スマートホームの立役者になれるんでしょうか。
日本時間29日午前1時半から開催されるGoogle I/O 2015。ギズモードもソワソワしながら、開始時刻を待っています。そこで話題にのぼること間違いなしなのがIoTやスマートホーム。なかでもスマートホーム向けのOS、「Google Brillo」に注目が集まっています。なぜかアメリカの食器洗いたわしと同じ名前がゆえにツッコミ入りまくり。もちろんアンディ・ウォーホルの作品ともまったくの無関係ですよ。
Google Brilloに注目を集まる理由は2つ。まず何といっても、グーグルがIoTを諦めてなかったんだ!ということ。今後の数年間で、Brilloを実装した家電デバイスが次々と生まれてゆくのかも。2つ目の理由はNestと距離を置くかもしれないということ。グーグルは昨年1月にNest(ホームオートメーション機器の開発に携わるスタートアップ企業)を買収しましたが、雲行きはかなり怪しかったようです。というのもNestの火災報知機はバグが多く、まともに機能しなかったんです。グーグルのエンジニアBrad Fitzpatrickは、そんなデバイス達を次々と天井から剥がしとり、クーラーボックスに放り込んでしまいます。そんなビデオがこちら。映像のブレにも彼の怒りが表れていますね。怖すぎる。
さてBrilloに話を戻します。実はこれ、ちょっと前からグーグルの内部プロジェクトとして進行中だったようです。オープンソースプロジェクトChromiumでバグを検索すると、2月にはすでにBrilloが登場してました。
その後、The InformationにおいてBrilloの具体的な内容が明らかになります。Brilloがとっても軽量でメモリもそんなに必要なく、だからこそスマートホームデバイス(鍵や冷蔵庫、空調などなど)にうってつけ。スマートホーム向けのデバイスはパソコンやスマホに比べてメモリが少ないため、Brilloは64MBもしくは32MBに対応していく予定なんだとか。
ちなみにこのBrilloは、Androidとして世に出るかもしれないのです。
GoogleはAndroidの下でBrilloを発表する可能性があります。なぜならソフトウェアを開発しているチームがAndroidのチームと繋がっているためです。新しいソフトウェアの実装に必要なメモリ条件は、少なくとも512MBのデバイスを対象とする最新のAndroidに比べて極端に小さくなっています。
ソフトウェアはAndroidをベースとしながら、ハードウェアを作るメーカーにBrilloを無料で提供するつもりのようです。スマートホームにおけるソフトウェア市場を乗っ取りたいという思惑がぼんやりと見えますね。
Brilloが普及し、Androidデバイスがスマートホームをコントロールする未来のおうちはどうなるのでしょうか? Chromebookを媒介としたガジェットのエコシステムが存在し、Brilloがガジェット間やサーバーとの通信をつかさどる…。そんな家が当たり前になる日が来るんでしょうか。願わくはBoston Dynamicsの犬型ロボットSpotも飼いたいな。せっかくグーグルが買収したことだし。
Annalee Newitz - Gizmodo US[原文]
(Haruka Mukai)