今年7月13~16日に、東京・千代田区の靖国神社で開催される「みたままつり」において、参道の露店(屋台)出店が中止されることになり、波紋が広がっている。
「みたままつり」は終戦2年後の1947年に始まり、今年で69回目。東京のど真ん中で行われる夏祭りとして多くの都民に親しまれており、多くのアイドルや若手芸能人が訪れることでも知られる。しかし、毎日.jpなどの記事によると、近年は多数の若者が遅くまで酒を飲んで騒いだり、未成年の飲酒・喫煙が横行したりするなど、迷惑行為やトラブルがあとを絶たなかったという。
屋台はお祭りの大きな楽しみのひとつだが、そもそも「みたま(御霊)まつり」は英霊(祀られた戦死者)を慰める行事。本来の目的を忘れないよう襟を正そうというわけだ。
この屋台中止措置を受けて、ツイッターには、
「なんで規制とかするかね。
と規制に不服を唱える意見もあるが、
「完全に無くなるのかな?確かに下乗(編集註:神社の境内など、そこから先が清浄な場所であることを示す言葉)より手前は飲めや歌えやのどんちゃん騒ぎ会場と浮かれてはしゃぐ子供らのたまり場になってたけど」
など、屋台周辺の騒ぎの様子を指摘しつつ、靖国神社の判断に理解を示す声や、
「靖国神社『みたままつり』露店中止で、風物詩の見世物小屋がなくなるのは残念。ただ、まあ、なんといっても戦没者を祀る場所なんだから静かに参拝し、宴会は近所の店でやればいいでしょう」
と、本来の祭りの目的のためにも妥当、というコメントが多い。
この措置で、屋台とその周辺のにぎわいを知っている人にとって祭りの印象はかなり変わりそうだが、「みたままつり」の目玉は屋台だけではない。英霊への感謝と平和を願い、境内を埋め尽くす大小3万の献灯はよく知られ、「光の祭典」とも呼ばれている。また神輿・盆踊りなどの諸行事は例年通り開催予定とのことだ。今年は屋台がなくなることで、例年は目に入らなかった魅力がみえてくるかもしれない。
※当記事は2015年07月01日に掲載されたものであり、掲載内容はその時点の情報です。時間の経過と共に情報が変化していることもあります。