米Appleは6月30日(現地時間)、日本を含む100カ国以上で新しい音楽サービス「Apple Music」を開始した。日本での個人メンバーシップは980円/月、ファミリー共有を使って最大6人と共有できるファミリーメンバーシップは1,480円/月となっている。最初の3カ月は無料で試用可能。対応デバイスはiPhone、iPad、Mac、Windows PCなどで、同社は30日にApple MusicをサポートするiOS 8.4をリリースし、まもなくiTunes 12.2の提供を開始する。今秋にはAndroidアプリも登場する。
Apple Musicは、豊富な音楽ライブラリから自由に音楽を楽しめる音楽ストリーミングサービスを中心とした定額制の音楽サービスだ。米国で提供しているサービスのApple Musicライブラリは3,000万曲を超え、日本でも数百万曲を楽しめる。
たくさんの曲を自由に聴けるのが定額制音楽ストリーミングサービスの大きなメリットだが、既存のサービスでは膨大な音楽ライブラリに戸惑うユーザーが少なくない。ユーザーが知っている曲だけを再生するのではなく、膨大なライブラリを活かして、ユーザーがこれまでに聴いたことのない曲からも、ユーザーそれぞれの好みや気分にマッチする音楽、状況に応じた音楽を効率的に見つけられるサービスになってこそ、定額制音楽ストリーミングサービスのメリットが引き出される。Apple Musicでは、「For You」というパーソナライズしたおすすめにアルゴリズムを利用するだけではなく、音楽のエキスパートの手によるプレイリストやアルバムのおすすめを組み合わせている。最新の音楽を紹介する「New」もAppleの音楽専門エディターが編集するなど、たくさんの音楽を聴いてきた人、実際に音楽を聴いた人が、その感動を伝えるようなおすすめを重んじたサービスになっている。
Apple Musicのもう1つのストリーミングサービスがラジオだ。トップDJによる音楽セレクション、インタビューなどを提供するグローバル規模のラジオステーション「Beats 1」をApple Music内に開局。ほかにもAppleのエディターが吟味したラジオステーションや、ユーザーが好きなアーティストやジャンルから作成したステーションなどを楽しめる。
また「Connect」というアーティストと音楽ファンを結ぶサービスも用意されている。アーティストは写真やビデオ、詩、音楽、メッセージなどを発信し、ユーザーはフォローしたアーティストやキュレーターの投稿にコメントを付けられる。
(Yoichi Yamashita)