アメリカ最高裁の同性婚判決の盛り上がりはすごかったですね。日本でもFacebookのプロフィール写真を虹色に変える人がたくさんいましたが、少しずつ落ち着いてきた感じがします。
そんな中、前から問題があると批判されてきた、FacebookのLGBTユーザーに対する扱いに注目がまた集まっています。
Facebookは実名を登録しないといけないというポリシーを持っています。しかしこれによってLGBTユーザー、特にドラッグクイーンの人たちが暴力や嫌がらせの危険に合っていると指摘されているんですね。このFacebookの実名ポリシーには、ネイティブ・アメリカンの人やDV被害者からも反対の意見が出ています。
で、先日この件に関して初めてマーク・ザッカーバーグが答えたということで話題になっているんです。
バズフィード・ニュースのレポーターであるアレックス・カントロウィッツ氏が質疑応答の場でこの名前に関するFacebookのポリシーについて質問したところ、ザッカーバーグ氏は「ポリシーがちゃんと理解されていないために混乱が起きている」と言ったそうです。ここに彼の説明を引用します。
実名というのは法律上の本名というわけではないんです。皆さんの友人があなたを呼ぶのに普段使っている名前が実名です。もしあなたの友達みんながあなたをニックネームで呼んでいて、Facebookでもニックネームを使いたいのであればあなたはそれを使えるべきです。そうすることで、トランスジェンダーの人たちも含めて全員が実名を使えるようになるべきです。皆さんが自分の実名をFacebookに示すためのより良い方法をさらに開発しているのですが、それはこの名前に関するポリシーを守り、皆さんを守るためです。そして同時にトランスジェンダーのコミュニティにも利用してもらうために。
えーっと……じゃあニックネームは実名ってこと? Facebookに実名を「示す」ことができないといけないってどういうことですかね……?
どうも混乱したのは私だけではないようで、Facebookの社員自らがブログでこの問題について発言しています。こちらがそのFacebook社員Zip Catさんの記事です。
Facebookがサンフランシスコのプライドパレードをスポンサーして、パレードにも参加して虹色の旗を振りかざし、みんなのプロフィール画像を虹色に変えている一方でこんな単純な問題を直せないのは馬鹿にしている。Facebookはもっとできるはず。
そうかもしれません。実際に、このような観点からFacebookがサンフランシスコのプライドパレードをスポンサーすることに反対をしていた団体もいくつかあったようです。そしてFacebookを批判する彼らの言葉はすごくクリアーです。
この実名ポリシーはすごく直接的にLGBTQの人々、特にトランスジェンダーやクイアーに害を与えています。日常的な差別の中にあって、彼らはFacebookのようなソーシャルメディアを使って社会の中に助けを求めたり、コミュニティを形成したり、本当の自分を表現したりしているのです。
それでもFacebookはこれがまだ問題ではない素振りを続けるようです。また別の機会で実名ポリシーについて尋ねられたときにスポークスパーソンは言ったのは、
Facebookは多様性とLGBTQコミュニティへのサポートへの取り組みに誇りを持っています。
でした。ちなみに去年Facebookが雇った黒人の数はたったの7人なんですよね……うーん多様性って何だろう。
批判が高まっているわけですが、この件に関してFacebookに質問を送っています。回答が返ってくるまで、注意して待ってみたいと思います。大企業が市民の権利を大々的にサポートしているように見せかけているからって、本当に権利を信じているとは限らないですよね。
Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文]
(塚本 紺)