「テストでは最初の直感を信じるのが一番!」なんて話をよく聞きますが、『不確かな自分の案内書』(Handbook of the Uncertain Self )という本によると、この説は心理学的には完全に否定されているらしい。
・直感を無視して回答を変えたほうが逆に良い
本書にいわく、「最初の直感にしたがったほうが、本当にテストの成績は良くなるのだろうか? 膨大な量の科学的なデータによれば、直感にしたがわずに回答を変えたほうが逆に良い結果が出ることを示している」とのこと。
・直感を信じないほうが成績はよくなる
なんでも、古くは1948年の実験(英文)から1990年台の実験(英文)まで、70年にわたって大量の実験が行われてまして、いずれも「直感を信じないほうが成績はよくなるよ!」って結論だったとか。
・とりあえず回答は変えたほうがいい
なかには50%も成績があがったケースもあったようで、答えに自信がなかったら、とりあえず回答は変えたほうがいいみたい。
・直感を信じたくなっちゃう心理的
まぁ、要するに「しっかり考えたほうが成績は上がるよ!」っていう当たり前の話なんですが、それでもヒトには直感を信じたくなっちゃう心理的な傾向があるらしい。
・第一感の誤信
そのへんに関しておもしろいのが2005年の論文(英文PDF)で、この現象を「第一感の誤信」と呼んでおります。そもそも、ヒトは得することより損することに対してより恐怖を感じやすい生き物でして、たとえば、
「必ず1万円をもらえる」
「1/2の確率で2万円をもらえる」
の2パターンだと「必ず1万円をもらえる」を選ぶ人のほうが断然多いんですね。1円ももらえない(損)よりも、確実な1万円(得)のほうが魅力的に映るわけです。
・テストの答え選びにもいえる
経済学の世界では「損失回避」と呼ばれる現象ですけども、これはテストの答え選びにも当てはまっちゃう。たとえば、
「AからBに答えを変えたら間違っていた」
「AからBに答えを変えたら正解だった」
上記の2パターンを経験した場合、「AからBに答えを変えたら間違っていた」ほうがより強く記憶に残りやすく、答えを変えて正解した体験はすぐに忘れてしまうんですな。「自分が外に出ると必ず雨が降るな…」みたいな思い込みと似たようなもんですかね。
というわけで、 選択式の答えに迷ったら、よく考え直して回答を変えたほうた吉。これはテスト以外にも言えそうな話ですね。
https://youtu.be/5YfQsjjIm3Y執筆: Yu Suzuki http://yuchrszk.blogspot.jp
もっと詳しく読む: バズプラスニュース Buzz+ http://buzz-plus.com/article/2015/07/02/test/
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