マゼラン宇宙船によって創られた金星の表面の高解像度な地形図。
遥か遠い宇宙に存在する惑星ヴィーナスの話。そう、地球外ニュースですよ。なんと金星に着陸できれば、それはそれは壮大な火山噴火の目撃者になれるのだそうです。ただ着陸後、生き残ることができれば、の話なのだとか。ちなみに金星では、物凄い圧力と高温によって人間なんてぐっしゃり、そしてこんがりに…きゃー!
さて金星って、じつは地球のように活火山が発見されている惑星なんですって。この仮説、長い間存在しているのですが、最近なんと新たな証拠がGeophysical Research Lettersというアメリカの地球物理学専門ジャーナル誌によって発表されました。
ヴィーナス・エクスプレスという宇宙船が監視カメラで金星をモニタリング。熱画像データを調べるなか、金星の地表上で度々温度がスパイクする箇所が7つ発見されました。このスパイク、数百度という高温。しかも200平方キロメートルの範囲に渡っているとのことで。研究に取り組む地質学者のチームによると、アクティブな溶岩流だと解釈されているそうですよ。
「火星には、活火山が存在するのだと今回、強力な証拠を示すことができた」
James W. Head氏はプレスリリースにて発表。
「これは惑星の進化を理解するうえで大きな発見だ」
さて話は戻って、金星で起きている不思議な動きについて。Ganiki Chasma(ガニキ谷)という金星にある(まるで怪獣の産卵場のような)大地溝帯では異常な温度が確認されているそうです。80年代、90年代にソ連のベネラとアメリカのマゼランにマッピングされたChasma(谷)。ここでは地殻プレート、伸縮したり離れたりするほか液化、減圧、また温度上昇で新たなマントルが引き起こされたりする領域なのだといいます。
先ほどのHead氏によると、どうやらGaniki Chasma(ガニキ谷)はそこそこ最近の火山活動によるもので、それが昨日なのか何億年前なのかは不明なのだとか。「ヴィーナス・エクスプレスによって検知されたこのアクティブな異常は、継続的な動きを示唆します」とのこと。
最新のデータによると、数千年前、数百万年前にはどこにでも溶岩流があったことが2010年には赤外線による分析で明らかに。またその2年後には、科学者たちによる調査によって火山噴火の生成物として二酸化硫黄が火星の空の上に噴煙していたことがわかりました。
余談ながらこういう発表ができる瞬間って研究者にとって最高に嬉しいですよね、きっと! この太陽系のなかで火山活動は珍しく、人類の知る限りでは地球と惑星イオのみに起きています。
ただおそらく、アクティブな気候系で複雑な地表面をしている金星もそのひとつとされるかもしれないのだから、今後の金星のニュースに注目したいですね〜。
Maddie Stone - GIZMODO US[原文]
(Rina Fukazu)