ギリシャの公営テレビ出演に臨むチプラス首相=29日、アテネ(AP=共同)
共同通信社

 【アテネ共同】ギリシャのチプラス首相は29日夜、同国の公営テレビに出演し、30日が期限の国際通貨基金(IMF)への債務返済は事実上不可能との認識を示した。期限までに欧州連合(EU)側が同国向け支援の条件として求めている財政再建策で合意するのは困難な見通しとなったため。同国がデフォルト(債務不履行)に陥る懸念が増した。今後の情勢次第では退陣する可能性も示唆した。

 EU側によるギリシャ支援の期限を翌日に控えた29日夜、アテネ市中心部の広場は1万人規模の人々で埋め尽くされた。EU側の財政再建案への賛否を問う7月5日の国民投票で「ノー」を投じようと声を上げた。