主要国の銀行が加盟するバーゼル銀行監督委員会が8日に公表した金利上昇リスクを抑える新規制案を受けて、国内金融機関は今後、自己資本の積み増しや保有する国債の売却などの対応を迫られる可能性が出てきた。
新規制案は、銀行が保有する長期国債や住宅ローン債権について、金利が上昇した場合の損失リスクをより厳しく見積もる内容だ。
今回は意見が集約できなかったため、一律的な資本積み増し案が留保されたが、2016年にもまとまる最終案で、金利上昇に応じて資本を積み増す欧州主導の「共通ルール案」が採用されれば「大量の国債を保有する邦銀のマイナス影響は大きい」(大手銀行)という。
昨年末時点の日本国債の発行残高1023兆円のうち、邦銀の保有残高は122兆円と全体の11・9%を占める。3メガバンクは既に新規制導入を見据えて国債の削減を進めているが、最大手の三菱UFJフィナンシャル・グループは35兆円を抱える。