ギリシャ、IMF債務返済せず=事実上のデフォルト―支援失効で窮地 | ニコニコニュース

 【ワシントン、ブリュッセル時事】国際通貨基金(IMF)は30日、財政危機に直面しているギリシャが約15億ユーロ(約2000億円)の債務を期限の同日までに返済しなかったと発表した。同国は事実上の「デフォルト(債務不履行)」状態となった。IMFへの滞納は先進国で初めて。また、欧州連合(EU)などによる金融支援が1日失効し、ギリシャは窮地に陥った。

 ギリシャは資金繰りが大幅に悪化しており、手元の現金が枯渇すれば代替通貨の発行を余儀なくされ、ユーロ圏離脱に追い込まれる恐れもある。

 IMFのラガルド専務理事はこの日、ギリシャの滞納を理事会に報告。債権は「延滞」扱いとなり、返済開始まで新規融資が停止される。ただ、同国は返済期限の延長を要請。理事会が受け入れた場合、滞納の認定を解かれる可能性がある。

 IMFへの滞納は途上国のスーダンやジンバブエで起きたが、先進国では1945年のIMF創設以来初めて。ギリシャが返済に努めなければ、IMFは2年以内に同国を除名できる。

 EUとIMFは10年5月以降、ギリシャに計約2400億ユーロの融資を行う一方、条件として公務員のリストラや増税、年金削減など、痛みを伴う財政緊縮策を求めてきた。

 しかし、今年1月のギリシャ総選挙で「反緊縮」を掲げたチプラス首相率いる急進左派連合(SYRIZA)が圧勝。その後のEU、IMFとの支援交渉は難航を極め、決裂した。

 ギリシャは支援打ち切りの土壇場になって、改めてEUに支援要請。ユーロ圏は30日、電話による緊急財務相会合で支援延長を拒否した。同会合のデイセルブルム議長はロイター通信に「(要請は)遅過ぎた」と述べ、5日のギリシャの国民投票が終わるまで新支援での合意はないと明言した。

 ギリシャは1日に再度、EUに支援を求める予定で、ユーロ圏は提案内容を精査するため、もう一度電話会合を開く。