発見遺体は不明の男子生徒 愛知・刈谷の集団暴行:朝日新聞デジタル

 愛知県刈谷市の逢妻(あいづま)川で、男子生徒が集団暴行を受けた後、行方不明になっていた事件で、愛知県警は9日、現場から約350メートル下流の川の中から同県立知立高校1年、吉田達哉さん(15)=同市一ツ木町1丁目=の遺体を発見したと発表した。県警は、司法解剖して死因を調べる。

 県警によると、9日午後4時15分ごろ、近くにいた男性が遺体のようなものを見つけて通報。警察官が逢妻川にかかる刈谷境橋から北約20メートル付近の同市逢妻町で水中に浮かんでいる吉田さんの遺体を発見した。目立った外傷はなく、行方不明時と同じ長袖シャツ、赤いズボンなどを身につけた状態だった。

 この事件では、県警が7日に中学3年(14)と会社員(15)、私立高校1年(16)の少年3人を暴力行為等処罰法違反(集団暴行)の疑いで逮捕している。3人は6日午後10時40分ごろ、同市逢妻町3丁目の逢妻川の堤防上で、吉田さんの腹を蹴るなど集団で暴行を加えた疑いがある。

 吉田さんは交際相手がいたが、6日に名古屋市内で開かれた祭りで別の女性に声をかけたとして少年らとトラブルになっていた。祭りに一緒に行った中学生から少年2人が様子を聞き、吉田さんを呼び出して暴行したという。

 その際、吉田さんは3人から「対岸まで泳いで戻ってきたら許してやる」と命じられ、自らズボンのベルトを外し、靴を脱いで川に入ったとみられる。少年の一部が「服は脱がなくていい」という趣旨の発言をしたため、着衣のまま入ったという。

 関係者によると、吉田さんは泳げなかった。川に入った後、吉田さんは途中まで行ったところで「もう無理だ」と言い残し、姿が見えなくなったという。

 吉田さんは5月にも、逮捕された少年らと女性関係をめぐってトラブルになっていたといい、県警は暴行事件に発展した経緯についても慎重に捜査している。