1963年から、ABS樹脂を使って子供から大人までが楽しめるブロック商品を作ってきたデンマークのレゴ社。これまで様々な形のレゴブロックがその素材で作られてきたのはたくさんの利点があったからです。
でもABS樹脂にはサステナビリティ/持続可能性には問題がありました。そのためレゴ社は代替素材を見つけるために、百億円規模の資金を費やそうとしています。
レゴ社は1億5000万ドル(約183億円)をABS樹脂の代用となる素材の研究開発に投じます。目標は2030年までに実際に使える代用素材を見つけること。それだけの大金に、期限も15年先なので難しい話に聞こえないかも。
でも実際にレゴに使われるABS樹脂の膨大な量を考えるとその難しさがわかるかもしれません。レゴ社のABS樹脂使用量は昨年だけで7万7000メトリックトン。これで600億個のレゴパーツを作っています。長年続いてきたレゴ社と石油会社シェルとの提携が昨年解消されたことも関係あるかもしれませんね。
もし実用的なオイルに変わるプラスチックの代替素材を見つけることができれば、それはオモチャ産業だけにとどまらない様々な分野にも革新をもたらすものになります。これまでも長年、学者たちはバイオプラスチックなど代用素材を探し求めています。
でも、そこに今まで欠けていたのが「将来レゴで遊べなくなるのはいや!」という子供の(もしくは胸に秘めた子供心の)泣きじゃくる声だったのかもしれません。これをモチベーションに、ABS樹脂の代わりを見つけてくれることに期待しましょう。
source: Chemical and Engineering News
Chris Mills - Gizmodo US[原文]
(abcxyz)