と言うと、彼もまたドレー同様に音楽とは違ったクリエイティブな一面があるイノベーターだったからなのです。
スヌープって音楽以外の分野で創作活動してるって知ってました? 僕は最近知ったばかりなんですけど、今話題になりつつある電子タバコっていう道具をプロデュースしたり、読んだあとに紙を巻いてたばこを吸えるリリック本を作ったりしているんです。本の紙でたばこを巻くなんて考えたことすらなかった。
なんだか趣味の世界じゃん…と思う人いるかもしれませんが、「SXSW 2015」(サウスバイ・サウスウェスト)のキーノート・スピーカーを努めたり、投資家としてユーザー投稿サイトの「Reddit」やサンフランシスコのコーヒーチェーン「Philz Coffee」にも投資するなど、遊びもビジネスも真剣なんです。音楽家の創造力とスタートアップ並みの行動力、そして「遊びゴコロ」で、誰もが思いつかない人生の楽しみ方を形にしてしまうスヌープは、まさに「遊びのイノベーター」。
そんなスヌープは、次に何を見ているのでしょうか? 例えば、もしウェブサービスの世界に参入したらどうなるのか?
ギズモード・ジャパンは忙しい彼に独占で質問する機会を頂きました。ウェブやテクノロジーの世界をどう見ているのか、スヌープらしさ全開で答えてくれましたよ。
スヌープ・ドッグ:インスタグラムは好きだ。他にはMeerkatやDash Radioも。ソーシャルメディアとITの世界が可能にしてくれる中で好きな面はある。
反面、見向きもしないものもある。自分にとって楽しいものだけやる。それが自分にとっても気持ちがいいんだ。例えばインスタグラムにアップする写真やビデオは、自分がいいと思ったら、見た人もいい気分になってもらえるかもしれない。
落ちこんでいる日に、俺のページを見て笑えるかもしれない、泣けるかもしれない、微笑むかもしれない。その時々の感情を、たったの数秒、またはたった1枚の写真から誰かと共有することができるんだ。
もし俺が新しいデジタル・ツールをひとつ作れるとしたら、どんな女性にいつでもどんな時にも近づけて、好きなときに消えることができるアプリがあったらいいね。
「ベイビー、すぐ戻るよ」(シュッと消える音)「彼はどこへ行ったの!?」
(フワッ 現れる音)スヌープはロンドンへ瞬間移動、英国女王に向かって
「他に行くところがあって、これからモロッコへ行くんです」(フワッ 消える音)
「え、でもまだ話が終わってないのに・・・」といった具合にね(笑)。
これぞまさに遊び方のイノベーション!
最近のものだとインスタグラムがお気に入りみたいですね。Meerkatなんかも使って配信してるんでしょうか。新しいデジタルツールも使いこなしていそうなので、もしかしたらスヌープが手がけるウェブサービスやアプリなんかも将来は出てくるかも。
今回スヌープに質問する機会を頂いたのは、新作アルバム「BUSH」が今週リリースされたから。昨年「Happy」のミュージックビデオが大ヒットしたファレル・ウィリアムズが全曲のプロデュースを手がけているんです。
「BUSH」収録曲 Snoop Dogg - California Roll ft. Stevie Wonder, Pharrell Williams
アルバムアートワークもこれまでのスヌープの作品とはちがってポップになりました。「Happy」がお気に入りな方はファレルが手がけるこの「BUSH」も気に入るかもしれませんよ。
ところで、いろんな分野で活躍しているスヌープにもう一つ聴いてみました。いろんなことしてるけどどうやって自分のやりたいことを見つけているのか、時代の最先端にいるために心がけていることは?
スヌープ・ドッグ:楽しいかどうかに尽きる。
(やって)楽しくなければ意味がない。まず第一に、金のことは考えない。どれだけ楽しいかが決めるポイントだ。もし楽しそうならやる。で、楽しそうでさらに儲かったら尚更やるよな。
おぉ、結構感覚派なんですね。Don't think, feel。
印象的なのは「楽しいものだけやる」という言葉。彼が新作「BUSH」で全曲のプロデュースをファレルに委ねたように、これまでにやったことのない大胆なことも、感じたまま、恐れずに突き進む勢いが新しいものを生み出す上では大きな力になるのかもしれません。
彼が次に何を企んでいるのか、たのしみです。
アーティスト:
スヌープ・ドッグ(Snoop Dogg)新アルバム:
「BUSH」レーベル:
Sony Musicリリース日:
2015年5月20日、
Amazon詳細情報は
こちらからどうぞ。
(鈴木康太、鴻上洋平)