映画の撮影セットなんかじゃありませんよ。
いま話題のVR(バーチャル・リアリティ)ヘッドセット。米軍の兵士のコスチュームでみんなで使ってみましたって、これは新手のゲームのCM撮影かなにかかな?
いえいえ、実はVRヘッドセットを装着しているのは、れっきとしたアメリカ陸軍第35工兵旅団の兵士たちなのです! つまり、これは米軍が新たに導入した本格的な訓練の一環で、正式には「Dismounted Soldier Training System」というネーミングのフルセットになっていますよ。
ミズーリ州の州兵として、VRヘッドセットで訓練をうける兵士。目の前に広がっているのは、建物から建物へと警戒パトロールにあたりつつ、掃討作戦を展開するトレーニングプログラムのようです。
VRヘッドセットをつけた兵士の一挙手一投足まで正確にトラッキングされる、ハイレベルなシステムに仕上がっているとのことですね。
どのようなセットのVRプログラムを用意するかに注力するだけで、市街戦から辺境の砂漠地域での戦闘にいたるまで、実に幅広いシーンに対応可能。
こうしてミズーリ州の訓練基地を一歩も出ることなくバーチャルにトレーニングを完結できるメリットが、いま米軍関係者のあいだで高く評価されはじめているんだとか。
マイクで司令官や仲間の兵士と連携も取りつつ、かなり本格的な実戦トレーニングを積めるようになってもいるそうです。そういえば、以前から米軍はゲームをフル活用した兵士の訓練を進めていましたね。
これからはVRの活用が浸透していくのでしょうか。そのうち、開発された高度なプログラムが、一般ユーザー向けにもゲームの形で提供されて、VR業界の盛り上がりに貢献するという展開になっていくのかもしれませんよ…。
Images by U.S. Army photo by Pfc. Samantha J. Whitehead
source: Missouri National Guard via Engadget
Jamie Condliffe - Gizmodo US[原文]
(湯木進悟)