呉美保監督の最新作「きみはいい子」が6月27日、全国33スクリーンで公開され、主演の高良健吾と尾野真千子をはじめ、共演の高橋和也、喜多道枝、子役の加部亜門くん、三宅希空ちゃん、呉監督は、東京・テアトル新宿で舞台挨拶に立った。
【フォトギャラリー】高良健吾、尾野真千子らが登壇した舞台挨拶の様子はこちら
第37回モスクワ国際映画祭(現地時間6月19~26日開催)のコンペティション部門に出品され、NETPAC賞(最優秀アジア映画賞)を受賞したことが26日に発表されたばかり。現地入りしていた呉監督は、「初日の舞台挨拶があるので閉会式には出席できず、帰国してから連絡を受けました。すごく良かった」と安堵の面持ちを浮かべた。
この吉報に、高良は「言葉も生まれ育った環境も違う人たちの心に響いて、評価してもらったことが嬉しい」と喜びをかみ締めた。一方の尾野も「昨日は美容室で髪をなんだかんだしていて、報告のメールを受けました。思わずガッツポーズしてしまい、他のお客さんに迷惑をかけてしまった」と豪快に笑っていた。
中脇初枝氏の坪田譲治文学賞受賞作をを映画化した今作は、決断力に欠ける新米小学校教師、親に暴力を振るわれていたトラウマで娘にも手をあげてしまう母親、認知症の初期症状が出始めた独居老人が、日々の生活の中で苦悩しながらもささやかな幸せを見いだし、新たな一歩を踏み出していく姿を描いている。
6月7日に行われたプレミア試写会では、両親へハグすることを高良に"宿題"として課した尾野。高良は「実はまだ会えていなくて、今日会うのでやっておきます!」と弁解したが、5月29日に第一子となる男児を出産したばかりの呉監督とは舞台上で熱烈なハグを交わしていた。これには、尾野も満足げな表情で見入っていた。