“表面認証”ができるシート型ビーコン「PaperBeacon」を開発--帝人とセルクロス

 帝人とセルクロスは5月25日、タグキャストと共同開発した世界初のシート型ビーコン「PaperBeacon(ペーパービーコン)」を6月1日より販売すると発表した。

 ペーパービーコンは、帝人とセルクロスが開発した二次元通信シート「セルフォーム」とタグキャストのビーコン技術「TAGCAST」を組み合わせたシート型ビーコン。3次元空間に伝搬するビーコンの信号を2次元の「面」で伝搬することができ、省電力型の近距離通信「Bluetooth LE」を利用して、交通系カードなどのNFC(近距離無線通信)のように使えるのが特徴だ。

「ペーパービーコン」の仕組み

 また、NFCのような「点」範囲の通信とは異なり、「面」で通信する「表面認証」という新たな技術の確立に成功した。従来のビーコンでは困難だった、大人数が集まる空間におけるテーブルやイスの限定的な位置特定を実現。たとえば会議場所において、テーブルごとに閲覧可能な資料を制限するといった使い方が可能だという。

 さらに、飲食店の各テーブルに敷設し、スマートフォンのアプリから直接厨房に注文。同時に決済を完了させるといった使い方も想定している。


 ペーパービーコンは、設計と製造を帝人とセルクロスが、販売と運用、保守をタグキャストが行い、初年度の出荷枚数として1万枚を目指すとしている。