アメリカではTVを解約して動画ストリーミング1本に切り替える家庭が増えてて、「cord-cutting(コード切断、ケーブル解約)」なんて新語になってます。それを先導するのがネットフリックス。
そのネットフリックスがついに米TV業界に長年君臨してきたABC、CBS、NBCの3大ネットワークとFoxを抜くことが最新のアナリスト予想で明らかになりました。ニールセンのTV視聴率調査をベースに考えると、2016年には視聴数で大手4局を抜いちゃうらしいんです。
発表したのはウォール街の調査会社、FBR Capital Markets。最初に報じたVarietyは記事の冒頭のところで、ニールセンの調査には制約もあるので飽くまでも予想だからね、と断ってますけどね。
ニールセンのTV視聴率調査が対象にするのは、ビデオ・オン・デマンド(VOD)とDVR(録画機器)の最大7日間の視聴数であって、各テレビ局が最近増えてると主張するオンラインの動画視聴は対象ではない。さらに、各テレビ局は試合生中継など多種多様なコンテンツを配信しているが、ネットフリックスにはそれがない。
まあ、しかし! これで「ネットフリックスもTVネットワークに仲間入りだね」という言葉がぐんと説得性を増したことは事実です。仲間どころか抜いちゃう。それも他局みたいな米国内だけじゃなく世界規模で伸びてるんだから、伸び代あります。
それに多種多様なコンテンツと言いますけど、訳者がこないだ観たネットフリックスのオリジナル製作ドラマ「センス 8」なんてのはものすごくエッジーで、既存TV局では絶対作れない作品だなって思いました。同性愛のそのシーンが多くて私のようなヘテロは最初身構えるんだけど(見慣れてない)、なんとなくどの役者も目が離せなくて、ダメなところ早送りしながらなんとなく続きを見ちゃうんですよね。で、12話見終える頃にはなんの抵抗もなく、いいものはいい、愛し合うことはいいことだと思えるようになってるっていうマジック。ウォシャウスキー姉弟の映像がとーーにかくクールで、いやもう、これ観た後じゃほかのドラマなんか観れないっす。同性愛と言えばゲイ・プライドを前に金曜(6月26日)は米国最高裁が同性婚に合憲判決を下すという歴史的な1日になって、全国津々浦々お祭りムードですね、良かった良かった。
DVD宅配から始まった動画ストリーミング企業ネットフリックスは、今や北米大陸のインターネットトラフィックの3分の1以上を夜な夜な食う第5権力となりました(昼に視聴する人もいるんだろうけど、なにしろ夕方からのダウンロードがすさまじく、Sandvineの最新統計によると37%はネットフリックス)。赤の巨人が世界制覇する日は思ったより早くきそうだ。
source: Variety
Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文]
(satomi)