新機能,新APIなどを加えたGoogle Play Services 7.5

先回のGoogle I/O Developer Conferenceで,Googleは,Google Play Service 7.5のロールアウトを発表した。Smart Lock for Passwords と Instance ID,Google Cloud Messaging,Google Castなどの新機能を提供するとともに,Android Wearデバイス上でGoogle Maps APIをサポートする。

Smart Lock for Passwords

Smart Lock for Passwordsは,保存された資格情報の取得と再利用のための保存を可能にすることでログインプロセスを合理化する,CredentialsApi APIとUIを新たに追加する,ChromeのPassword Managerの進化版だ。詳細については,InfoQの他の記事を参照してほしい。

Instance IDによる識別と認証

Instance IDは,アプリケーションインスンタンス識別のための固有なIDを提供するクラウドサービスだ。“どのアプリケーションインスタンスが要求を送信しているか”などの判別が,これによって可能になる。サードパーティアプリによる“サーバ上の管理リソースへのアクセス”の認証に使用する,セキュリティトークン生成に用いることもできる。

Google Cloud Messaging

新機能であるInstance IDは,アプリユーザあるいはデバイスからサーバへの情報送信サービスであるGoogle Cloud Messagingに完全に統合されている。さらに,メッセージを適切な読者に配信するための手段として,アプリがひとつないし複数のトピックを購読することのできるAPIも新たに提供している。そして最後に,サーバに新たな情報がある場合に,アプリがデータ同期を簡単に行えるGcmNetworkManagerが新たに追加された。GcmNetworkManagerは,“ネットワーク接続,デバイス充電,ネットワークの再試行,バックオフを待機”するような一般的な動作を扱うことにより,ネットワーク処理のバックグラウンドスケジューリングを最適化する。

Google Cast

デバイスからTVセットやスピーカへ,コンテントキャスティングを行うGoogleのソリューションであるGoogle Castでは,新たなRemote Display APIを通じて,ディスプレイのミラーリングが簡単にできるようになった。さらにRemoteMediaPlayerも改良され,メディアキューの追加によってシームレスなメディアプレイバックが可能になった。

Google MapsとGoogle Fit

前述のとおり,Maps APIがAndroid Wearデバイスで使用可能になった。

フィットネスアプリ開発用のGoogleのソリューションであるGoogle Fitでは,RecordingApiを使った“推定走行距離と消費カロリーデータの収集”が可能になった。

Google Play Servicesは,システムレベルの権限を持ち,アップグレード可能なバックグラウンドサービスとAPIである。InfoQで以前レポートしたようにGoogleは,基盤となるAndroidバージョンをアップデートを待たずして,“このコンセプトの下で発表の翌日にも新機能をロールアウトするかも知れない”。このサービスはすべてGoogleのコントロール下にあって,OEMが変更を加えることはできないので,ソフトウェアのフラグメンテーションという問題を緩和する上でも重要な役割を果たす。