ついにWTC(ワールド・トレード・センター)跡地のデザインがWIREDの記事で明らかになりました。あれ…、たしか数年前にデザインが決まって今は建設中だった気がしたのですが…。
というのも遡ること10年前の2005年、イギリスの建築家であるロード・ノーマン卿が2ワールド・トレード・センターの構想を担当。ダイアモンドの形をした4つの巨大な天窓が特徴のデザインが提案されていました。
実際、タワープロジェクトは開始され、土台の建設作業まで着々と進んでいました。ところがこの88階建てビル構想はテナントが集まらず苦戦することになるのです。
そこに現れた救世主が、ルパート・マードック氏。彼は今年4月には21世紀フォックス社とニューズ・コーポレーションに対して移転の交渉を仕掛けていたとニューヨーク・タイムズ紙が報じています。そんなやり手のマードック氏がフォスター卿が手掛けたデザインへの変更をするかもしれないと噂されていました。
そしてのちに、フォスター卿はこのプロジェクトを降ろされ、その代わりとして採用されたのは、デンマーク人の若手建築家ビャルケ・インゲルス氏。彼のデザインした完成見取り図では、段差で連なる屋外テラスと滑らかなガラスが特徴的に描かれています。
では、フォスター卿のデザインはどこが良くなかったのでしょうか?
ワイアードのアンドリュー・ライス氏によると、「ニューズコーポレーションのようなモダンなメディア企業の雰囲気に合わない」とマードック氏の息子ジェームズが言ったのが引き金のようです。
それに賛同したのが新たに建築家として採用されたインゲルス氏。自分のちょうど半分の年齢にあたるインゲルス氏によって脇に追いやられてしまったフォスター卿と、業界では若手の成功者になったインゲルス氏。…うーん、人生って何が起きるかわからないものですね。
高層ビルの建設は特に、工事が始まった段階であっても、政治や経済に影響を受けやすく、過去には建設中にデザインが変わったなんて話題もありました。
今回のデザイン、詳細についてはWIREDのストーリーでお楽しみください。最終デザインがビルとして完成するのが待ち遠しいですね〜。
Kelsey Campbell-Dollaghan – GIZMODO US [原文]
(Rina Fukazu)