米“同性婚合法化”で史上最大規模のパレードに! 韓国ゲイ&レズビアンの祭典「クィア文化祝祭」現地レポ | ニコニコニュース

ネット上で論争となった、女性性器型のマドレーヌとうちわ
日刊サイゾー

 全米で同性婚が事実上合法化されることになり、世界中で話題になっている。オバマ米大統領をはじめ、多くのセレブやLGBTコミュニティは祝福や喜びのコメントを発信、SNS上はLGBTの尊厳を象徴する虹色であふれている。ちょうど韓国では、6月9日から3週にわたって「第16回クィア文化祝祭(Korea Queer Festival)」が行われており、同性婚容認のニュースが流れてから2日後の28日は、祝祭の目玉となるパレードの日だった。LGBTはもちろん、一般市民も多数参加し、パレードは史上最大規模を記録した。

 開催前、教会関連の団体などから猛烈な反対を受けた経緯もあり(記事参照)、パレード当日は約5,000人の警察官が配置され、警備に当たった。案の定、現場にはキリスト教関連の22団体が集まり、“同性愛反対”を唱えながら署名運動を展開。パレードを追いかけながら、「同性愛こそ、エイズの原因である」と訴えていた。

 特に注目を集めたのは、彼らが行った祝祭反対集会。太鼓踊りやバレエで集会を盛り上げようとしたところ、バレエの選曲は、よりによってゲイで知られるロシアの作曲家ピョートル・チャイコフスキーの「くるみ割り人形」だったというからおかしい。その滑稽な姿に、LGBTたちも失笑。その上、これを祝祭のイベントのひとつだと勘違いしてSNSに画像をアップする外国人が多く、すっかり笑いのネタになってしまった。

  それだけではない。この反対集会を行ったのは、3月に起きたリッパート駐韓大使襲撃事件時に大使の快癒を祈って応援集会を開いた団体だったのだ。祝祭会場には同米国大使をはじめ、カナダ、スウェーデン、フランス、ドイツ、フィンランド、ノルウェー、デンマークなど、同性愛や同性婚を認めている各国の大使が出席したが、リッパート大使は前出の団体の目の前でアメリカの同性婚合法化の判決を祝福するメッセージを伝え、彼らに衝撃を与えたのである。



 幸い大きなトラブルもなく、比較的平和な雰囲気の中で行われていた韓国のクィア祝祭だが、いくつかの問題点もあった。例えば、女性器を型取りしたマドレーヌと男性の体が描かれたうちわ。SNSでは、これらのグッズに対して好意的な人と、嫌悪感をあらわにする人たちの間で激論が繰り広げられた。また、パレードに参加した一般市民たちからは、「露出度が高くて下品すぎる」という意見も聞かれた。

 外国のクィア・フェスティバルは、“性的少数者たちの人権を守ってほしい”という趣旨が強いのだが、韓国クィアのアピールポイントは「ゲイ同士のアナルセックスは、悪いことではない」「クィアを一般市民に納得させるつもりはない。我々は堂々と遊びたいだけ」などであったため、その猥褻な雰囲気に慣れず、むしろ反感を持つ一般市民も少なくなかったのだ。

 まだ日本ほどオープンではないが、ゲイタレントが活躍し、実際に同性婚合法化の動きも始まった韓国。いずれにせよ、時代の流れと共に同性愛の問題が社会的イシューになる日はそう遠くなさそうだ。