【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)ユーロ圏19カ国は27日、ギリシャへの金融支援をめぐり緊急の財務相会合を開き、現行支援を延長せず、6月末で終了させることを決めた。支援継続の道を断たれたギリシャはデフォルト(債務不履行)に陥る可能性が濃厚となった。

 ギリシャを除く18カ国は声明で「ユーロ圏の金融の安定を確保するため、必要なあらゆる措置を取る」と表明。ギリシャのデフォルトに備え、危機対策の具体化に入った。

 このまま双方に歩み寄りが見られなければ、ギリシャのユーロ圏離脱も現実味を増しそうだ。

 ギリシャのチプラス首相は同日未明、EUなど債権団の要求受け入れの是非を問う国民投票の実施を表明し、投票までの支援延長を要請する意向を示したが、ユーロ圏は受け入れなかった。同国は30日に15億ユーロの国際通貨基金(IMF)への債務返済を控えているが、極めて厳しい状況だ。

 記者会見した財務相会合のデイセルブルム議長(オランダ財務相)は、ギリシャが26日夜に一方的に交渉を打ち切ったことを明らかにした上で、「残念だが、支援は30日で終了せざるを得ない」と述べた。